2018.08.31
総合力のある「ビジネスパーソン+エンジニア育成」を目指し「LinuC」を活用する企業、株式会社エンライズコーポレーション
株式会社エンライズコーポレーション
ICT事業部 人財育成部 マネージャー
橋本 明子(はしもと あきこ)さん(写真右)
ICT事業部 事業推進部 マーケティング担当
當麻 優(とうま ゆう)さん(写真左)
目次
ITインフラ技術に特化したエンジニアリングサービスを展開するベストベンチャー
橋本 当社は、「3Sビジネス」を主な業務としてエンジニアリングサービスを展開しています。「3S」とは、「SES(システムエンジニアリング・サービス)」「SIer」「Service」のこと。
なかでも当社の技術力を外部のプロジェクトや案件に提供するSESは、主力ビジネスとして当社のエンジニアの9割が所属しています。また、昨年からスタートしたSIer分野も、中小企業のエンドユーザー向けにメールサーバやネットワークの構築など、小規模な案件や課題解決のお手伝いを中心に少しずつ力を入れ始めているところです。今後は、RPAやセキュリティのソリューションなども提供していく予定です。
當麻 Service分野では、当社の「アカデミー」部門で作成している研修をベースにした動画eラーニングサービス「techhub(テックハブ)」を運営しています。2018年4月にリニューアルリリースし、より高い学習効果を得られる新しいコンテンツと機能を追加しました。
当社では、若手エンジニアの採用と育成に積極的に取組み、社内のアカデミーにおいてLinuCやCCNAといったITインフラエンジニアの資格取得をサポートしています。この実績あるカリキュラムを、そのままeラーニングとして提供しているのがtechhubです。
techhubは現在、コンシューマー向けのITインフラに特化したeラーニングサービスとして資格の取得に特化していますが、情報セキュリティに関する法人向けサービスも準備中です。将来的には、若手のエンジニアからベテランのエンジニアまで、知りたいことはtechhubが全て解決できるような広く技術者に情報発信するメディアとして、ITエンジニア専門のポータルサイトに育てていきたいと考えています。
エンジニアのLinux技術の品質を示すLinuCは、国内の需要に向けたエンジニア育成強化のための戦略的資格
橋本 当社のエンジニアにとってLinuxの技術スキルは必須です。SESのエンジニアはもちろんですが、SIer事業においてもLinuxは欠かせません。たとえば、クラウド上のサーバでメールを運用して欲しいというようなご要望があった場合、Linuxを使う必要があります。また、オープンソースであるLinuxを使った方が、Windowsよりも安価にご提供ができるため、中堅・中小のお客さまのコスト面でのご要望にも叶います。
Linux技術認定資格に対する考え方は、海外ではエンジニアの本人の腕試しのように考えられることが多いようですが、日本の場合はエンジニアが担保できる技術の品質を示す客観的な評価として見られる傾向がありますね。
當麻 とくに未経験者のエンジニアの場合、取得した資格の信用価値は重視されます。当社では、入社当初の2ヶ月間、集中的な研修期間を設けてエンジニアの育成と必要資格の取得をサポートしています。そのため、認定資格の内容も実業務の現状に即していることが望ましいのです。
LinuCは、実業務に近い内容が出題されており、市場ニーズに対応できるLinux知識を身に付けることができます。その意味でも、今後、国内の需要に向けたエンジニア育成強化のためのLinux技術者認定資格として、当社にとって戦略上必要だと思っています。
9月からは、実務レベルの内容を更に充実させ、資格取得時に学んだ内容を、より活かせるスキルを身に付けられる研修にリニューアルする予定です。
言語の壁がなくなったLinuCによって、Linuxの知識や考え方をより深く学ぶことができる
橋本 LinuCに移行したことによって変わったことが2つあります。ひとつは試験そのものの変化です。これまでのLinuxの資格試験は、もともと英語圏で作成した試験問題を翻訳して日本で使われていたため、日本人から見て質問の意味が汲み取りづらいなど、言語の壁を感じていました。一方、LinuCは日本発のLinux技術認定資格です。そのため、問題そのものが日本語で作られており、以前のような言語の壁がなくなったことがいちばん大きな変化だと思います。
また、出題内容が現場の実業務に則しているものが多く、実際に役に立つ知識として使われそうだと感じました。これによってもうひとつの変化が起こりました。試験対策や教え方の変化です。
LinuCの試験問題は、Linuxをきちんと理解できていないと解けません。そのため、以前は研修で「ここは覚えておいてね」といった暗記色が強かった試験対策や教え方が、LinuCに変えてからは「こういうところが問われるよ」とか「こういう知識を付けておいた方がいいよ」「ここはちゃんと理解しておいてね」など、Linuxへの理解を促す流れに変わりました。その意味でも、LinuCを取得することによって、Linuxの知識や考え方を深く学ぶことができると思います。
「アカデミー」による充実した研修体制と万全なアフターフォローでLinuCレベル1合格率は90%以上
橋本 LinuCは、現在、当社の奨励資格のひとつとなっており、取得して申請すれば「資格手当」が毎月の給与に反映される制度を設けています。各資格はランク付けされており、そのランクごとに資格手当の金額が変わります。
また、受験料についても初回の受験費用を会社が負担しています。ただし、未経験者で当社に入社した方に対しては、アカデミーに入会した上で、LinuCレベル1の取得を義務づけていますので、初回だけでなく取得できるまでの受験費用すべてを会社が負担します。
當麻 未経験者には、当社のアカデミーにおいて、エンジニアとして必要なスキルと資格を取得するためのさまざまなカリキュラムが盛り込まれた集中教育が提供されます。
具体的には、LinuCレベル1の「101試験」に対しては8日間、「102試験」には6日間の計14日間をかけて、集中講座および研修環境にアクセスできる実機を使っての演習を行います。また、研修中はeラーニングのアカウントもすべて開放するので、いつでもどこでも予習・復習することが可能です。その合格率は90%以上にも登ります。まさに短期集中でLinuCを取得できるメニューです。
エンジニアの付加価値や創造性を高めるための新しい育成方法を積極的に導入したい
橋本 当社のアカデミーでは2ヶ月間の集中教育以外にもひと月に15回ぐらいの頻度で、技術研修やビジネススキルも含めたスキルアップ研修などさまざまな研修を企画し開催しています。
エンジニアの技術研修は、LinuxでいえばWebサーバやDBサーバ、メールDNS等のサーバの基本知識や実際に構築する実習など。部門に関係なく全社的に告知しているので、誰でも参加することができるので、これらの研修を活用することで、自分自身で技術力を向上させていくことが可能です。またスキルアップ研修は、昨年作った制度でまだ明確な段階マップはできていませんが、SEの部門長や参加者に話を聞きながら、研修の企画を立てています。
當麻 ITエンジニアを育てるためには環境づくりも必要です。当社のエンジニアの平均年齢は20歳代半ばと若いですが、ITエンジニアの付加価値や創造性を高めるための新しい育成方法を積極的に取り入れるなど、エンジニアの教育に対してかなり投資していると思います。
今年(2018年)の7月からは、techhubの企画で外部からも参加者を募った研修も始めました。初回のテーマは、SNMP(Simple Network Management Protocol = ルータ、スイッチ、サーバなどTCP/IPネットワーク に接続された通信機器に対し、ネットワーク経由で監視、制御するためのアプリケーション層プロトコル)で、他企業の方3名に参加いただきました。
若手の層にマッチしたテーマということもあって、「たいへん刺激になった」と好評でした。今後は、これが社内外の交流の場となって当社のエンジニアがスキルを吸収し、成長して欲しいと考えています。
Linuxを学び知識を融合することで「AIにも負けないITエンジニア」になるためには
當麻 試験に合格するためには、専門の教材を使った学習が必要です。また、Linux技術は進化スピードも速く、あまり時間をかけすぎると出題内容も変わってしまいます。その意味で未経験者にとってのLinuCは、独学で取得しようとするとどこから手を付ければいいかわからないのでかなり難しいのではないでしょうか?
当社が運営するtechhubでは、「eラーニング」「リモートラボ」「ブートキャンプ」など、LinuCレベル1取得に必要な、101試験、および102試験対策のためのラーニングコースを用意しています。
「eラーニング」は、当社のアカデミーで講師が実際に対面研修で使っている、実績のあるオリジナル教材をeラーニング化した101試験、および102試験の対策講座。「リモートラボ」では、コマンドを自由に実行できるサーバ環境をインターネットから利用して、自分専用のサーバで納得いくまで演習を行うことができます。
いま準備中ですが、「ブートキャンプ」は、豊富な実績を持つ講師による要点の解説講座や、模試による合格レベル判定、精度の高い試験直前対策で合格を強力にバックアップします。短期間で集中して学習し、LinuCを取得したいと思っている方にぜひ活用していただきたいコースです。
橋本 Linuxは、ITという広い領域の中では一部の分野にすぎません。しかし同時にLinuxは、クラウドを使ったり、アプリケーションを開発するときに、なくてはならない知識でもあります。
「IT業界で何かをしたい」と考えたとき、それがインフラであっても上位層のアプリケーションであっても、Linuxの仕組みを知っていれば効率的なプログラムを組むことができたり、エラーが出たときに原因となる部分の切り分けが早くなったりします。
昨今、AIなど始めとした新しい技術に注目が集まりやすいですが、その基盤にあるLinuxを学ぶことで知識が融合し「AIにも負けない唯一無二のITエンジニア」になれるのではないでしょうか。
総合力のある「ビジネスパーソン+エンジニア」を目指して欲しい
當麻 技術的なところはちょっと苦手という人も、実際に現場に出てみるとコミュニケーション力や提案力を発揮してうまく開花する人がいます。また、その逆も然りです。そのため当社では、IT経験者だけでなく未経験の可能性にも期待しており、理系文系を問わず採用しています。
技術は「ツール」です。しかし、付加価値を与えなければせっかくのツールも活きません。一流のエンジニアには、必ず課題が先行します。そして、俯瞰的にその方法と成果をシミュレーションします。これからのITエンジニアに求められるのは、課題を見極め、それをどのようなテクノロジーで解決し、かつ社会に価値を与えるような「総合力」だと思います。
橋本 当社では、ミッションを達成することができるエンジニアに育てるためにさまざまな育成プランを用意しています。またスキルアップについても、誰もが本人のやる気次第で、上を目指せる仕組みになっています。
当社の根幹にあるのは「はたらくを面白くする」精神です。当社のエンジニアには、この精神を根幹に IT の知識や技術でさまざまな課題や問題を解決できるような、素敵な「ビジネスパーソン+エンジニア」であって欲しいと思っています。
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