LinuCレベル1 101試験の例題と解説
1.02.2基本的なファイル管理の実行
今回は、LinuC 101試験の試験範囲から「1.02.2 基本的なファイル管理の実行」についての例題を解いてみます。
基本的なファイル管理のコマンドの中でも、tarコマンドは頻繁に利用されます。オプションを含めて理解しておきましょう。
例題
xz形式で圧縮されたtarアーカイブである mylinuc.tar.xz ファイルを、tarコマンドで展開します。
以下のコマンドのうち、正しくオプションを指定しているものを選択してください。
- $ tar -j -xf mylinuc.tar.xz
- $ tar -J -xf mylinuc.tar.xz
- $ tar -z -xf mylinuc.tar.xz
- $ tar -C -xf mylinuc.tar.xz
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は「2. $ tar -J -xf mylinuc.tar.xz」です。
tarコマンドは、ファイルのアーカイブ作成に用いられ、複数のファイルを一つのアーカイブにまとめることができるほか、アーカイブをもとの複数のファイルに展開することができます。
tarコマンドによってアーカイブを展開する際に利用される主なオプションは以下の通りです。
-C, --directory=DIR
指定したディレクトリに移動したうえで展開を実行します
-f, --file=ARCHIVE
対象のアーカイブファイルを指定します
-x, --extract, --get
対象のアーカイブを展開します
-j, --bzip2
アーカイブをbzip2コマンドを通して展開または圧縮します
-J, --xz
アーカイブをxzコマンドを通して展開または圧縮します
-z, --gzip
アーカイブをgzipコマンドを通して展開または圧縮します
-v, --verbose
処理されたファイル一覧を標準出力に出力します
それぞれの選択肢を見ていきましょう。
[1. $ tar -j -xf mylinuc.tar.xz]
誤りです。このコマンドを実行すると、bzip2形式のアーカイブとして展開しようとして、エラーになります。
[2. $ tar -J -xf mylinuc.tar.xz]
正しいです。このコマンドを実行すると、xz形式のアーカイブとして正常に展開されます。
[3. $ tar -z -xf mylinuc.tar.xz]
誤りです。このコマンドを実行すると、gzip形式のアーカイブとして展開しようとして、エラーになります。
[4. $ tar -C -xf mylinuc.tar.xz]
誤りです。Cオプションは圧縮形式を指定するフィルタではなく、展開処理を行うディレクトリを指定するためのオプションです。
また、展開先ディレクトリを指定する場合の構文は、「$ tar -C DIR -xf mylinuc.tar.xz」 となります。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 後藤 慎司