ベンチャー企業で働くことを考える
このコラムはITエンジニアを目指して就活をしている人を対象に、さまざまな情報をわかりやすく解説していきます。
このコラムは主に就活をしている学生を対象に、ITエンジニアを目指して活動する上で役立ちそうな情報をお届けしていくコラムです。もちろん就活生以外にも役立つ内容となっていますのでぜひご覧ください。
就職先を考える上で、ITエンジニアを目指すのであれば「ベンチャー企業」という言葉が頭に浮かんでくることもあるのではないでしょうか。誰も思いつかなかったことを事業化するのがスタートアップ、つまりベンチャー企業です。。
今回はそんなベンチャー企業と、そこで働くことと認定資格との関係について書いてみます。
ベンチャー企業とは
就活中の皆さんはベンチャー企業ってどんな会社かご存じでしょうか。
ベンチャーは冒険を意味する言葉です。冒険はある種のチャレンジです。
簡単に言うと、冒険心を持って新しいことにチャレンジする会社がベンチャー企業です。
最近は大企業の中で新しいビジネスにチャレンジすることもあり、それらはベンチャービジネス、とも言われています。
ちなみにベンチャービジネスは和製英語です。
英語では”startup(スタートアップ)”と呼ばれていますが、近年は日本でも普通にベンチャーをスタートアップという言葉が自然に使われるようになってきましたね。
海外に目を向けると90年代後半の米国のシリコンバレーでのベンチャー企業の急成長が、現在の世界のIT業界の勢力図に大きく貢献・影響していることは間違いないでしょう。
最近のニュースではよく出てくる「GAFAM」のどの企業も、もともとはベンチャー企業としてスタートしているんですよね。
ちなみにGAFAMとは、Google、Amazon、Facebook(現Meta)、Apple、Microsoftの5つの巨大IT企業の頭文字を並べたものです。
日本のベンチャー企業の生存率
日本のベンチャー企業の歴史は、1970年代の第一次ベンチャーブームに始まり、80年代の第二次(有名なのはソフトバンク)をはさみ、2000年前後のITバブル経済崩壊以降に活発化(楽天、サイバーエージェント、DeNAなど)してきました。
聞いたことのなる企業の名前がありますよね。
最近の動きとしては日本政府が2022年をスタートアップ創出元年と位置付け、年末までにスタートアップ育成5カ年計画をまとめる見通しです。
ちなみに、日経ビジネスの調査によると、ベンチャー企業の創業後の生存率は、5年で15.0%、10年後で6.3%、20年後で0.3%だそうです。100社起業したら、5年後には15社、10年後には6社、20年後には1社残っているかどうかという数字です。
「創業20年後の生存率0.3%」を乗り越えるにはメディカル・データ・ビジョン創業者の岩崎社長は、「ベンチャー企業の20年後の生存率は0.3%」というデータを示した上で起業business.nikkei.com
日本政府としてはベンチャー企業を育成していこうということで様々な支援策をまとめていくのだと思いますが、やはり誰も手掛けていない新しい事業を手掛けるのはさまざまなリスクを伴い、事業を立ち上げた後に成長を続けることはそれ以上に難しいということなのかもしれませんね。
ベンチャー企業でチャレンジすることとは
厳しい現実の話の後ですが、就活中の皆さんの中にはベンチャー企業を就職先の候補にされている方もいらっしゃるはずです。
就活生の保護者を対象にしたマイナビの意識調査結果によると、就活生がベンチャー企業への就職を希望した場合の賛成が13.5%で反対が26.8%だそうです。
創業も浅く、不安定な要素が多く、仕事もきつくなりがちというイメージがあるようで、そんな過酷な環境で仕事はしてほしくないのが正直な親の感想なのでしょう。
とはいえ、大企業に就職できたからと言って、一生安泰などという時代は終わりを遂げています。終身雇用の時代も終わったといわれて久しいですし、今はさまざまな経験を生かして積極的に転職してキャリアアップを図る時代でもあるわけです。
コロナウィルスでどれだけの企業が打撃を受けたでしょう。ロシアとウクライナの問題は地政学的な影響をもたらし、これまでの商取引のバランスを変えてしまっています。
つまるところ何が起こるかわからないのが今の時代です。
安心を考えて大企業や公務員を選択するのも、あえてベンチャー企業でだれも思いつかないような新しいことにチャレンジするのも自由です。
ベンチャーは創業時は少数精鋭ということも多く、コミュニケーションも濃密になるでしょうし、大企業では得られないようなスピード感をもって業務をこなしていくことになるでしょう。それに合わせて技術や知識、スキルの習得も進むはずです。
そのような環境で働くことで得られる経験はとても大きなものになることでしょう。
2022年9月発行の週刊東洋経済では「すごいベンチャー100」という特集が組まれており、これからの飛躍が期待される100社のベンチャー企業が紹介されています。また、過去に掲載された同企画で紹介された当時のベンチャー500社の今を紹介する記事もあります。ベンチャー企業への就職を検討している就活生は要チェックです。
ベンチャー企業で働くことと資格の関係
スピード感やチャレンジ精神が必要なベンチャー企業への就職においてIT系の資格を取得が役立つかどうかですが、結構役立つのではないかと私は思っています。
- ベンチャー企業は即戦力を求める傾向が強いので、IT系のスキルや知識をしっかり持っている人を求めるのではないか
- ベンチャー企業は大きな組織ではないので社員教育のための投資も大企業に比べると小さくなりがちですが、資格を自分の意思で取るということは能動的にスキルの習得をするという性格をアピールできるのではないか
- ベンチャー企業は仕事もやり切ることが求められると思いますが、資格取得も合格するまで様々なことをやりくりしてやり切った証とも言えるので、最後までやりきれる強さがあることのアピールにもなるのではないか
色々と書いてみましたが、資格は具体的な形で自己アピールができるツールです。自分が就職を希望するベンチャー企業の業種から、必要と思われる資格があれば在学中の取得を目指してみるのはどうでしょうか。
ITの基礎力に加え、クラウドのしくみ、そのクラウドを支えるLinuxやネットワークに関する知識、システム開発に欠かせないプログラミングの知識など、在学中に獲得できる資格も数多く存在します。
仮に就活中に取得が難しくても、勉強中であることはエントリーシートにしっかり書いておきましょう。面接などでも自己アピールに役立つはずです。