2018.12.25

先の見えない時代だからこそLinux教育に力を注ぎ、個人も会社も選択肢を広げる

株式会社日本プレースメントセンター

企業・合格者の声

#エンジニア育成

日本プレースメントセンター
代表取締役社長
小山 哲郎さん (写真右)

IT事業本部
高久 雅史さん (写真左)

顧客のニーズに応えるだけでなく自身の選択肢を広げる武器に

小山 バブルがはじけ、失われた20年のはじまりとなった1990年代。就職氷河期が到来し、働きたくても職が見つからない若者に働ける場をーーという思いから、日本プレースメントセンター(JPC)は、共立メンテナンスの関連会社として1999年に創業しました。世の中の需要を受けてIT業界に舵を切り、主に運用業務のアウトソーシングを担ってきました。

金融・公共系の顧客が多かったこともあり、当初はメインフレームが業務の中心でした。ですが2000年代に入ると、顧客システムでも徐々にLinuxをはじめとするオープンソースソフトウェアを活用したシステムが広がってきました。サーバもクラウドも、基盤でどんどんLinuxが採用されるようになっているのですから、お客様のお役に立つにはLinuxの技術を身につけた人材を育成することが必須です。

もう一つ、われわれにとって大きな契機となったのが、2008年9月発生したリーマンショックでした。それまで順調に業績を伸ばしてきましたが、市場の急激な冷え込みにともなって、多くの社員が顧客システムのオペレーション業務から外されてしまい常時70人ほどの社員が待機状態でした。われわれには「自宅待機」という選択肢はありませんでした。  代わりに、教室と資格取得のためのプログラムを用意し、「勉強し、資格を取得するのが君らの仕事だ」と後押ししました。以前から、運用監視業務が中心だったことから全員に対してITIL関連資格の取得を推奨していましたが、それだけでなくJP1やLinuCの前身に当たる資格の取得を支援しました。その後、市場環境が大きく変わり、空前の人材不足が叫ばれる今では、あの頃に知識トスキルを身につけたエンジニアが数多く活躍してくれています。

JPCでは今、ITIL Foundationや基本情報処理技術者のほか、多様な資格取得を推進しています。中でもVBAとLinuCの2つを重点資格に据え、バウチャー購入や社内向けの資格受験講座を開催するほか、実機に触りながら学習できる「JPC Lab」も開設し、さまざまな面から支援しています。また、資格を取得した暁には報奨金を出し、人事考課時の評価にも反映しています。

LinuC レベル1レベル2レベル3の取得者は全て合わせても100人弱です。今後は大いに増やしていくつもりです。Linuxの導入が進んでいるお客様側のニーズに対応するという意味もありますが、それ以上に、新卒で入ってきてオペレータ業務からスタートした社員たちが、単なる監視業務だけでなく、設計、構築、開発といったより高度な仕事ができるように育てていくのが私の仕事だと思っています。より幅広く、高度な仕事ができるようになれば、その人のエンジニアとしての選択肢が広がりますから。

LinuC取得に向けた体系立てた学習で疑問を解消、クラウドなど新たな業務にも活用

高久 私は新卒でJPCに入社して以来、さまざまな顧客のシステム運用を支援してきました。初めての仕事は金融機関の汎用機でしたが、リーマンショックを機にその現場を引き上げることになり、以後はオープン系のシステムに携わっています。

汎用機の現場では、手順書に書かれているコマンドをそのままなぞればすみました。むしろ、それ以外のことはしてはいけない、という感じでした。Linuxベースのシステムの運用を任されたときも、最初は、コマンドの中身を理解せずにオペレーションをしていました。けれど「本当にこのままでいいのだろうか、本質を理解しないままで大丈夫だろうか」と不安を抱くようになり、その不安を解消したいとLinuxの勉強に取り組み始めました。

オープンソースソフトウェアですから、Linuxに関する解説記事や使い方はインターネットでいろいろ探すことができます。学習の際にはそれらも活用しましたが、ネットで拾った言葉の中には「これって何だろう」とひっかかるものもありました。けれどLinuC取得に向けて体系立てて勉強することにより、そうした疑問を解消することができました。

いま、自分はクラウド保守の現場に詰めていますが、ちょうどLinuC 304で仮想化技術について勉強していたタイミング。クラウド保守の業務は初めてで不安もあったけれど、その考え方や体系は304で学んだことそのままだったので、「ああ、これはあそこで説明されていたことだな」と安心して取り組むことができています。

LinuC取得に向けた勉強のコツですが、LPI-Japanが提供している「Linux標準教科書」シリーズのほか、定期的にポイント解説セミナーを開催していますよね。講座に直接参加できなくても、その内容をまとめたPDF資料が配布されており、それらも非常に役に立ちます。勉強に取り組むときは、初めが一番辛いかもしれません。0から1にする労力は大変だけれど、そこに負けずに1にたどり着ければ、そこから2、3へと伸ばしていくのは比較的簡単です。現状に満足せず、より上位の資格を目指してほしいですね。それが取得できたころには、以前とは違う世界が見えてくるはずです。

いろいろな現場を担当してきて思うのは、ITシステムの軸の部分は変わらないということです。そして、LinuCの1から2、2から3へとレベルアップしていく中で、自分の軸が太くなっていくのを感じています。

丸暗記ではなく、本質を理解して課題を解決する訓練に

小山 JPCでは、さまざまな業務改善提案を行ったり、ファインプレーのあった社員を表彰する「月間MVP」制度を設けています。本人に賞金等で報いるとともに、さまざまなナレッジや知恵を全社で共有することで、いろいろな現場に「改善」の輪が広がっています。LinuCやVBAはその武器としても役立っています。

こうした業務改善提案というのは、なぜこの手順がこうなっているのか、なぜこの作業が必要なのかという目的や意味を考え、もっとお客様の役に立つにはどうしたらいいかという、本質的な課題に取り組まなければ出てきません。そういう意味では、丸暗記ではなく本質を理解しなければ取得できず、実際の業務に近い問題が出されるLinuCという資格の勉強をすることは、本質を見定める訓練にもなると思います。

この先、IoTやビッグデータ、AI、ロボティクスといった新たな技術が進展する中、IT企業も、今までの延長線上で同じような仕事だけやっていてはいけません。新しい仕事にチャレンジする、それも顧客・ユーザーに近いところでいろんな提案をできる人、新しい正解を見つけ出していく人材が求められます。顧客がチャレンジする新しい分野をビジネスパートナーとしてお手伝いする人材が必要になるわけですが、LinuCという基礎があればその役にも立つと思います。

資格取得を通して自分の幅を広げることで、顧客や社会の役に立つし、自分自身にも返ってきます。社員にはぜひ、そんなふうにいきいき働き、周りから信頼される人材になってほしいですね。2011年度から開始した医薬分野の新事業とともに、お客様と、働く自分自身と、それにJPCという会社と、三者がみな満足する「ハッピートライアングル」を実現していきたいと考えています。


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