LinuCレベル2 201試験の例題と解説
2.04.4リソース使用状況の把握
201試験の試験範囲から「2.04.4 リソース使用状況の把握」についての例題を解いてみます。このテーマは重要度6と高く、実践においても動作確認やトラブルシュートなどに活用できるものが多いので、実際にコマンドを使いながら学んでいくとよいでしょう。
例題
ssコマンドのオプションと説明の組み合わせのうち、誤っているものを1つ選択せよ。
- -l:ローカルホストに関する情報を出力
- -t:TCPソケットに関する情報を出力
- -u:UDPソケットに関する情報を出力
- -s:サマリーした情報を出力
- -Z:ソケットを使用しているプロセス、及びプロセスのセキュリティーコンテキスト(SELinux)情報を出力
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
答えは「1.-l:ローカルホストに関する情報を出力」 です。
正しくは、-lオプションはリッスン(接続待ち)ソケットに関する情報を出力 となります。 ssコマンドは、socket statisticsの略であり、 TCP/UDPなどのソケットに関する情報を出力させるのに使用します。
以下のようなオプションがあり、組み合わせて使用することも出来ます。
- -l:リッスン(接続待ち)ソケットに関する情報を出力
- -t:TCPソケットに関する情報を出力
- -u:UDPソケットに関する情報を出力
- -s:サマリーした情報を出力
- -Z:ソケットを使用しているプロセス、及びプロセスのセキュリティーコンテキスト(SELinux)情報を出力
- -p:ソケットを使用しているプロセスに関する情報を出力
- -4:IPv4に関する情報を出力
- -6:IPv6に関する情報を出力
- -n:サービス名の名前解決を行わない
TCPに関する情報を表示
[root@submattnesk ~]# ss -t
State Recv-Q Send-Q Local Address:Port Peer Address:Port
ESTAB 0 0 192.168.20.47:ssh 192.168.20.22:61216
TCP、及びソケットを使用しているプロセス情報を表示
[root@submattnesk ~]# ss -tp
State Recv-Q Send-Q Local Address:Port Peer Address:Port
ESTAB 0 0 192.168.20.47:ssh 192.168.20.22:61216 users:(("sshd",pid=2475,fd=3))
TCP、及びリッスン(接続待ち)に関する情報を表示
[root@submattnesk ~]# ss -tl
State Recv-Q Send-Q Local Address:Port Peer Address:Port
LISTEN 0 50 *:microsoft-ds *:*
LISTEN 0 128 *:zabbix-agent *:*
LISTEN 0 128 *:zabbix-trapper *:*
LISTEN 0 50 *:mysql *:*
LISTEN 0 50 *:netbios-ssn *:*
LISTEN 0 10 127.0.0.1:domain *:*
LISTEN 0 128 *:ssh *:*
LISTEN 0 100 127.0.0.1:smtp *:*
LISTEN 0 128 127.0.0.1:rndc *:*
LISTEN 0 50 :::microsoft-ds :::*
LISTEN 0 128 :::zabbix-agent :::*
LISTEN 0 128 :::zabbix-trapper :::*
LISTEN 0 50 :::netbios-ssn :::*
LISTEN 0 128 :::http :::*
LISTEN 0 10 ::1:domain :::*
LISTEN 0 128 :::ssh :::*
LISTEN 0 100 ::1:smtp :::*
LISTEN 0 128 ::1:rndc :::*
サマリーした情報を表示
[root@submattnesk ~]# ss -s
Total: 316 (kernel 348)
TCP: 49 (estab 1, closed 30, orphaned 0, synrecv 0, timewait 29/0), ports 0
Transport Total IP IPv6
* 348 - -
RAW 1 0 1
UDP 14 11 3
TCP 19 10 9
INET 34 21 13
FRAG 0 0 0
なお、netstatコマンドとオプションや使用方法が類似しているので、 併せて覚えることで効率的に学習することが出来ます。
例題解説者
鯨井 貴博 氏(LinuCエヴァンジェリスト/登録インストラクター、LPI-Japanアカデミック認定校 Zeus IT Camp)