DNFを使ってみる

今回は、DNFの使い方について解説します。【連載コラム:Linuxシステム管理標準教科書を読む(29)】

最終更新日:2025年06月18日

Linuxの基本的なスキルを習得したら、Linuxサーバーをシステムとして長期に運用管理していくためのスキルを身につけるのはいかがでしょうか。このコラムでは、「Linuxシステム管理標準教科書」の全体調整を担当した筆者が改めて大切なポイントを解説していきます。

DNFは教科書で解説しているYumの後継となるパッケージ管理用のツールですが、使い方は基本的には変わりません。今回は教科書の内容をDNFで実行してみます。


リポジトリの設定ファイル

DNFの参照するリポジトリのファイルですが、DNFに変わりましたがファイルの場所はYum同様/etc/yum.repos.dディレクトリにあります。

$ ls /etc/yum.repos.d/
almalinux-appstream.repo         almalinux-plus.repo
almalinux-baseos.repo            almalinux-resilientstorage.repo
almalinux-crb.repo               almalinux-sap.repo
almalinux-extras.repo            almalinux-saphana.repo
almalinux-highavailability.repo

内容もこれまでとほぼ同様です。

$ cat /etc/yum.repos.d/almalinux-baseos.repo 
[baseos]
name=AlmaLinux $releasever - BaseOS
mirrorlist=https://mirrors.almalinux.org/mirrorlist/$releasever/baseos
# baseurl=https://repo.almalinux.org/almalinux/$releasever/BaseOS/$basearch/os/
enabled=1
gpgcheck=1
countme=1
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-AlmaLinux-9
metadata_expire=86400
enabled_metadata=1
(以下略)

パッケージの更新を確認してみる

それでは、パッケージの更新を確認してみましょう。

$ dnf check-update
AlmaLinux 9 - AppStream                         3.9 MB/s | 7.8 MB     00:02    
AlmaLinux 9 - BaseOS                            2.4 MB/s | 2.7 MB     00:01    
AlmaLinux 9 - Extras                             24 kB/s |  20 kB     00:00    

firefox.aarch64                128.10.1-1.el9_6.alma.1                 appstream

参照しているリポジトリのデータベースが更新され、Firefoxのアップデートがあるのが分かりました。

パッケージの更新を行う

パッケージを更新してみましょう。
更新は管理者権限が必要なので、sudoコマンドを使います。

$ sudo dnf update
[sudo] linuc のパスワード:
AlmaLinux 9 - AppStream                         1.9 MB/s | 7.8 MB     00:04    
AlmaLinux 9 - BaseOS                            2.1 MB/s | 2.7 MB     00:01    
AlmaLinux 9 - Extras                             24 kB/s |  20 kB     00:00    
依存関係が解決しました。
================================================================================
 パッケージ   Arch         バージョン                      リポジトリー   サイズ
================================================================================
アップグレード:
 firefox      aarch64      128.10.1-1.el9_6.alma.1         appstream      122 M

トランザクションの概要
================================================================================
アップグレード  1 パッケージ

ダウンロードサイズの合計: 122 M
これでよろしいですか? [y/N]: y
パッケージのダウンロード:
firefox-128.10.1-1.el9_6.alma.1.aarch64.rpm      10 MB/s | 122 MB     00:11    
--------------------------------------------------------------------------------
合計                                            9.7 MB/s | 122 MB     00:12     
AlmaLinux 9 - AppStream                         3.0 MB/s | 3.1 kB     00:00    
GPG 鍵 0xB86B3716 をインポート中:
 Userid     : "AlmaLinux OS 9 <packager@almalinux.org>"
 Fingerprint: BF18 AC28 7617 8908 D6E7 1267 D36C B86C B86B 3716
 From       : /etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-AlmaLinux-9
これでよろしいですか? [y/N]: y
鍵のインポートに成功しました
トランザクションを確認しています
トランザクションの確認に成功しました。
トランザクションをテストしています
トランザクションのテストに成功しました。
トランザクションを実行しています
  準備中           :                                                        1/1 
  アップグレード中 : firefox-128.10.1-1.el9_6.alma.1.aarch64                1/2 
  scriptletの実行中: firefox-128.10.1-1.el9_6.alma.1.aarch64                1/2 
  scriptletの実行中: firefox-128.10.0-1.el9_6.alma.1.aarch64                2/2 
  整理             : firefox-128.10.0-1.el9_6.alma.1.aarch64                2/2 
  scriptletの実行中: firefox-128.10.0-1.el9_6.alma.1.aarch64                2/2 
  scriptletの実行中: firefox-128.10.1-1.el9_6.alma.1.aarch64                2/2 
  scriptletの実行中: firefox-128.10.0-1.el9_6.alma.1.aarch64                2/2 
  検証中           : firefox-128.10.1-1.el9_6.alma.1.aarch64                1/2 
  検証中           : firefox-128.10.0-1.el9_6.alma.1.aarch64                2/2 

アップグレード済み:
  firefox-128.10.1-1.el9_6.alma.1.aarch64                                       

完了しました!

更新時にGPG鍵のインポートなども行っているのがわかります。


筆者紹介
宮原 徹 氏

宮原 徹 氏

株式会社びぎねっと

Linux標準教科書、Linuxサーバー構築標準教科書などの監修者。LinuCレベル1/レベル2 Version10.0の改訂作業にも協力。また、幅広いOSSに関する情報提供の場として「オープンソースカンファレンス(OSC)」の企画運営も。

<Linuxシステム管理標準教科書とは>

Linuxシステム管理標準教科書」(システム管理教科書)は2015年4月にリリースされた標準教科書シリーズの1冊です。Linuxシステムの運用管理という観点で書かれており、システム管理者という業務において知っておかなければならない基本的なトピックが解説されています。「Linux標準教科書」「Linuxサーバー構築標準教科書」でコマンド操作やサーバー構築の基本を学んだら、このシステム管理教科書を読んで、単にLinuxを使うのではなく、システムとして長期的に管理運用していくためのスキルを身につけてください。

バックナンバー

第28回:DNFについて
第27回:パッケージ管理について
第26回:バックアップ方法について
第25回:バックアップについて
第24回:LVMについて

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