LinuCレベル1 102試験の例題と解説

1.07.2基本的なネットワーク構成

今回は、LinuC 102試験の試験範囲から「1.07.2 基本的なネットワーク構成」についての例題を解いてみます。nmcliコマンドを使ったネットワーク設定変更について確認しておきましょう。

Linucレベル1 102試験 出題範囲


例題

以下のコマンドの説明として、間違っているものを1つ選択してください。

# nmcli connection modify enp0s3 ipv4.method manual ipv4.addresses "192.168.30.161/24" ipv4.gateway "192.168.30.1"

  1. IPアドレスを手動で設定している
  2. デフォルトゲートウェイを手動で設定している
  3. 設定変更する接続名を指定している
  4. 設定変更がすぐに適用されるように指定している

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「4. 設定変更がすぐに適用されるように指定している」です。

nmcliコマンドは、NetworkManagerに含まれるネットワークの設定を行うことのできるコマンドです。最近のLinuxではネットワーク設定を変更する際、NetworkManagerを使うことが推奨されています。

nmcliコマンドでは、サブコマンドやオプションを用いて操作内容を指定します。nmcliコマンドでネットワークの設定を変更するには、コマンドに[connection modify]を指定します。

書式

nmcli connection modify <connection> <parameters> ...

<connection>には対象の接続名を指定します。設定は、<parameters>で与えられる内容に従って変更されます。

IPv4の設定を変更する際に<parameters>に指定できる主な項目は以下の通りです。

ipv4.method… 接続をDHCP使用または手動に設定
ipv4.dns… DNSサーバアドレスを設定
ipv4.dns-search… 検索ドメインを設定
ipv4.addresses… IPアドレスを設定
ipv4.gateway… デフォルトゲートウェイを設定
ipv4.routes… 静的ルートを設定

問題文にあるコマンドの説明は以下の通りです。

nmcli connection modify enp0s3→ 接続名[enp0s3]の設定を変更
ipv4.method manual→ 接続を手動で設定
ipv4.addresses "192.168.30.161/24"→ IPアドレスを[192.168.30.161/24]に設定
ipv4.gateway "192.168.30.1"→ デフォルトゲートウェイを[192.168.30.1]設定

なお設定の反映は、接続の開始時に行われます。

nmcliコマンドを用いた設定適用方法は以下の通りです。

nmcli connection up <conneciton>

よって、「4. 設定変更がすぐに適用されるように指定している」が間違っている説明となります。

選択肢の解説は以下です。

[1. IPアドレスを手動で設定している]
正しい説明です。
コマンド内の「ipv4.method manual ipv4.addresses "192.168.30.161/24" 」に該当します。

[2. デフォルトゲートウェイを手動で設定している]
正しい説明です。
コマンド内の「ipv4.gateway "192.168.30.1"」に該当します。

[3. 設定変更する接続名を指定している]
正しい説明です。
コマンド内の「connection modify enp0s3」に該当します。

[4. 設定変更がすぐに適用されるように指定している]
間違った説明です。
設定の反映は、接続の開始時に行われます。
NetworkManagerの再起動や物理配線を差し直すなど、nmcliコマンドを用いて接続し直す方法以外でも、再度接続が開始されることで設定が適用されます。

ネットワーク設定に関する操作を行うnmcliコマンドには、様々なサブコマンドやオプションが存在します。それぞれのサブコマンドやオプションで、どのような操作ができるのか確認し使えるようにしておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里

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