LinuCレベル1 102試験の例題と解説

1.08.3ローカライゼーションと国際化

今回は、LinuC 102試験の試験範囲から「1.08.3 ローカライゼーションと国際化」についての例題を解いてみます。
今回はタイムゾーンの設定について確認しておきましょう。

Linucレベル1 102試験 出題範囲


例題

タイムゾーンの情報を格納しているバイナリファイルが置かれているディレクトリで正しいものを1つ選択してください。

  1. /usr/share/timezone
  2. /etc/timezone
  3. /usr/share/zoneinfo
  4. /etc/localtime

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「3. /usr/share/zoneinfo」です。

タイムゾーンとは、地域ごとに区分された標準時間帯のこと指します。
タイムゾーンの情報は、「/usr/share/zoneinfo」ディレクトリ配下のバイナリファイルに格納されています。
「/usr/share/zoneinfo」ディレクトリ配下のバイナリファイルを「/etc/localtime」ファイルにシンボリックリンクまたはコピーすることでタイムゾーンを設定することができます。

以下はタイムゾーンを日本に設定する例です。

# ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime

または

# cp /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime

よって正解は、「3. /usr/share/zoneinfo」となります。

タイムゾーンは以下のように環境変数TZを使って設定することもできます。

$ export TZ="Asia/Tokyo"

また、「timedatectl」コマンドを使ってタイムゾーンを設定することもできます。

# timedatectl set-timezone Asia/Tokyo

選択肢の解説は以下です。

[1. /usr/share/timezone]
誤りです。
このようなディレクトリはありません。

[2. /etc/timezone]
誤りです。
タイムゾーンを設定する「/etc/localtime」ファイルとは別に、Debian系のLinuxディストリビューションでは「/etc/timezone」ファイルが利用されています。

$ cat /etc/timezone
Asia/Tokyo

[3. /usr/share/zoneinfo]
正解です。
以下のようなタイムゾーンの情報が格納されています。

# ls /usr/share/zoneinfo/
Africa      Canada   GB         Indian     Mexico    ROK        iso3166.tab
America     Chile    GB-Eire    Iran       NZ        Singapore  leapseconds
Antarctica  Cuba     GMT        Israel     NZ-CHAT   Turkey     posix
Arctic      EET      GMT+0      Jamaica    Navajo    UCT        posixrules
Asia        EST      GMT-0      Japan      PRC       US         right
Atlantic    EST5EDT  GMT0       Kwajalein  PST8PDT   UTC        tzdata.zi
Australia   Egypt    Greenwich  Libya      Pacific   Universal  zone.tab
Brazil      Eire     HST        MET        Poland    W-SU       zone1970.tab
CET         Etc      Hongkong   MST        Portugal  WET
CST6CDT     Europe   Iceland    MST7MDT    ROC       Zulu

[4. /etc/localtime]
誤りです。
「/etc/localtime」はタイムゾーンを設定するファイルです。
以下のようにシンボリックリンクになっていることがあります。

# ls -l /etc/localtime
lrwxrwxrwx. 1 root root 32  5月  7 14:10 /etc/localtime -> ../usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo

Linuxシステムの時間帯を正しく表示するためには、タイムゾーンを設定する必要があります。
自身の環境に合わせてタイムゾーンを設定できるようにしておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里

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