LinuCレベル2 201試験の例題と解説
2.04.3ユーザへの通知
今回は201試験の試験範囲から「2.04.3 ユーザへの通知」についての例題を解いてみます。
ログオンユーザにメッセージを伝えるいろいろな方法を紹介します。それぞれの方法の特徴を覚えておきましょう。
例題
ユーザがLinuxシステムにログオンする時に特定のメッセージを伝えたい。
次の説明のうち正しいものをひとつ選択してください。
- 「wall メッセージ」を実行する。
- /etc/issue に伝えたいメッセージを記載する。
- /etc/issue.net に伝えたいメッセージを記載する。
- /etc/motd に伝えたいメッセージを記載する。
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「4. /etc/motd に伝えたいメッセージを記載する。」です。
/etc/motd にメッセージを記載すると、ユーザがログインした時にログインシェルが起動される前にその内容が表示されます。
motd は Message Of The Day の略語であり「今日のメッセージ」を記載するために使用されます。
/etc/motd に
============================================================
X月X日の12:00〜13:00は、メンテナスのためログオンできません。
============================================================
と記載しておくと、ユーザがLinuxにログオンした時に、下記のようにメッセージが表示されます。
$ ssh user00@10.1.1.7
user00@10.1.1.7's password: xxxxxxxx
Last login: Sat Nov 2 12:34:56 2019 from ::ffff:192.168.123.123
============================================================
X月X日の12:00〜13:00は、メンテナスのためログオンできません。
============================================================
[user00@linuc ‾]$
選択肢について解説します。
1.「wall メッセージ」を実行する。
誤っています。
wallは、ログオンしているユーザ全員にメッセージを送信するためのコマンドです。
[user00@linuc ‾]$ wall "Reboot now. Please logout."
を実行すると、ログオンしているユーザの端末に下記のメッセージが表示されます。
Broadcast message from user00@linuc (pts/3) (Mon Nov 5 09:12:34 2019):
Reboot now. Please logout.
2./etc/issue に伝えたいメッセージを記載する。
誤っています。
/etc/issue ファイルに記載されたメッセージは、ログイン前に表示されます。
Linuxコンソールに接続すると、ログインプロンプトが表示されますが、/etc/issueファイルに記載したメッセージはログインプロンプトの前に表示されます。
/etc/issue に
LinuC Level2
Kernel ¥r on an ¥m
と記載しておくと、Linuxコンソール接続時に下記のように表示されます。
LinuC Level2
Kernel 3.10.0-1062.1.2.el7.x86_64 on an x86_64
linuc login:
3./etc/issue.net に伝えたいメッセージを記載する。
誤っています。
/etc/issue.net ファイルに記載されたメッセージは、telnetセッションのログインプロンプトの前に表示されます。
/etc/issue.net に
LinuC Level2 (Telnet)
Kernel ¥r on an ¥m
と記載しておくと、Linuxシステムにtelnetで接続した時に下記のように表示されます。
$ telnet sv132
Trying 172.16.1.132...
Connected to sv132.designet.co.jp.
Escape character is '^]'.
LinuC Level2 (Telnet)
Kernel 3.10.0-1062.1.2.el7.x86_64 on an x86_64
linuc login:
4./etc/motd に伝えたいメッセージを記載する。
正しい説明です。
Linuxシステムにログオンするユーザへの情報の伝え方と特徴を知り、状況に応じて効果的な方法を選択できるようにしておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 大野 公善