2025.04.01
LinuCレベル1を持っているという自負が仕事の責任感につながっている

LinuCレベル1認定試験合格者
株式会社テクニケーション
第一ITインフラ部 第六課 主任
大野 正明(おおの・まさあき)さん
Linux技術者認定「LinuC(リナック)」のエントリー資格として、Linuxを学ぶ若手技術者の注目を集めているLinuCレベル1。Linuxシステムの基本操作と管理に必要な知識が身につくため、即戦力エンジニアを目指す人には、スキルアップの早道ともいえる資格です。今回は、LinuCレベル1の認定をお持ちで、SES会社のエンジニアとして活躍中の株式会社テクニケーション 第一ITインフラ部 第六課 主任 大野正明さんに、認定にチャレンジしたいきさつや、現在の業務にどう役立っているかなどについて語っていただきました。
目次
まったくIT経験のないところから、3年でLinuCレベル1の認定を取得

株式会社テクニケーションは、SES(システムエンジニアリングサービス)事業を軸に、顧客企業のシステム開発や運用を支えるエンジニア集団です。現場の単価と連動した給与設定や、希望の案件を自分で選べる、経験豊富な先輩たちとチームで仕事ができるといった、「エンジニア本位」のユニークな施策が評価され、社員の定着率はなんと90%超とか。大野さんはIT業界5年目で、テクニケーションには2023年に入社。現在はLinux OSのカスタマイズや開発、システム構築などを担当しています。
大野さんが現在、認定を取得しているのはLinuCレベル1で、これは前職のIT会社在籍当時に取得したものです。大野さんはそこに入社するまで全くITの経験がなく、最初はUNIXシステムの監視オペレーターの仕事からのスタートでした。
「システム監視は手順書通りに決められた作業をすればよいので、未経験者でもできるのです。とはいえ、何も予備知識がないので、手順書に書かれている用語も1つひとつ調べなくてはいけない。これは大変だと思っていたら、職場の人にLinuCという資格があると教えてもらって挑戦する気になり、さっそく『あずき本』*を買って勉強を始めたんです」
*「Linux教科書 LinuCレベル1」(翔泳社刊)の通称。表紙が「あずき色」なので、一般に「あずき本」と呼ばれている。
監視業務の空き時間を利用して勉強を重ねたかいあって、2022年にはLinuCレベル1の認定を取得。さらに2023年には、レベル2の必須試験2本のうちの1本目(201試験)に合格しています。もう1本の202試験も「ちょっと時間が空いてしまいましたが、また頑張って取得しようと思っています」と大野さんは語ります。
ちなみに大野さんのモットーは、「責任感を持って仕事をすること」。エンジニアとしてはむしろ当然の心がけともいえますが、改めてそう思うようになったきっかけの1つには、LinuCの認定取得もあったと明かします。
「あるLinuxサーバーの構築案件に、立候補して担当になった時のことです。過去の手順書を調べる中で、Linuxの知識がないために生じたと思われる課題をいくつも発見しました。そこでこの先自分が担当するからには、絶対にそういう問題のある手順書にならないように作ろうと決意したのです。そんな気持ちになった背景には、LinuCレベル1の認定を持っているんだという、ささやかな自負もありました」
LinuC受験の定番「あずき本」を、注釈文まで徹底的に読み込んで学習
大野さんがLinuCレベル1の受験勉強に活用した「あずき本」は、受験者の間では「定番」と言われている参考書です。多くの受験者から評価されてきた同書ですが、大野さんもこれを使って勉強した時期を振り返って、「あずき本は裏切らない」と語ります。「裏切らない」とは、「努力して勉強した成果が期待できる」という意味ですが、具体的にはどんな点を指すのでしょう。
「まず他の参考書に比べて、実際の試験の出題に焦点が合っている=解説が出題の答えにより近い印象があります。加えて、レベル2、3を取得している先輩方に伺っても、あずき本は本当に細かい部分まで詳しく書かれているので、注釈の文章までもしっかり読み込む価値があると言われました」
実際にその注釈文の内容が、本番の認定試験に出題されたこともあったので、やはりあずき本を読み込むのは大事だと実感したと大野さんは語ります。
「ただ、自分はITの知識が全くない状態から始めたため、その詳しい説明の意味を、言葉の1つひとつを調べながら進めないといけなかったので、そこは苦労しました。当時の自分のレベルならITパスポートあたりから始めた方がよかったのかもしれませんが、そこはもう思いきって力技でやり抜きました(笑)」
大野さんのように、日常の仕事を行いながら認定資格を取得しようとする場合、重要なポイントの1つに、勤務先のサポート体制があります。テクニケーションは「あたらしい実力主義を、みんなに。」をミッションに掲げるとあって、技術者としてのスキルを磨こうとする社員を積極的にフォローする、さまざまな支援制度を設けているといいます。
まず注目したいのが、「資格取得支援制度」。これは資格の受験費用と参考書代を会社が負担してくれるというものです。ただし人事担当者によれば、「支給されるのは合格した場合のみなので、みんなそこは絶対に合格する気でチャレンジしていただきたいですね」とのこと。なお、この学習サポートの規定は、内定を承諾した人には入社前であっても適用される点が、業界の中でも非常にユニークです。
またIT試験学習サイト「Ping-t」**の有料アカウントを会社が複数持っていて、社員が申請すれば無料で貸し出ししてもらえます。大野さんも「申請したら、もう1時間後には使用許可が出て使えるようになりました」と振り返ります。
** IT試験の問題集サイト。LinuCの他にもOracleやCCNA、HMTL5認定など、さまざまな試験問題が提供されている。https://mondai.ping-t.com/g
「この他にも、資格所有者と若手の交流会というのが毎月開催されていて、これから受験する人たちが先輩に勉強法など、生の声を聞けるようになっています」
「認定=基礎知識がある」と認めてもらうことで仕事の効率がアップ

では、LinuCレベル1の認定を取得すると、実際に何が変わるのでしょうか。大野さんは、「基礎知識が、ちゃんと身についているから大丈夫だ」という自信を持てるようになったと語ります。
「例えば初めて参加する現場で、最初に他の人たちと顔合わせをしても、LinuCの認定を持ってるというところから話が始まるので、『それなら、もうこれは説明いらないよね』『これ、もう頼んじゃっていいよね』みたいなところからスタートできます。時間の節約にもなるし、お互い専門家同士ということでコミュニケーションもスムーズです」
LinuCの認定を持っていること自体が、1つの技術者のステータスとして周りから見られるメリットも大きいと大野さんは言います。上のように、「LinuCレベル1を持っている=基礎知識が身についている」とみなされるので、周りも「あなたなら分かるでしょ?」と色々な仕事を任せてくれるのです。
「前職でも、認定を取得してからはサブリーダーやリーダー候補のような役割をもらえたり、周りの方の見る目が変わったということが、かなりありました。またそういうふうに認めてもらうことで、自分でもモチベーションが上がっていくのを感じていました」
基礎知識があることと周囲がそれを認めてくれる結果、仕事のスピード感がどんどん上がっていきました。上の人から言われたことがすぐに理解でき、「それは、こういうことですよね」と即答する中で、いろいろとよい方向に向かって行ったといいます。
「レベル1認定取得後、さらにレベル2の201試験に合格した後には、bashを使った開発案件に携われるようになり、その実績が認められて、その次のOS構築のお話もいただけたというように、確実に1つひとつステップアップしていくことができました」
こうした認定取得がもたらすプラスの効果は、会社も明確に認識しています。エンジニアチームのリーダーを任命する際など、実務経験が評価の基準になるのはもちろんですが、経験が少ない場合も認定資格を持っている場合はスキルありとみなして、上位のポジションに参加させるケースがあるそうです。
テクニケーションの人事担当者は、「当社が受注している案件先の会社からも、『この認定資格を持っているなら、ぜひ来て欲しい』と言っていただけることが少なくありません」と、認定資格が顧客の信頼を得る上でも大いに貢献している点を強調します。
これからは自分の基礎体力をもう一段上げるのに挑戦していきたい
大野さんは今後のテーマとして、LinuCレベル2の認定取得はもちろんですが、他の分野の資格にも積極的にチャレンジしていきたいと抱負を語ります。その第1候補が、クラウドの資格です。
「やはりクラウドであればAzure CloudやAWSがメインですが、テクニケーションはAWSの認定取得者も多く、単価のよい案件もたくさんあるので、そこを勉強したいと思っています。逆に、基本情報技術者試験などで、基礎知識を改めて勉強するのも必要かなと考えています」
キャリア5年目にして、自分の基礎体力をもう一段上げるのに挑戦したいと意気込みを語る大野さん。最後にLinuCレベル1認定を目指す皆さんに、ひと言アドバイスをお願いしましょう。
「あずき本を読み込んで憶えるのも大事ですが、同書の特典の、自宅のPCで簡単にサーバーが導入できる*というのは、絶対やってみるのをお勧めします。やはりLinuxの勉強は実際に手を使って動かすのが一番効果的で学習効率が高いし、私も自身で体験してみて、その効果を実感しました」
*「Linux教科書 LinuCレベル1」(翔泳社刊)では、 Linux実習環境を翔泳社Webサイトからダウンロードできる。https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798160498
短期集中で合格を目指すなら暗記でもいけますが、認定取得を機にLinuxの技術を着実に身につけたいと思えば、やはりサーバーを自分で導入して触ってみる。そうして、自分の目的や必要に応じて、受験勉強のやり方を決めるのがいいという大野さん。この先輩の言葉を参考に、ぜひ皆さんもチャレンジされてはいかがでしょうか。
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