LinuCレベル3 304試験の例題と解説
334.3 フェイルオーバークラスタ
■トピックの概要
このトピックの内容は以下の通りです。
<334.3 フェイルオーバークラスタ>
重要度 6
<説明>
Pacemaker クラスタのインストール、設定、保守およびトラブルシュートの経験。 Corosyncの使用を含む。 Corosync 2.x の Pacemaker 1.1.
<主要な知識範囲>
・Pacemaker アーキテクチャとコンポーネント (CIB, CRMd, PEngine, LRMd, DC, STONITHd).
・Pacemaker クラスタ設定
・リソースクラス (OCF, LSB, Systemd, Upstart, Service, STONITH, Nagios).
・リソースのルールと制約 (location, order, colocation).
・高度なリソース機能 (templates, groups, clone resources, multi-state resources).
・pcs を使用した Pacemaker の管理
・crmshを使用した Pacemaker の管理
・Pacemakerと使用するcorosyncの設定と管理
・他のクラスタエンジンの認知 (OpenAIS, Heartbeat, CMAN).
<重要なファイル、用語、ユーティリティ>
・pcs
・crm
・crm_mon
・crm_verify
・crm_simulate
・crm_shadow
・crm_resource
・crm_attribute
・crm_node
・crm_standby
・cibadmin
・corosync.conf
・authkey
・corosync-cfgtool
・corosync-cmapctl
・corosync-quorumtool
・stonith_admin
■例題
crmコマンドを用いたPacemaker クラスタの操作に関する説明として誤っているを選びなさい。
1. [crm status failcounts] は、現在のリソースの状態を確認することができる。
2. [crm resource move service-group] は、ノード間のservice-group(リソースグループ) の移動ができる。
3. [crm configure edit] は、Pacemakerの設定を編集することができる。
4. [crm configure property maintenance-mode=false] は、クラスタをメンテナンスモードに移行させる。
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
答えは4. [crm configure property maintenance-mode=false] は、クラスタをメンテナンスモードに移行させる。」です。
crmコマンドを実行すると、独自のシェルが起動します。
crmシェルから設定を行ったり、サービスの起動・停止などの操作が行えます。
クラスタは各リソースの状態を定期的に監視しており、リソースが停止している場合は障害と見なしてフェイルオーバーを発生させます。
サービスの設定調整等に伴い一時的に監視を停止したい場合、クラスタをメンテナンスモードに移行させます。
crm configure property maintenance-mode=true
これにより全てのリソースが、クラスタの管理下を離れたモード(unmanagedモード)に移行します。
この間、サービスを停止してもフェイルオーバーは発生しません。
選択肢4. [crm configure property maintenance-mode=false]は、メンテナンスモードを解除する際に実行をします。
「1. [crm status failcounts] は、現在のリソースの状態を確認することができる。」は、正しい選択肢です。
現在のリソースの状態を確認する際は、statusコマンドを利用します。
実行結果として、各リソースがどのノードで起動しているかということが出力されます。
また、故障情報がある場合には、どのリソースで故障が発生しているや故障の理由も確認することができます。
「2. [crm resource move service-group] は、ノード間のservice-group(リソースグループ) の移動ができる。」は、正しい選択肢です。
リソースを別ノードへ移動(フェイルオーバー/フェイルバック)を行なうには、moveコマンドを利用します。
リソースを移動した場合には、statusコマンドで移動していることを確認します。
一旦moveコマンドを実行すると、リソースの移動が制限されます。
そのためリソースを正常にフェイルオーバー/フェイルバックさせるためにはunmoveコマンドを必ず実行する必要があります。
crm resource unmove service-group
「3. [crm configure edit] は、Pacemakerの設定を編集することができる。」は、正しい選択肢です。
[crm configure edit] を実行することで、Pacemakerの設定を変更や追加が可能です。
[crm configure edit] でのPacemakerの設定の編集は、viと同様の操作が可能です。
crmコマンドを用いたPacemaker クラスタの設定や操作方法について抑えておきましょう。
◆例題作成者
株式会社デージーネット システム設計部 森 彰吾 氏 株式会社デージーネット ソリューション開発部 丸吉祐也 氏