2024.01.10

LinuCシステムアーキテクトでは、自分のアーキテクトスキルのスコア化ができたのが収穫

株式会社コムニック

企業・合格者の声

#LinuCシステムアーキテクト #合格者インタビュー

株式会社コムニック
テレコムキャリア事業本部
所内リソース管理事業部

星野 晃良(ほしの てるよし)さん

2023年11月から受験が可能になったLinuCの新しい認定試験、「LinuCシステムアーキテクト」
この認定試験はITスキル標準(ITSS)の「レベル4」に相当する高い技術力を持つ技術者を対象とした、全く新しい試験です。今回はLinuCシステムアーキテクトの「ベータ試験」に挑戦して、みごと認定を取得された株式会社コムニックの星野晃良さんに、認定取得を目指したきっかけや目的、実際に受験してみた感想などを伺いました。

チーフSEとしてプロジェクト関係者とのコミュニケーションを重視

コムニックは1994年の創立以来、コンピューターやテレコミュニケーションにおけるシステム、ソフトウェア開発やITコンサルティングを提供してきた技術志向の企業です。星野さんは、2012年に新卒で同社に入社。以来、一貫してエンジニアとしてのキャリアを重ね、現在は主に通信事業者向けの業務システム開発を担当しています。

開発チームの中では、チーフSEとして主にアーキテクチャ設計などを担当しつつ、技術的な課題解決や開発プロジェクトにおけるテクニカル面の調整、お客様やプロジェクトメンバーとの調整役なども務め、プロジェクト推進を支えている星野さん。日々の仕事で大切にしていることの1つに、関係者全員とのコミュニケーションがあると語ります。

星野さんは以前、お客様企業に多数ある通信サーバーの運用を担当していました。サーバー運用業務では障害対応がしばしば発生しますが、その際にも単に復旧させて終わりではなく、また同じ問題が起きないよう、継続的サービス改善の観点から、原因究明や予防策に取り組む必要があります。

「それにはやはりお客様を含む関係各所との調整が必要ですが、何をするべきか、その結果どんなメリットが実現できるかを、いろいろな方に伝える難しさを経験しました。当時のチームプレーの経験は、現在のシステムアーキテクトとしての仕事に大いに役立っていて、難しさと同時にこの役割の醍醐味だとも感じています」

LPI-Japanからの案内メールで興味をおぼえ、新試験への挑戦を決めました

今回、「LinuCシステムアーキテクト」のベータ試験に参加。みごと一発で合格し、認定取得を果たした星野さんですが、以前から資格取得には熱心に取り組んできました。最初は学生時代にIPAの基本情報技術者試験。社会人になった1年目に応用情報技術者試験。そしてその後はインフラ系の部署に所属していたこともあり、Linuxのスキルを伸ばそうと、当時LPI-Japanが行っていたLPICの認定も取得しました。

「その後LinuCの試験が開始されて、ちょうどその頃に自分でも高可用システムなどのスキルをもっと伸ばしたいという思いがあってLinuCレベル3 304試験にチャレンジし、無事に合格しました」

ちなみにコムニックには、社内の教育システムやキャリアアップの制度が整備されていますが、業務の領域・分野が多岐にわたりプロジェクトも数多く存在しています。このため、社員が自分で必要だと思えば、自由にチャレンジする風土なのだとか。星野さんも、まさにそうした自由闊達な空気を活かして、自分のスキルを伸ばしている1人といえるでしょう。

星野さんが、今回のLinuCシステムアーキテクトのベータ試験を知ったのは、LPI-Japanからの案内メールでした。

「そのメールに出題範囲の説明のリンクがあったので見てみたところ、結構自分の業務に近い内容や興味のある分野だったので、ちょっと面白そうだなと思って受験を決めました。興味を持ったポイントとしては、概念的な設問だけでなく、実際のOSS製品を使った出題も想定されていて、より実践的な内容になっているところなどです」

みごと認定取得できた背景には、積み重ねてきた経験やノウハウがあった

ベータ試験は、受験された方々の解答結果や試験内容についてのコメントを踏まえ試験問題の妥当性や信頼性の検証を行うことも兼ねていることもあり、受験も半日丸々かかるといった特別な実施スタイルでした。もちろん、まだ公式の認定教材なども出ていません。それにもかかわらず、みごとに合格し認定取得を果たした星野さん、一体どのような試験対策で臨んだのでしょうか。

「今回は合格が目的というより、自分の実力がどれくらいかを知る~力試しとして受けてみたのです。具体的な勉強といえば、LPI-JapanのLinuCシステムアーキテクトのWebサイトに掲載されていた参考教材として紹介された書籍の中から、基礎的な内容のものを選んで読みました。あとは出題範囲の中で重要そうなところについて、メモを作って整理したくらいですね」

LinuCシステムアーキテクトの認定試験の大きな特徴として、Linuxシステム全般にわたる知識に加えて、それらの応用や、実際の開発プロジェクトにおける考え方まで、まさに「システムアーキテクト」としての幅広い力量が問われることが挙げられます。このため知識の丸暗記では通じない、エンジニアとして積み重ねてきた経験やノウハウが問われる点が、受験対策の難しさにもなっています。

「私の場合も、今回認定を取得できたのは、これまでの実務経験によるところが大きかったと思っています。以前サーバーの運用の業務を担当していた時、あらかじめそのシステムがどんな作りになっているかを把握しておかないと、その後の保守や障害対応ができません。そのため、ふだんからシステムの設計書を詳細に読み込む機会が多かったんで、それが良かったんだと思いますね」

設計書を前に「こういう特性のシステムではどんなアーキテクチャになっているか」「非機能要件を満たすために、どんな対策を施しているのか」といったことを繰り返し考えてきた経験の蓄積が、今回の合格につながったのではと星野さんは振り返ります。

LinuCシステムアーキテクトで期待できる「3つの業務面でのメリット」とは?

今回のLinuCシステムアーキテクトのベータ試験への受験を振り返って、星野さんは「自分のスキルの偏りを知ることができたのは、かなり大きな収穫だった」と語ります。

「例えば、代表的なアーキテクチャのパターンやセキュリティ、可用性などは予想通りの点数が取れていました。一方パフォーマンスやトラブルシュートなどは、自分が思っていたよりできなかった。こういう感じで自分のスキルのスコアリングができたという点で、当初の『力試しをしよう』という目的も達成できました」

今回LinuCシステムアーキテクトの受験を通じて確認できた知識やスキルは、自身の仕事の中でどう役立っていくと考えているのでしょうか。星野さんは、大きく3つの期待があると明かします。

「まず1つは、システムを作る手前の部分ですね。お客様の要件に応じた最適なアーキテクチャの設計を実現する上で、今回の勉強を通じて自分の引き出しが増えたので、今後はこれまで以上にいろいろなパターンのご提案をできるのではと考えています」
2つ目は、その提案の後、システムを実際にリリースする時や、リリース後のトラブルシューティングです。

「例えば性能試験を行った結果、思ったより性能が出なかった。あるいは運用開始後に障害が発生した際、予定通りに切り替わらなかったなど、実際の運用の局面では、想定外の対応を次々に迫られます。その時も、知識の引き出しがたくさんあれば、より適切な切り分けや対処方法を提案できます」

そして3つ目は、エンジニアとしての対外的な信用です。チーフSEである星野さんは、プロジェクトのトラブル対応などが発生すると、立場上、初めての客先に出向くことも少なくありません。

「初対面のお客様を相手に資料を見せて対策の説明するのですが、その場合もいきなり『誰だかわからない星野』が来て説明するのではなく、こういう上位資格を取得していて、これだけの経験がある人間が説明しますと言えれば、お客様にも安心していただけます。そうした経験やスキルの裏付けとしての資格という点で、お客様からの信用度アップにつながるかなと期待しています」

今回学んだクラウドなどの知識を、今後の新しい業務に生かしていきたい

LinuCシステムアーキテクトは、LinuCの中でももっとも高い技術力を証明する認定として位置づけられており、決して初心者向けの認定資格ではありません。LPI-Japanとしても、星野さんのように十分なキャリアとそれに見合った経験や知識、スキルを持ったエンジニアを想定して認定試験を提供しています。それを踏まえた上で星野さんは、スキルアップを目指す若手エンジニアに、「まずはLinuCレベル1から始めて、順にステップアップを目指すのがよいのでは」と示唆します。

「やはり若手の技術者は、基礎力を身につけるのが非常に重要です。それをバランスよく学べる点で、私も新入社員や若手にLinuCの認定取得を勧めています。Linuxの認定資格にはLPICもありますが、こちらはLinuxを中心に据えて実装や設計を扱っている印象です。一方、LinuCはシステム開発全体を概念レベルから理解していく点に特徴があります。特に初心者が受験対象となるLinuCレベル1からクラウドやコンテナの知識を学べる点も、時代に合っていますね」

星野さん自身は、すでにベテランのシステムアーキテクトですが、認定取得で勉強した新しい知識を生かせる機会がまさに来ていると意気込みを語ります。
「現場の経験は大事ですが、それだけだと業務で経験しない分野はいつまでたっても学べません。私自身もこれまではオンプレミスでの業務がほとんどでしたが、最近はクラウド関連の仕事に携わるようになっています。まさにこれからが今まで勉強してきたクラウド関連の知識やLinuCシステムアーキテクトの受験で確認できた知識の出番だと思っています」

システムアーキテクトの仕事の醍醐味は、システムの提案をするときに求められる技術要件だけでなく、さまざまなビジネスの要請や「オトナの事情」も含めた人々の思惑まで、パズルのピースを組み合わせていくような面白さにあると語る星野さん。最後にLinuCシステムアーキテクトの認定取得を目指すエンジニアの皆さんに、一言メッセージをお願いします。

「認定試験でいえば、レベルが高くなるほど丸暗記では追いつかなくなります。やはり普段から自分の仕事に興味を持って、仕組みまでしっかり理解できるよう掘り下げて考え続けることが重要です。あとは情報を集めることも大事になるので、何か面白いと思えるところを見つけられると情報感度も高まるのでプラスになると思います。私自身も、そういう風に面白い、好きだというところで情報収集が続いてきています。勉強以外には知り合いを増やしたり、コミュニティにも参加したりして、どんどん自分の中の情報の引き出しを増やして、より高いレベルを目指して頑張ってください」


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