LinuCレベル2 201試験の例題と解説
2.04.5死活監視、リソース監視、運用監視ツール
LinuCレベル2 201試験の試験範囲から「2.04.5 死活監視、リソース監視、運用監視ツール」についての例題を解いてみます。
このテーマは、ITシステムの安定稼働に重要な監視に関する内容が含まれます。重要度は高くありませんが、実践においてシステム異常の予兆を発見し障害を未然に防ぐことにもつながる内容ですので、しっかりと把握しておきましょう。
例題
以下のうち、OOMKillerの役割として正しいものはどれか。
- 物理メモリの空きが少なくなってきた際にメモリースワッピングを行う
- メモリ空間を複数のプロセスやユーザーで利用可能にする
- メモリ故障発生時、故障個所を切り離す
- カーネル動作に支障が出そうになるほど使用メモリ量が増加した際にプロセスを強制終了させる
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「4.カーネル動作に支障が出そうになるほど使用メモリ量が増加した場合、プロセスを強制終了させる」です。
OOMKillerはOut Of Memory Killerの略で、メモリ使用量が増加しカーネルの動作に支障が出そうになるようなケースで稼働中のプロセスを強制終了させる役割を担います。
Linuxカーネルのメモリ管理ではページングという方式やスワップ領域を利用した制御(メモリースワッピング)が行われますが、OOMKillerが最後の砦としてLinuxカーネルの動作に支障が出ないようにしています。
なお、OOMKillerやLinuxカーネルのメモリ管理については、以下で詳細を確認できます。
https://www.kernel.org/doc/gorman/html/understand/understand016.html
https://www.kernel.org/doc/html/latest/admin-guide/mm/index.html
例題作成者
鯨井 貴博
(LinuCエヴァンジェリスト/登録インストラクター、LPI-Japanアカデミック認定校 Zeus IT Camp)