LinuCレベル1 101試験の例題と解説

1.05.2ハードディスクのレイアウトとパーティション

今回は101試験の試験範囲から、「1.05.2 ハードディスクのレイアウトとパーティション」についての例題を解いてみます。

Linucレベル1 101試験 出題範囲

例題

スワップスペースの説明として適切なものを選択してください。

  1. スワップスペースは、インストール時に必ず作成しなければならない
  2. スワップスペースは、必ずメモリサイズと同じサイズで作成する
  3. スワップスペースは、メモリ上のデータを退避するための領域である
  4. スワップスペースは、一時的なファイルを配置するための領域である

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

答えは「3. スワップスペースは、メモリ上のデータを退避するための領域である」です。

スワップスペースは、実メモリが不足した場合に、メモリ上のデータを退避するための領域です。

スワップスペースへのデータの退避のことを「スワップアウト」、退避したデータをメモリに戻すことを「スワップイン」と呼びます。システムのメモリ不足が頻繁に発生すると、スワップアウト・インが短期間に繰り返されます。
この状況を「スラッシング」と呼び、メモリの出し入れにCPUの処理能力が奪われ、最悪の場合システムの停止が発生することもあります。

このため、スワップスペースは、設定しておけば安心というものではありません。
あくまで一時的なメモリ不足を補うための領域、という認識を持ってチューニングすることが必要です。

その他の選択肢の解説は以下の通りです。

「1. スワップスペースは、インストール時に必ず作成しなければならない」
システムが動作するためのメモリサイズが充分な場合、スワップスペースは必須ではありません。
ただ、プログラムの動作によっては、一時的に大量のメモリを消費することもあるため、万が一に備えて作成しておくことも重要です。

システムが動作するためのメモリサイズが充分な場合、スワップスペースは必須ではありません。
ただ、プログラムの動作によっては、一時的に大量のメモリを消費することもあるため、万が一に備えて作成しておくことも重要です。

「2. スワップスペースは、必ずメモリサイズと同じサイズで作成する」
スワップスペースのサイズは、任意で決めることができます。
適正なサイズは実メモリと同等、または2倍と言われていました。
これは慣例的に、メモリデータをディスクで扱った場合に、スラッシングを起こさない程度の値と言われています。
ただし、このサイズ設計は、メモリサイズが小さく、また高価だった頃の名残とも言えます。

現在では、32GBや, 64GB, 128GBなど、大量のメモリを搭載するハードウェアも珍しくありません。
このような場合には、システム・ソフトウェアの特徴を踏まえて、スワップスペースの設計が必要になります。

「4. スワップスペースは、一時的なファイルを配置するための領域である」
これは/tmp領域の説明のため、誤りです。

スワップスペースは、OSのインストーラで自動的に作成されることも多いです。
しかし、その必要性やシステムの特性を鑑みて設計をするようにしましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット ソリューション開発部 森 彰吾 氏

ページトップへ