LinuCレベル3 304試験の例題と解説
335.1DRBD / cLVM
LinuC 304試験の試験範囲から「335.1 DRBD / cLVM」についての例題を解いてみます。DRBDリソースの設定について確認しておきましょう。
例題
以下のDRBDリソース設定の説明として間違っているものを一つ選択してください。
resource data {
on clu01 {
device /dev/drbd0;
meta-disk /dev/sdb1;
disk /dev/sdb2;
address 10.100.100.10:8800;
}
on clu02 {
device /dev/drbd0;
meta-disk /dev/sdb1;
disk /dev/sdb2;
address 10.100.100.20:8800;
}
}
- DRBDデータ領域デバイスは/dev/drbd0である
- clu01が対向デバイスからの接続を待ち受けるIPアドレスは10.100.100.10である
- DRBDリソース名はdataである
- DRBDメタ領域デバイスは/dev/sdb1である
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「1. DRBDデータ領域デバイスは/dev/drbd0である」です。
DRBDは、複数のノード間でブロックデバイスの内容を同期する仕組みです。
例えば以下のように、2台のサーバ間でネットワークを経由したディスクミラーリングを行うことができます。
DRBDデバイスへ書き込み
↓
(clu01) (clu02)
/dev/drbd0 ← ネットワーク経由で同期 → /dev/drbd0
↓ ↓
↓下位デバイスに書きこみ ↓下位デバイスに書きこみ
↓ ↓
/dev/sdb2 /dev/sbd2
このようにネットワーク越しにディスクデバイスの同期を行うためには、例題にあるようなDRBDリソース設定を行う必要があります。
resource data {
on clu01 {
device /dev/drbd0;
meta-disk /dev/sdb1;
disk /dev/sdb2;
address 10.100.100.10:8800;
}
on clu02 {
device /dev/drbd0;
meta-disk /dev/sdb1;
disk /dev/sdb2;
address 10.100.100.20:8800;
}
}
設定項目について解説します。
resourceセクションは、DRBDリソースの名前を決定し、リソースを構成するノードの情報をまとめるためのセクションです。onセクションは、クラスタを構成するノードの情報を定義するセクションです。例題では、clu01とclu02の二つのノードの情報が記載されています。
ノードの情報として設定されている内容は以下の通りです。
device | : | DRBDデバイス名 |
meta-disk | : | DRBDのデバイスサイズや同期情報を保存するためのメタ領域デバイス |
disk | : | DRBDデバイスの下位デバイスになるデータ領域デバイス |
address | : | ホストがDRBDのデータ同期を行う際に利用する、対向デバイスからの接続を待ち受けるためのIPアドレスとポート番号 |
それでは、選択肢を見ていきます。
1.DRBDデータ領域デバイスは/dev/drbd0である
間違っています。
今回は、間違っている選択肢をこたえる問題ですので、答えは[1]となります。
DRBDデータ領域デバイスは、「disk」に設定されている「/dev/sdb2」です。
2.clu01が対向デバイスからの接続を待ち受けるIPアドレスは10.100.100.10である
正しいです。
clu01が対向デバイスであるclu02からの接続を待ち受けるIPアドレスは、「on clu01」セクションの中にある「address」に設定されています。
3.DRBDリソース名はdataである
正しいです。
DRBDリソース名は、resourceセクションで指定します。
4.DRBDメタ領域デバイスは/dev/sdb1である
正しいです。
DRBDメタ領域デバイスは、「meta-disk」に設定されています。
データの可用性を求められるサーバなどでは、データを二重化できるDRBDは非常に有効です。どのセクションに何を設定するのか再度確認し、設定できるようにしておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本 知里