LinuC取得を推進する企業インタビュー

クラウド時代のLinux需要増加に応え、
若手技術者のLinuCレベル1取得を組織で推進

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株式会社ラック エンタープライズ事業 インフラソリューションサービス部 部長 関口 慎二郎さん(写真中央) エンタープライズ事業 インフラソリューションサービス部 基盤ITソリューショングループ 宮田 信一さん(写真右) エンタープライズ事業 インフラソリューションサービス部 基盤ITソリューショングループ 田端 俊さん(写真左)
システムインテグレーション(SI)とサイバーセキュリティを事業の2本柱に成長を続ける株式会社ラック。
SI領域で大きな実績を築く一方、セキュリティ領域では、日本初の情報セキュリティ対策サービスを1995年に提供し、九州沖縄サミットのサイトを24時間体制で監視したセキュリティ監視センターの運用など、わが国の情報セキュリティ分野における先駆者でエキスパート企業として高い評価を獲得してきました。同社では昨年度から複数名の若手社員がLinuCレベル1を受験しており、みごと全員が資格取得を果たしています。そうした成果の背景にある同社の技術戦略や、エンジニア育成の取り組みについて伺いました。

クラウド化による Linux需要に備えた資格取得を推進

----昨年度/2020年度のLinuCレベル1 Version 10.0(以下、LinuCレベル1)の受験者に、所属先として「ラック」という社名を書いている方が複数おられるのを見て、御社の技術者育成の戦略や体制に強い関心を抱きました。

関口当社の事業は大きく、金融市場・エンタープライズ市場でのシステムインテグレーションとサイバーセキュリティ対策の二本柱で構成されています。システムインテグレーション事業はアプリケーション開発からインフラ構築までを一気通貫でご提供できるのが大きな特長ですが、その中で現在LinuCの資格取得に力を入れているのが、インフラを手がける私たち「インフラソリューションサービス部(以下、ISS部)」です。現在プロパーの156名に加え、ほぼ同数のパートナーによる約300名の体制でビジネスを展開しています。

LinuC への注力の背景には、やはりクラウド化を契機に急速にLinux の需要が増加していることがあります。いま多くのお客様が、新規システムの開発や更新の際に、将来のクラウド移行を見すえてLinux を採用されています。さらにベンダーロックインを避けるという意味でも、従来のUNIXからLinux ベースへの転換が進む傾向にあります。

ISS部では、これまでも若手のエンジニアにはOS レイヤからのスキル習得を進めてきましたが、こうした市場および技術トレンドに対応するために、現在はLinux に特に注力しているのです。

----会社として資格取得への支援制度や、キャリアパスの見える化などはされていますか。

関口資格を取得した人には、奨励金を出しています。LinuC はもちろん、それ以外でも業務に関わる資格であれば支給対象となります。また何年か前から、「年間に一つは新しいスキルを身につけよう=その証として資格を取得しよう」というのを部の目標の一つに掲げています。また、社員のグレードに沿って取得が望ましい資格を挙げたキャリアマップ的な指標も公開しています。

資格取得のための専任チームで受験者をフォローアップ

----受験は自発的に申し出るのでしょうか。それとも部で受験者を選んだりするのですか。

関口2つパターンがあります。個人の業務に即した専門性に関わる資格は、必要に応じて各人で申請して承認を受けるパターン。もう一つは、組織として全体のスキルアップのための取り組みを進めるパターンです。LinuCは後者で、2020年からそのための「教育推進チーム」を設立し、宮田と田端が指導役として資格取得を支援しています。

----業務のための組織的な取り組みとして、資格取得を位置付けているのですね。

関口事業部ごとに基本方針を決め、予算も確保しています。たとえば2020年は、LinuC 以外にもAWS や Microsoft Azure など、それぞれに目標人数などを決めた上で進めてきました。どんな資格取得を目指すかは、事業部ごとに自分たちの専門性や事業戦略、獲得目標に合わせて決めています。より現場に近いチーム単位で行う方が、業務の詳しい内容や要件にふさわしい資格を選択できるとの考えです。

現在ISS部で進めているLinuCの資格取得の取り組みは、部内に設けられた「教育推進チーム」が担当しています。このチームは、Linux技術者認定資格の取得経験を持つ宮田と田端が自分たちの学習経験を活かしながら、LinuC を始めとした資格の取得を目指す若手社員の育成管理・新人研修を主導しています。

(ラック社説明資料より)

LinuCの資格取得推進はISS部の「教育推進チーム」が担当している

学習から資格取得までの頑張りが最初の自信につながる

---- 2020年のLinuCレベル1の受験者にラックの方が多かったのは、そうした組織としての取り組みが背景にあったのですね。

宮田新人社員を対象に、LinuCレベル1の資格取得を目標としたカリキュラムを展開したのです。LinuCレベル1を推進した理由としては、Linuxが実際の業務で受注する多くのインフラ案件に対応したベストのOSであり、技術領域としてももっとも入りやすいエントリークラスの資格であること。またLinuCレベル1ではOS の基本的な操作に加え、システム管理に必要なセキュリティやネットワークの要点を幅広く学べるのも、他にない長所です。

新人には、LinuCレベル1は「技術エリアの中で自分が頑張った証」であり、翌年度以降に技術者として独り立ちしていく足がかりとしても、ぜひ取得して欲しいと話しています。そうした期待を受け止めて努力してくれた結果、2020年度は新人6名の受験者全員が、みごと合格を勝ち取ることができました。

----すばらしい成果ですね。受験された皆さんの反応はいかがでしたか。

田端最初はいきなり資格の取得ということで少々とまどっていましたが、全員で取り組むうちに良い意味でのライバル意識が生まれて意欲が高まっていき、やはり組織として取り組んでよかったと感じました。

LinuCレベル1受験の最大のメリットは、やはり合格者の自信につながった点ですね。最初から資格という明確な目標を設定するので取り組みやすく、さらにLinuCの場合、次のステップ(レベル2、レベル3)が明確にあるので、「一つクリアしたら、またその次をめざす」という良い循環が生まれています。

LinuCレベル1の学習のポイントとしては、基本的な知識が幅広く求められ、特に基本的なコマンドなどは今後の業務にも直結するので、しっかり学ぶ必要があります。幸い当社には実機の検証環境もあるので、実際に自分でコマンドを打ち込んで試してみたり、またいろいろな学習サイトを活用して自習にも力を入れるようにアドバイスしています。

(ラック社説明資料より)

LinuCレベル1 は資格取得の第一歩であり、高度な専門資格への入り口でもある

顧客満足度の高い提案ができるエンジニア育成を目指す

----これからLinuCレベル1の資格取得を目指す読者に、育成・指導を手がける立場からひとことアドバイスをお願いします。

宮田新人の時は「資格=頑張った証」ですが、それで満足することなく、さらに自分の将来の業務につなげる意識を持って欲しい。そのためにも机上の知識だけでなく、自分の実力として身につく勉強法をつねに工夫しながらステップアップしていただきたいと思います。

田端LinuCレベル1は、エンジニアの多様なスキルのベースとなる要素が非常に大きい。たとえばコマンドなど、いろいろな製品に通じる考え方が詰まっています。それらを学ぶのは将来の自分のキャリアパスを考える上でも役立つので、ぜひ頑張って取得してください。

----ラックおよびISS部の事業の視点から、今後のLinuCの資格取得について展望をお聞かせください。

関口2020年度新入社員のLinuCレベル1へのチャレンジは、コロナの影響で新人がほとんど在宅勤務だったことがあります。リモートでの指導法を議論する中で、それならこのOJT 期間を利用して資格を取得させようという教育推進チームの提案で取り組んだのが、今回の成果につながりました。この実績を踏まえて、今後も新人が資格取得を一つのきっかけとして成長意欲に目覚めて欲しいと思っています。私たちマネジメント側としても、その結果をもとに各人の適性を判断しながら、今後も優れた技術者の育成に組織で取り組んでいきたいと考えています。

LinuCという資格はLinux技術を体系立てて学べるだけでなく現場で使う機能についても学べるので、仕事に必要な知識や技術を幅広く身につけられる、と私は思っています。その意味でも、若手はまずLinuCレベル1を取得することで、自分の努力を目に見える形=資格として残して欲しい。
また当社で顧客満足度調査をすると、お客様からは要望にかなったシステムを構築できるだけでなく、改善提案などのアプローチを強く要望されていることが伝わってきます。今クラウドの需要が急速に伸びている中で、まずは LinuC を最初のステップボードとして多種多様な専門知識を習得していき、お客様の期待をさらに上回る提案力やアドバイス力=顧客満足を実現できるエンジニアに育っていって欲しいと願っています。

----皆さんのさらなるスキルアップに、今後もLinuC がお役に立てることを祈っています。本日は、どうもありがとうございました。

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