就活生のためのIT学習向けパソコン選び

このコラムはITエンジニアを目指して就活をしている人を対象に、さまざまな情報をわかりやすく解説していきます。

最終更新日:2024年09月18日

このコラムは主に就活をしている学生を対象に、ITエンジニアを目指して活動する上で役立ちそうな情報をお届けしていくコラムです。もちろん就活生以外にも役立つ内容となっていますのでぜひご覧ください。

これからIT関連の資格を取得しようと思っている就活生のみなさん、学習用のツール選びで苦労していませんか?

とりあえずパソコンがあればなんとかなるだろうとは想像がつくとしても種類も多いし、どれを選んでよいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

ということで、今回は主にIT関連資格の取得を目的とした学習用のパソコン選びについてご紹介したいと思います。

簡単に言うとキーボードがあればどれでも可

システム開発を行うシステムエンジニアを目指すのであってもゲームなどのプログラマーを目指すにしても、パソコンはMacでもWindowsでも大きな問題はないでしょう。また最近のものはどれも高性能なので、2−3年前のモデルであっても「学習用」と割り切れば十分使えると思います。

ただ、タブレットを選ぶのは注意が必要です。キーボードが接続できるにしてもやはりできることが限られることがありますので、その点は気をつけてください。

また最近はインターネット上で学習できるサービスも増えています。いくつかピックアップもしていますので、ぜひご覧ください。

パソコンの選び方

パソコンの種類

パソコンは、大きく分けてデスクトップ型とノートブック型があります。

デスクトップ型は、その名の通り机の上において、つまり定位置で利用するパソコンです。ノートブック型は、ノートのように気軽に持ち歩けるパソコンです。

学習用途であれば、どちらを選択しても全く問題ありませんが、どこへでも手軽に持ち運べるノードパソコンのほうがなにかと便利です。

OSによる違い

パソコンは採用しているOS(オペレーティングシステム=コンピュータを動かすための基本ソフト)によって以下の3種類に分類されます。

  • Windows:Microsoft社開発のOS
  • Mac:Apple社開発のOS
  • Linux:オープンソースのOS

聞き慣れない「オープンソース」という言葉はこちらの記事をご覧ください。

今どきは見た目の若干の違いこそあれ、3つのOSで共通して動作するアプリケーションも多いので、使い勝手にも差が出ることはありません。

プログラミングの定番エディタとして普及しているMicrosoft社開発の「Visual Studio Code」などは、Windowsはもちろんですが、MacでもLinuxでも利用できます。WebブラウザのGoogle ChromeやMicrosoft EdgeもWindows、Mac、Linux用に提供されています。

だとしたら、何を選んでもできることは変わらないのでは?と思うかもしれませんが、学習用途という観点でのパソコン選びでは注意しなくてはいけないことがいくつかあります。

製造メーカーの違い

Windows

WindowsをOSとして搭載したパソコンはMicrosoftとライセンス契約を結んだメーカーが自社ブランドで販売しています。国内では家電大手の富士通やパナソニック、海外では専業のデルやレノボなどが有名ですが、電気街にある小さなショップなどがWindows対応のオリジナルパソコンを販売しているケースもあります。

ちなみに、MicrosoftもかつてはOSだけを提供していましたが、今では自社ブランドでハードウェアも手がけるようになっています。そういう意味では、現状、最も選択肢が多いのがWindowsパソコンになります。

価格はさまざまですが、IT資格の学習用途であれば10万円前後ぐらいでも必要十分なスペックのWindowsパソコンが購入できるはずです。

Mac

MacはiPhoneでお馴染みのAppleが製造販売しているパソコンです。

MacもiPhoneと同様にOSからハードウェアまでの全てを自社開発しています。デスクトップ型もノート型もありますが、それぞれ数種類程度でWindowsほどの選択肢はありません。

価格は昨今のエネルギー事情や円安の影響で以前よりも割高になってしまったため、ノートブック型の入門機でも13万円以上の出費になります。

Linux

WindowsやMacと違い、Linux OSはオープンソースというライセンスの性格上、誰もが自由に導入して利用できるために製造メーカーもさぞや多いのではと思われるかもしれません。

実は、一般消費者向けにLinuxコンピュータ製造しているメーカーはそれほど多くはありません。Windowsが動作するパソコン上でLinux OSが動作することも大きな要因かもしれません。Linuxは比較的軽量で動作するため、Windows XP などOSのサポートが切れてしまった旧型のパソコンでも快適に動作します。

Macも今は新しい自社開発のCPU搭載機への移行が進んでいますが、かつてのインテル社CPU搭載機であればLinuxが問題なく動作します。

費用を抑えたい場合など、自宅の押し入れに眠っているパソコンや、中古のパソコンの再生品やオークションで安価で販売されているパソコンをLinuxマシンにする方法もあります。

学習用にLinuxパソコンを使いたい場合は、専用機を買うのではなく、既存のパソコンのOSを入れ替えて使うというスタイルが最も手軽です。

プログラミング関連の学習に使いたい場合

プログラミング用の開発ツールやエディタの動作にはさほどパソコンのパワーを必要としません。2−3年前のもので十分だと思います。
具体的にいうと、スペック的にはCPUはIntel製ならCore i5、AMD製ならRyzen 5以上、メモリは8GB、ストレージはSSDで128GB以上あれば困ることはないはずです。

そういう意味では世界的に見ても汎用コンピュータの位置付けにあるWindowsパソコンから選択するのが最も一般的でしょう。

将来的にMacOS用のアプリやiPhoneのiOS向けアプリを開発したいという方や予算に余裕があるという方はMacを選択してもOKです。

Linuxやクラウド関連資格の学習に使いたい場合

LinuCのようなLinux技術者認定資格やAWSソリューションアーキテクトのようなクラウド関連資格ではLinuxの基礎知識習得が鍵になります。Linux環境を実際に操作して動作を確認することで知識が定着しますので、Linuxが動くパソコンの調達が重要です。

先述のように、WindowsパソコンをLinuxパソコンとして利用するスタイルが最も近道になります。種類も豊富なので、コスパを重視したい人向けと言えます。

スペック的には、CPUはIntel製ならCore i5、AMD製ならRyzen 5以上、メモリは8GB、ストレージはSSDで128GB程度以上あれば困ることはないはずですが、若干注意していただきたいことがあります。

OSを完全に入れ替えてLinuxマシンにする場合と、Windowsを使いながらWindows OSの上でLinuxの仮想マシンを動かす場合です。

前者は特に問題ありませんが、後者の場合はWindowsを動かしながら仮想化技術を使ってLinuxも動かすことになるため、先述のスペックよりもワンランク上のパワーがあった方がストレスなく使えます。

CPUはIntel製ならCore i5の上位モデルやi7搭載マシン、メモリも16GB程度あるとWindowsのアプリケーションを使いながらLinuxも同時に利用できるでしょう。またLinuxのディストリビューションを使い分けるなどの目的でストレージも多い方が良いかもしれません。

なお、MacでLinuxを使う場合は、Intel製CPUを採用しているモデルの利用をおすすめします。最新のM1/M2チップ搭載モデルでは、利用できるLinuxディストリビューションが限られているからです(2023年2月時点)。今後は解決していくかもしれませんが、豊富に用意されているディストリビューションが問題なく利用できるようになるまでにはまだまだ時間がかかると思われます。

手前みそになりますが、LPI-Japanではお手元のパソコンにLinuxを導入する手順を解説している「学習環境構築ガイド」を無償で公開していますので、是非参考になさってみてください。

学習のすすめ方|Linuxの技術者認定ならLinuC|LPI-Japan

タブレット端末

今どきはタブレットもキーボードが接続できるのでパソコンと同等の操作感で実作業が行えますが、アプリケーションやツールの充実度はパソコンにはまだまだ追いついていないのが現状です。

一方で、資格試験の学習という観点では、電子書籍端末として、手軽な検索ツールとして、動画視聴端末としての利用に威力を発揮してくれるはずです。

資格対策の書籍やIT系の技術書はページ数の多いものも多いので、持ち歩くのも不便です。どんなに分厚い書籍でもデータ化されているのでタブレットの中に数十冊の書籍を入れて持ち歩くこともできます。

OSの垣根を超えたオンライン学習プラットフォーム

最後にご紹介したいのが、パソコンのOSを問わないオンライン学習プラットフォームについてです。昨今はWebブラウザだけでプログラミングや仮想のコンピューティング環境が利用できるオンライン学習プラットフォームが普及しています。

しかも、ある程度の内容までは無料で利用できるものも多いので、新たな言語の基礎を習得したい、Linuxの基礎について勉強したいといった目的であれば、専用のツールを用意することなく効率的な学習ができます。

下記のサービスはその一例です。オンライン学習プラットフォームはほかにもたくさんあるので、興味があるキーワードをもとにご自身でも検索して探してみてください。

Progate → 各種プログラミング言語やフレームワーク単体の学習

Progate(プロゲート) | Learn to code, learn to be creative.

Envader → Linuxの基礎と応用、データベース、セキュリティなどの学習

エンベーダー | エンジニア予備軍のためのITインフラ学習ゲーム

KillerCoda → コンテナやコンテナオーケストレーション、DevOpsツールの学習(英語のみ)

Killercoda Interactive Environments

まとめ

IT系の資格を取得したい就活生の皆さんが学習環境として必要で最も重要なツールとしてのパソコン選びのコツをご紹介しました。

取得したい資格によっては要求される性能に多少の差はありますが、ゲームをしたり動画を編集するような高い処理能力が要求されるわけではありません。

プログラミングであれば開発ツールやエディタが動作すればよいレベルの性能があればOKですし、Linuxを動かす必要のある場合でも汎用的なWindowsマシンを動かしながらで仮想のLinuxマシンを1台動かす程度でしたら特に問題も起こりません。

資格取得や就活での利用がメインになるので、そこまでスペックにシビアになる必要もありませんから、中古やオークションサイトも視野に入れて検討してみましょう。

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