LinuCレベル3 304試験の例題と解説
334.3フェイルオーバークラスタ
■トピックの概要
このトピックの内容は以下の通りです。
<334.3 フェイルオーバークラスタ>
重要度 5
<説明>
Pacemakerのインストール、設定、保守およびトラブルシューティング。
heartbeatバージョン2の利用を含む。
<主要な知識範囲>
・重要なクラスタ設定
・リソースエージェント
<重要なファイル、用語、ユーティリティ>
・crmd
・PEngine
・CIB ptest
・cibadmin
・crmadmin
・crm_* リソースエージェント (heartbeat v2, LSB, OCF)
・authkeys
・/usr/lib/heartbeat/ResourceManager
・/etc/ha.d/
■例題
リソースエージェントの説明として適切なものを選びなさい。
1. heartbeatは、サービスを管理するために、リソースエージェントを利用する
2. サービスを監視するための、リソースエージェント実行時の引数は、validateである
3. リソースエージェントとして、LSB形式の起動スクリプトを利用できる
4. 独自に作成したリソースエージェントを利用することはできない
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
答えは「3. リソースエージェントとして、LSB形式の起動スクリプトを利用できる」 です。
以下はそれぞれの回答の解説です。
「1. heartbeatはサービスを管理するために、リソースエージェントを利用する」
リソースエージェントは、heartbeatではなくPacemakerが利用します。
「2. リソースを監視するための、リソースエージェント実行時の引数は、validateである」
リソースエージェントは、スクリプトの引数によって、リソースの管理を行います。
主な引数は以下の通りです。
start … リソースの起動を行う
stop … リソースの停止を行う
restart … リソースの再起動を行う
monitor … リソースの監視を行う
validate … リソースの設定の正常性確認を行う
meta-data … リソースエージェントの情報をXML形式で出力する
上記の通り、リソースの監視を行うための引数はmonitorです。
「3. リソースエージェントとして、LSB形式の起動スクリプトを利用できる」
リソースエージェントの多くは、シェルスクリプトで作成されています。
独自の形式のリソースエージェントの他に、LSB形式で作成された起動スクリプトを指定することも可能です。
LSB(Linux Standard Base)とは、Linux Foundationが中心となって定めているLinux系システムの標準仕様です。POSIXを拡張した標準ライブラリの定義や、ファイルシステムの階層構造のレイアウトなど多岐に渡る指針が定められています。その中の一つとして起動スクリプトのフォーマットも定められています。
[Linux Standard Base Core Specification, Generic Part]
・VIII. System Initialization
http://refspecs.linuxfoundation.org/LSB_5.0.0/LSB-Core-generic/LSB-Core-generic/tocsysinit.html
「4. 独自に作成したリソースエージェントを利用することはできない」
リソースエージェントが用意されていないアプリケーションは、独自にリソースエージェントを作成・設定することで、Pacemakerで管理できます。
◆例題作成者
株式会社デージーネット システム設計部 森 彰吾 氏 株式会社デージーネット ソリューション開発部 丸吉祐也 氏