LinuC取得を推進する企業インタビュー

LinuCを通じて得た「体系立てた知識」と「情報のインプット」で次の企画力に

このエントリーをはてなブックマークに追加

TIS株式会社 インダストリー事業統轄本部 IT基盤技術本部 IT基盤エンジニアリング第1部 テクニカルエキスパート 倉持 健史さん(写真右) 上級主任 髙木 光一郎さん(写真左)

これからのSIerに求められる「企画力」の源としてLinuCなどによる情報のインプットを

倉持TISという会社がどんな事業を手がけているかというと、一言では表現しきれないくらい幅広いです。金融やカード業界に強いのは確かですが、それ以外にも製造、流通、サービスと、世の中のあらゆる業種のお客様に向けてITシステムの構築、運用を担っています。基本的にはお客様のニーズありきですが、われわれの部署ではそこに新たな技術をいかに取り込み、キャッチアップしていくかという部分の支援を行っています。

ただ、これからは、受け身で開発プロジェクトを行うだけでなく、ソリューションエンジニアとしていかにお客様に先回りし、提案していくかも会社としての課題だと思っています。お客様のニーズに応えるとともに、いかに新しいサービスを作り、サービス化していくかを視野に入れているんですが、それにはやっぱり「企画力」が必要です。そこで今、足りないのが、情報のインプットだと思っています。「かくかくしかじかの理由でできません」ではなく、できるにはどうするかを考えるには情報や引き出しが必要です。

そこで、月に1日でもいいから外の勉強会やイベントに参加して、情報収集スキルを上げるよう呼び掛けています。仕事をしているとどうしても、目の前のプロジェクトにばかり目が行ってしまいますが、その中でもインプットしていかないと次につながるアイデアが浮かばない。社員がインプットに使える時間を持てるよう、会社としても半期に6日、年間で12日を研修などに当てられる制度を設けています。

これを、LinuCをはじめとするIT技術者資格取得に向けた研修に使う社員もおり、TISではその価値を認めて費用面でも支援しています。

LinuCによる体系立てた知識と実践経験の両輪がエンジニアには不可欠

倉持私は、ちょうどLinuxがエンタープライズ市場に浸透し始めた時期に、自分の知識がどれだけ通用するかチャレンジしてみようと思って試験を受けました。体系立てて勉強できるメリットに加え、ゴールを設定し、それに向かって知識を付けていくことで自信が付くという意味でもいいことだと思います。

TISでは、毎年約200人の新卒を採用していますが、必ずしも情報系の学部を卒業した人ばかりではありません。文系出身も多くて、ITの知識がゼロというところからスタートする人も少なくありません。今どきの若い人たちはスマートフォンが中心で、サーバどころかPCもあまり使わないという人もいるくらいですからね。

けれど、Linuxをベースとしたさまざまなディストリビューションの取り扱いは、システムインテグレーションという業務を進める中で把握しておかなければいけない事柄です。中には、業務でやっていけるか不安に思う人もいるでしょう。配属され、OJTで学ぶところも大きいでしょうが、そこで自分がどれくらい知識やスキルを身につけられているか評価する意味でLinuCを取得する意味はあると思いますし、モチベーションを上げるきっかけになると思います。特にLinuCは、ベンダー独自の認定制度ではなく中立な認定制度なので、なぜそれが必要かを説明しやすいですし、カジュアルに受けられるのもいいなと思っています。

髙木私も、Linuxに本格的に触り始めたのは入社してからです。TISでアプリケーションを開発するつもりでいましたが、話を聞いてみたらインフラをやってみたくなりました。それで配属されたのはいいんですが、最初はLinuxというコトバも知らず、知らない単語が飛び交っていて、話にまったく付いていけませんでした。そこで危機感を覚えて、家で真剣に勉強し始めたのがきっかけです。

LinuC取得の学習を振り返ってみると、「業務のあの場面でこの知識が直接的に役に立った」というよりも、コンピュータアーキテクチャについての基本的な理解が得られたように思います。例えば、LinuCレベル3 304の試験範囲に含まれているXenについて理解すれば、仮想化という仕組みが分かり、VMwareといった他の技術についてもだいたいどういうものか見当をつけられる、というアドバンテージもありますね。

ただ、それも業務での経験に裏付けされてこそだと思います。試験勉強の全てが業務に直結するかというと、そうではありません。一方、業務でやっていることだけだと視野が狭くなりがちなので、まんべんなく知識を身に付ける必要もありますし、その方が体系立てて考えられます。実際、LinuCの試験勉強をしなければ知らなかったようなコマンドやツールもあって、自分の幅が広がったと思います。資格取得で得た知識と実務を通して得られる経験が互いに補完し合うことで、エンジニアとしての力になると思います。

倉持私自身も中途採用でこの会社に加わりましたが、LinuCはエンジニアとしてベースの能力を示すものなので、採用する側の目線としても、履歴書にあれば「標準的な力はあるな」と判断できると思っています。

ITエンジニアの価値向上につながる取り組みにも期待

髙木クラウドサービスも普及してきた今では、何かやろうと思えばすぐ触れる環境があります。反面、いろいろな要素技術が出てきて、敷居が下がった分、追いかけなければいけない事柄も増えたように思います。でも環境はあるわけですから、興味がある技術があればとにかく手を動かして、やってみればいいんじゃないかなって思いますね。そうすれば、スキルも高まるし、視野も広がると思います。

倉持日本のITエンジニアへの評価には危機感を持っています。その価値を高め、事業に対する貢献をアピールしていかないと、どんどん他の国によい人材が引き抜かれてしまうのではないかという懸念も抱いています。具体的にどうするのがいいか、明確な答えは分かりませんが、この課題は企業側も今後対策を打つ事が必要だと考えています。一方で、若手もベテランも、ITエジニアの価値を高めていくための取り組みが必要だと思いますし、その中でLinuCをはじめ、資格をツールとしてうまく使っていければいいなと思います。

ページトップへ