LinuCレベル1 101試験の例題と解説
1.01.2仮想マシン・コンテナの概念と利用
今回は、101試験の試験範囲から、「1.01.2 仮想マシン・コンテナの概念と利用」についての例題を解いてみます。
今回は仮想マシンのインタフェース情報の表示について確認しておきましょう。
例題
「oss-vm」という仮想マシンの現在のCPUを確認する際に実行するコマンドで正しいものを一つ選択してください。
- virsh domstate oss-vm
- virsh domid oss-vm
- virsh dominfo oss-vm
- virsh list --all
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「3. virsh dominfo oss-vm」です。
virshコマンドはゲストドメインを管理するための管理者ユーザインタフェースです。
ドメインの作成、一時停止、およびシャットダウンに使用できます。また、仮想マシンのインタフェース情報の表示や変更などにも使用できます。
virshコマンドの主な構文は以下の通りです。
virsh [オプション] <サブコマンド> <ドメイン> [引数]...
選択肢の解説は以下です。
1.virsh domstate oss-vm
→誤りです。
サブコマンドに「domstate」を指定した場合、ドメインに関する状態を返します。
実行中の仮想マシンを引数に指定してコマンドを実行すると、以下のように表示されます。
# virsh domstate oss-vm
実行中
2.virsh domid oss-vm
→誤りです。
サブコマンドに「domid」を指定した場合、ドメイン名(またはUUID)をドメインIDに変換します。
選択肢のコマンドを実行した場合、以下のように表示されます。
# virsh domid oss-vm
22
3.virsh dominfo oss-vm
→正解です。
サブコマンドに「dominfo」を指定した場合、ドメインに関する基本情報を返します。
選択肢のコマンドを実行した場合、以下のように表示されます。
# virsh dominfo oss-vm
Id: 22
名前: oss-vm
UUID: 9bfe1cd7-52cb-4c5a-8fd5-3e86091b730f
OS タイプ: hvm
状態: 実行中
CPU: 2
CPU 時間: 293183.0s
最大メモリー: 4194304 KiB
使用メモリー: 4194304 KiB
永続: はい (yes)
自動起動: 無効にする
管理済み保存: いいえ (no)
セキュリティモデル: selinux
セキュリティ DOI: 0
セキュリティラベル: system_u:system_r:svirt_t:s0:c95,c663 (permissive)
表示結果には、仮想マシンの名前やUUID、CPUや使用メモリなど現在の状態が出力されます。
また、「dumpxml」サブコマンドを用いた場合、設定ファイルの中を確認することができます。ただし、動的に設定を変更している場合、現在の状態と設定値が異なることがあります。
# virsh dumpxml oss-vm
<domain type='kvm' id='22'>
<name>oss-vm</name>
<uuid>9bfe1cd7-52cb-4c5a-8fd5-3e86091b730f</uuid>
<memory unit='KiB'>4194304</memory>
<currentMemory unit='KiB'>4194304</currentMemory>
<vcpu placement='static'>2</vcpu>
<resource>
<partition>/machine</partition>
</resource>
<os>
:
:
4.virsh list --all
→誤りです
サブコマンドに「list」を指定した場合、既存のドメインに関する「ドメイン名」「ドメインID」「実行状態」を出力します。
引数に「--all」を付けることで停止中のドメインも一覧表示されます。
選択肢のコマンドを実行した場合、以下のように表示されます。
# virsh list --all
Id 名前 状態
----------------------------------------------------
22 oss-vm1 実行中
- oss-vm2 シャットオフ
- centos-minimal シャットオフ
virshコマンドはオプションもサブコマンドも複数種類があります。
今回紹介した基本的なサブコマンドは押さえつつ、マニュアルなども確認し使えるようにしておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里