LinuCレベル2 201試験の例題と解説
2.04.1makeによるソースコードからのビルドとインストール
今回はLinuCレベル2 201試験の試験範囲から「2.04.1 makeによるソースコードからのビルドとインストール」についての例題を解いてみます。
gitを使ったソースコース管理について確認しておきましょう。
例題
gitコマンドと説明の組み合わせで間違っているものを1つ選択してください。
1.git clone | :リポジトリの新規作成 |
2.git tag タグ | :直前のコミットに対して別名をつける |
3.git tag -l "タグ" | :タグで絞り込んで表示する |
4.git checkout ブランチ名 | :ブランチを切り替える |
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「1.git clone : リポジトリの新規作成」です。
Gitとは、分散型のバージョン管理システムです。
Gitでは、ひとつのリポジトリを全員で共有するのではなく、各ユーザがローカルにリポジトリをコピーすることで、編集や更新履歴をローカルリポジトリで管理します。
Gitでは、ファイルの変更履歴の管理や、変更履歴を参照して過去のバージョンに戻したり、チームで変更履歴を共有する時に衝突を防ぐことができます。
その操作を行うのが、gitコマンドです。
それでは、選択肢を見ていきます。
1.git clone : リポジトリの新規作成
誤りです。
リポジトリを新規作成するには [git init] コマンドを実行します。
[git init]コマンドを実行すると、新規作成の場合、ローカルホスト上に「.git」ディレクトリが追加され、履歴などを管理するためのファイル群が作成されます。
また、既存のリポジトリがある場合に [git init] コマンドを実行した場合は、リポジトリが初期化されます。
[git clone]コマンドは、プロジェクトのリポジトリをコピー(クローニング)するコマンドです。
$ git clone リポジトリのURL
上記のようにリポジトリのURLを指定することで、リポジトリにあるファイルがフォルダごとローカルにコピーされます。
開発に参加する場合は、このように[git clone] コマンドを用いてローカルリポジトリにコピーしてから、ローカルリポジトリ内で、ファイルの更新や追加などを行います。
2.git tag タグ : 直前のコミットに対して別名をつける
正しいです。
ローカルリポジトリ内でファイルの更新や追加を行った後、[git add]コマンドと[git commit]コマンドを用いて変更履歴を反映します。
[git tag]コマンドでは、このコミットに対しタグをつけることができます。例えば、タグにバージョン番号やステータスをつけておくことで、他の開発メンバーが後からバージョンで検索したり、タグを見るだけでステータスを確認することができるようになります。
3.git tag -l "タグ" : タグで絞り込んで表示する
正しいです。
[git tag]コマンドにオプション[-l] をつけることで、タグを一覧表示することができます。また、[git tag -l "v1.0]のように、[-l]オプションの後ろに検索パターンを指定することで、タグの絞り込み検索を行うことも可能です。
4.git checkout ブランチ名 : ブランチを切り替える
正しいです。
gitのリポジトリには、メインのリポジトリから分岐し記録する「ブランチ」という仕組みがあります。
分岐したブランチは他のブランチの影響を受けないため、同じリポジトリ中で複数の変更を同時に進めていくことができます。また、他のブランチとマージすることで、一つのブランチにまとめ直すことも可能です。
このブランチを切り替える際に[git checkout]コマンドを利用します。
現在Gitは、すでに多くのプロジェクトで採用されています。
今後、チームでの共同開発などでも使用できるよう、主要なgitコマンドについては覚えておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本 知里