Linuxインストール後にやること

【連載コラム:Linuxを学ぼう(7)】
サーバーを扱う上で必須と言える技術が「Linux」。今回は、前回の記事で紹介したインストールの後にやることについてまとめて解説します。

最終更新日:2023年09月15日

サーバーを管理する上で必須の技術「Linux」の学習の仕方を解説するこのコラムの7回目の今回は、インストールが終わった後に行う基本的な作業について確認していきます。


初期起動プロセス

ディストリビューションによっては、インストールした後に再起動すると、初期起動時に設定を行うアプリケーションが実行されることがあります。どのような設定を行うかはディストリビューションによって異なりますが、インストール作業時に初期ユーザーを作成していない場合、ここでユーザー作成を行うことが多いようです。

システムの管理作業は一般ユーザーで行うようになってきているので、余程のことが無い限りこの段階でユーザーを作成しておいてください。

その他、ライセンスへの同意事項など、画面の表示に従って行ってください。

ログインする

まずはログインしましょう。インストール時、あるいは初期起動時にユーザーを作っていれば、そのユーザーアカウントとパスワードでログインします。作成していない場合にはrootユーザーでログインすることになります。

当然、ログインがうまくいかない、ということになると、パスワードの打ち間違い等何か問題があったことになります。復旧させることもできなくはありませんが、この段階であれば再インストールした方が早いかもしれません。

IPアドレスを確認する

使用している環境に割り当てられているIPアドレスを確認します。ipコマンドを使用します。

インストール時に固定のIPアドレスを指定しているのであれば正しく設定されているかを確認します。自動割り当てにしている場合には、DHCPサーバーが割り当ててくれているIPアドレスを確認します。

このIPアドレスはDHCPサーバーの設定によっては一定時間後に変わりますので、サーバーとして何度も接続するのであればこの段階で固定のIPアドレスに変更するよう設定しても良いでしょう。

ipコマンド実行例

$ ip a
(略)
3: enp0s8: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000
    link/ether 08:00:27:7f:2f:47 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 192.168.56.132/24 brd 192.168.56.255 scope global dynamic noprefixroute enp0s8
(略)

この実行例では、192.168.56.132というIPアドレスが設定されているのが分かります。

外部との通信を確認する

IPアドレスが確認できたら、外部と通信できるか確認します。この確認作業は次の名前解決が行えるかの確認とセットで行う場合もあります。

外部との通信を簡単に確認するにはpingコマンドです。適当な対象に対してpingコマンドで通信が行えるかを確認します。

名前解決を確認する

ほとんどのネットワーク通信はDNSなどを使った名前解決を行って、名前からIPアドレスを調べて通信を行います。正しくDNSのサーバーを参照できていないと名前解決が行えません。

外部との通信の確認と合わせて名前解決を行う場合には、たとえば以下の様に実行します。

$ ping linuc.org
PING linuc.org (219.94.236.161) 56(84) bytes of data.
64 バイト応答 送信元 (略) (219.94.236.161): icmp_seq=1 ttl=63 時間=18.0ミリ秒

ここでは、linuc.orgがIPアドレス 219.94.236.161として名前解決され、pingで通信を行える事が確認できました。

もし、名前解決がうまく行えない場合には、digコマンドなどで名前解決単体で実行してみます。

$ dig linuc.org
(略)
;; QUESTION SECTION:
;linuc.org.			IN	A

;; ANSWER SECTION:
linuc.org.		3274	IN	A	219.94.236.161

;; Query time: 1 msec
;; SERVER: 192.168.11.1#53(192.168.11.1)
(略)

これはうまく実行できた例ですが、名前解決が正しく出来ていない場合にはANSWER SECTIONが表示されません。その場合、後にあるSERVERが参照しているDNSサーバーを確認します。このサーバーが正しく動いているかなどを確認する必要があります。


筆者紹介
宮原 徹 氏

宮原 徹 氏

株式会社びぎねっと

Linux標準教科書、Linuxサーバー構築標準教科書などの監修者。LinuCレベル1/レベル2 Version10.0の改訂作業にも協力。また、幅広いOSSに関する情報提供の場として「オープンソースカンファレンス(OSC)」の企画運営も。

バックナンバー

第20回:Webサーバーを動かす

第19回:Webサーバーをインストールする

第18回:典型的なネットワークトラブルについて理解する

第17回:ネットワークの状態確認を理解する

第16回:アクセス権に関わる様々なことについて理解を深める

第15回:ファイルのアクセス権を理解する

第14回:パッケージをアップデートする dnf編

第13回:PAMを理解する

第12回:グループとは何かを理解する

第11回:sudoコマンドについて理解する

第10回:suコマンドで特権ユーザーになる

第9回:ユーザー権限を理解する

第8回:SSHによるリモートログイン

第7回:Linuxインストール後にやること

第6回:Linuxイストールの実際

第5回:Linuxインストールの準備

第4回:Linux学習のためのネットワーク環境

第3回:学習環境を用意する

第2回:Linuxをどう学ぶのか

第1回:Linuxを学ぼう

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