LinuCレベル2 Version 4.5 201試験の例題と解説

202.1 システムの起動をカスタマイズする

今回は201試験の試験範囲から、「202.1 システムの起動をカスタマイズする」についての例題を解いてみます。

■トピックの概要
このトピックの内容は以下の通りです。

<202.1 システムの起動をカスタマイズする>
重要度 3

<説明>
さまざまなターゲット/ランレベルのシステムサービスの動作を照会および変更する。systemd、SysV init と Linux のブートプロセスについての完全な理解が必要。これには、systemd ターゲットと SysV init のランレベルの操作も含まれる。

<主要な知識範囲>
・Systemd
・SysV init
・Linux Standard Base (LSB) の仕様

<重要なファイル、用語、ユーティリティ>
・/usr/lib/systemd/
・/etc/systemd/
・/run/systemd/
・systemctl
・systemd-delta
・/etc/inittab
・/etc/init.d/
・/etc/rc.d/
・chkconfig
・update-rc.d
・init と telinit

■例題
sshdサービスの自動起動を設定するコマンドを選択してください。

1. systemctl enable sshd.service
2. systemctl start sshd.service
3. systemctl sshd on
4. systemctl is-enabled sshd.service

※この例題は実際のLPIC試験問題とは異なります。


解答と解説

答えは「1. systemctl enable sshd.service」です。

Linux上のサービスの管理は、SysV initが担っているのが一般的でした。しかし昨今では、Systemdを採用したディストリビューションが増えてきています。
Systemdが採用されているシステムでは、systemctlコマンドを使ってサービスの管理を行います。
Systemdによって管理されているサービスを、管理者が操作するために、systemctlというコマンドが用意されています。

systemctlの主な使い方は以下の通りです。

* sshdサービスを起動する
systemctl start sshd.service

* sshdサービスを停止する
systemctl stop sshd.service

* sshdサービスを再起動する
systemctl restart sshd.service

* sshdサービスの自動起動を有効にする
systemctl enable sshd.service

* sshdサービスの自動起動を無効にする
systemctl disable sshd.service

* sshdサービスのステータスを表示する
systemctl status sshd.service

* sshdサービスの稼働状況を表示する
systemctl is-active sshd.service

* sshdサービスの自動起動設定を表示する
systemctl is-enabled sshd.service

* サービスの状態一覧を表示する
systemctl list-units

その他の選択肢の解説は以下のとおりです。

2. systemctl start sshd.service

これはsshdサービスを起動するためのコマンドです。

3. systemctl sshd on

systemctlコマンドはこのように使用することはできません。

4. systemctl is-enabled sshd.service

これは、自動起動設定の状態を表示するためのコマンドです。

SysV initからSystemdへの変更に伴って、今まで当たり前だったサービスの管理方法が、大きく変わりました。Systemdを採用しつつも、従来のSysV initの起動ファイルも利用できるディストリビューションが多いですが、今後に備えてSystemdを使ってサービスを管理できるようにしておきましょう。


■例題作成者 株式会社デージーネット ソリューション開発部    森 彰吾 氏

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