Linux学習のためのネットワーク環境

【連載コラム:Linuxを学ぼう(4)】
サーバーを扱う上で必須と言える技術が「Linux」。今回のコラムでは、サーバー学習では切っても切り離せないネットワークについての知識を身に付けるための環境作りについてご紹介します。

最終更新日:2023年09月15日

サーバーを管理する上で必須の技術「Linux」の学習の仕方を解説するこのコラムの4回目は、ネットワーク環境についてです。サーバー学習に切っても切り離せないネットワークについて、ポイントを絞って解説していきます。


前回は学習用ハードウェア選びについて解説しましたが、今回はそのマシンを接続するネットワークについて解説します。

Linux学習においてはネットワークの知識を身につけることが非常に重要になってきます。より学習しやすいネットワーク環境とするためのポイントを見て行きましょう。

有線LANと無線LAN

学習する環境が自宅なのかオフィスなのかに関わらず、現状ネットワーク接続は無線LANになっていることが多いのではないでしょうか。そのこと自体が問題になるわけではありませんが、学習という観点では少し選択の幅を持たせておきたいところです。

有線LANを用意する

ネットワークの基本は有線での接続なので、学習という意味では有線LAN接続の環境を用意しましょう。スイッチングハブが必要となりますが、無線LANルーターが4ポート程度のスイッチングハブ機能を提供しているのでそれで間に合わせるか、安い8ポート程度のスイッチングハブを別途用意するとよいでしょう。

ノートパソコンの場合、有線LANポートが備えられていない場合があります。USB接続で使える有線LANアダプターを用意すれば、手軽に有線LAN接続できるようになります。

無線LANの設定を見直す

無線LANのアクセスポイントは、多くの人が工場出荷時の設定をベースに一部変更する程度で使っているのではないでしょうか。最近ではセキュリティを重視してデフォルトが設定されているため、そのままでは学習用に向かない場合があります。

DHCPの設定を見直す

接続したクライアントにIPアドレスを割り当てるDHCP機能は通常あまり変更しませんが、学習用として考えるときちんと設定しましょう。ポイントは割り当てられるネットワークアドレスと、IPアドレスの範囲です。

よくある設定としては、ネットワークアドレスが192.168.0.0/24となっています。これはこれで問題ないのですが、動かす仮想マシンに192.168.0.1のようにネットワークアドレスを重複して設定しようとすると動作しない場合があります。学習用に使いたいアドレスと、無線LANが提供するアドレスの重複には留意しましょう。

クライアント間通信の隔離設定を見直す

無線LANアクセスポイントはセキュリティを考慮して接続しているクライアント間がお互い通信できないようにしている場合があります。この設定が有効だと、用意したサーバーに別のマシンやスマホなどからアクセスできず、テストが行えないという場合があります。セキュリティに留意しながら、この設定を無効にすることで動作テストが行えるようになります。

インターネット接続回線

インターネット接続の回線も学習においては重要です。

テザリングで済ませられる?

最近では自宅に有線インターネット(光やケーブル)を引いていない場合が多いようですが、Linuxディストリビューションのインストールイメージ(ISOファイル)やアップデートパッケージのダウンロードなど、大量のデータのやり取りが発生します。

パケット通信が無制限であればよいですが、そうでない場合にはあっという間に通信容量制限に引っかかる可能性もあるので、プランの確認、場合によっては有線インターネット回線の契約も考えるべきでしょう。

固定IPアドレス契約

有線インターネット回線の場合、回線そのものの契約の他に、インターネットプロバイダーとの契約が必要となります。

その際、割り当てられるグローバルIPアドレスを固定IPアドレスとする契約を結べるプロバイダーもあります。固定IPアドレスがあれば、ドメインの取得をして自分専用のサーバーを立ち上げたりすることもできるので、しっかりと学習したいのであれば固定IPアドレスがもらえる契約をするのがお勧めです。

最近ではIPv6対応もしているので、そちらも確認しておくとよいでしょう。

今回はネットワーク環境について解説しました。学習の初期段階ではネットワークの知識も少ないため、どのようなネットワークにすればいいか迷うことも多いかと思います。

調べながら少しずつ改善していったり、身近に詳しい人がいれば相談に乗ってもらうなどして、より学習しやすいネットワーク環境を構築しましょう。


筆者紹介
宮原 徹 氏

宮原 徹 氏

株式会社びぎねっと

Linux標準教科書、Linuxサーバー構築標準教科書などの監修者。LinuCレベル1/レベル2 Version10.0の改訂作業にも協力。また、幅広いOSSに関する情報提供の場として「オープンソースカンファレンス(OSC)」の企画運営も。

バックナンバー

第20回:Webサーバーを動かす

第19回:Webサーバーをインストールする

第18回:典型的なネットワークトラブルについて理解する

第17回:ネットワークの状態確認を理解する

第16回:アクセス権に関わる様々なことについて理解を深める

第15回:ファイルのアクセス権を理解する

第14回:パッケージをアップデートする dnf編

第13回:PAMを理解する

第12回:グループとは何かを理解する

第11回:sudoコマンドについて理解する

第10回:suコマンドで特権ユーザーになる

第9回:ユーザー権限を理解する

第8回:SSHによるリモートログイン

第7回:Linuxインストール後にやること

第6回:Linuxイストールの実際

第5回:Linuxインストールの準備

第4回:Linux学習のためのネットワーク環境

第3回:学習環境を用意する

第2回:Linuxをどう学ぶのか

第1回:Linuxを学ぼう

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