LinuC取得を推進する企業インタビュー

オープンな技術を生かして組織の力を高める、共通言語としての「LinuC」

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サイオステクノロジー株式会社 執行役員 第2事業部 副事業部長 OSSテクノロジーセンター長 黒坂 肇さん

オープンなテクノロジーがソフトウェアの力を最大限に発揮する源泉に

われわれサイオスの得意とする領域はクラウドや認証、API、機械学習、それに分散コンピューティングなどですが、会社の根本としての技術、基本となる技術はオープンソースソフトウェア(OSS)です。OSS製品の販売やサポートに加え、OSSを用いてお客様のシステムを開発・構築し、OSSを使ってサービスを提供している他、社内システムでもOSSが随所に使われています。

なぜ当初は笑われながらもオープンソース、オープンテクノロジーに注力してきたのか。こんなに面白いものにチャレンジしないなんてあり得ないという思いもありますが、いまや世界の基本はコンピュータになっているからです。蒸気機関が発明された頃はハードウェアが中心でしたが、今や人の欲求をかなえるのはソフトウェアであり、あらゆる価値の源泉です。そして、ソフトウェアの力を最大限に発揮できる方法は何かというと、オープンな技術を活用することです。

こうした時代の変化にともなって、企業の競争力を決定付けるポイントも変わってきました。昔は経営者が掲げる戦略や戦術がとても大切でしたが、今は組織が重要視され始めています。いかにエンジニアリングパワーを発揮できる組織かどうかが、そのまま企業の競争力に直結するのです。

では、どうすれば組織としてのエンジニアリングパワーを高めることができるのか。Rubyのまつもとゆきひろさんのようにすごい才能の持ち主が1人いればいいかというと、そうとは限りません。むしろ、いかにコミュニティを作り、そのコミュニティの中で活躍できる人材を広げていくかが重要になります。

ここでいう「コミュニティ」ですが、僕はただの仲良しグループという意味では使っていません。何らかの目標や戦略を設定し、それに向けて最も素早く、効率的に実施できるチームであることが必要だと思っています。それを可能にするには、コミュニティとしての「文化」が不可欠で、それがコミュニティの行方を左右するのではないでしょうか。

組織の力を高めるコミュニティにはLinuCのような「共通言語」が必要に

ならば、どうやってコミュニティの文化を創るのか。まず必要なのは、メンバーどうしが話せる「共通言語」でしょう。その中で「LinuC」という資格は、僕らの会社、僕らのコミュニティで使われる「共通言語」としての役割を果たしてくれるものです。「これこれこういう資格取得者が何人います」といった測定のための物差しという役割を超え、コミュニティに加わり、強くしていくための基本的な言葉ではないでしょうか。

ですから、中途採用で転職を希望してくる方とお話しする際にも、「Linux、やったことがあります」と言葉で言うだけではなく、きちんと履歴書にLinuCのレベル2や3が記されていると、「お、そのレベルに達しているし、一緒にチームとしてやっていくためのコトバも話せるな」と思いますね。エンジニアの方にとっても、面接の場であれこれ試されるよりは、「自分はこういったことができます」とスキルをアピールする手段として活用してもらえるんじゃないでしょうか。

この共通言語に加え、コミュニティの根幹となる「コア」と、多様性を認め、守るための「ルール」を兼ね備えたコミュニティを会社としてどのように作り、どう強くしていけるかがエンジニアリングパワーを高め、オープンなテクノロジーを生かす力になると考えていますし、エンジニア自身の活躍や成長につながると考えています。

LinuCはエンジニアが裾野を広げ、まんべんなく知識を習得するきっかけにも

LinuCには、もう1つの側面からも注目しています。

今、サイオスのシステムインテグレーション事業は確かに堅調ですが、顧客の要望通りにシステムを作るだけでは不十分。要望に応えつつ、なおかつ全く違うもの、イノベーションを生み出すことも必要だと考えています。

そのため、エンジニアには2つの「そうぞうりょく」が必要だと常々言っています。1つはモノを生み出す「Creative」な力。もう1つは、いわゆる想像力、「Imagination」ですね。ただ、残念ながら今のエンジニアの多くは、後者のImaginationの部分が弱く、両方兼ね備えた人はなかなかいません。

じゃあ、どうやったらImaginationを育てられるのか。自分の得意なこと、知っていることだけでなく、「知らなかったこと」を知り、まんべんなくベースを上げていくことが必要だと考えています。

もちろん、一つの分野で他の誰にも負けないという抜きん出た能力を持つのも大事ですよ。実際サイオスには、「メールサーバなら誰にも負けない」「認証なら任せておけ」と言える、非常に尖った能力を持ったエンジニアがたくさんいます。けれど、得意技術に隣接した技術も知り、裾野を広げていくことで、「これとあれが組み合わさったらこんなことができるんじゃないか」「あの分野でできていることがそっちにも適用できないか」といった具合に、ベースラインが上がり、自分のできる「ネタ」を増やしていくことができます。

LinuCのような資格試験を受けることで、そんな風に自分の知らなかったことに触れ、視野が広がることを期待していますし、新卒で入社してきた社員には受験を推奨しています。そうすれば、本人にとっても知識の偏りがなくなり、活躍できる場が広がる。受けられる案件の幅も広がりますから。

サイオスとしては、社員に向けて「社内にこもらず、どんどん外に行け。オープンソースカンファレンスでもいいし、勉強会でもいいし、とにかく知らないところに行って違う経験をしなさい」と背中を押すとともに、若手には、研修や受講料を負担する形でLinuCの受験を推奨しています。こういう資格試験に向けて勉強し、取得すると、本人の自信にもなりますよね。

Web系のサービスを開発している会社に比べ、システムインテグレーションというと裏方的に捉えられがちですが、僕は、まだまだ面白い業界だと思っています。米国では近年、ベンダーやメーカーとエンドユーザーの間を仲立ちする「ナレッジワーカー」の存在が注目されていますが、日本におけるシステムインテグレーターの役割ってまさにそれですよね。お客様の要望に応えながら2つのそうぞうりょくを生かし、能力を発揮できる場だと思います。

今この世の中はコンピュータで動いているのですから、エンジニアにできることは山ほどあります。LinuCのような共通言語と広い知識を身につけたエンジニアには、もっともっとチャレンジしてほしいですし、サイオスはそれができる面白い場だと思います。

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