LinuCレベル1 102試験の例題と解説
1.10.1セキュリティ管理業務の実施
LinuCレベル1 102試験の試験範囲から、「1.10.1 セキュリティ管理業務の実施」についての例題を解いてみます。ユーザのパスワード期限の設定方法、確認方法について確認しておきましょう。
例題
linucユーザのパスワードが有効な最長日数を30日に設定するコマンドとして正しいものを選択してください。
- chage -l 30 linuc
- chage -M 30 linuc
- chage -d 30 linuc
- chage -E 30 linuc
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「2. chage -M 30 linuc」です。
chageコマンドはパスワードの有効期限を設定したり、確認したりするコマンドです。パスワードの有効期限は、「passwd」コマンドでも変更できますが、chageコマンドでは無効になる日付や最終更新日などの変更も可能です。また、一般ユーザーでも有効期限を確認できます。
なお、有効期限を設定できるのは、passwdコマンド同様「rootユーザー(スーパーユーザー)」のみです。一般ユーザーは、自分のパスワードの有効期限を確認することしかできません。
chageコマンドの書式は以下の通りです。
chage [オプション] [ユーザー名]
chageコマンドの主なオプションは以下の通りです。
-m <day> | : | パスワードが変更できるまでの最短日数をに設定(「0」でいつでもパスワードを変更可能) |
-M <day> | : | パスワードを変更しなくてよい最長日数をに設定(「99999」で無期限) |
-d <yyyy-mm-dd> | : | 最終パスワード変更日を形式で設定 |
-E <yyyy-mm-dd> | : | アカウント期限が切れる日付をyyyy-mm-dd形式で設定 |
-W <day> | : | パスワード期限が切れる前に警告される日数をに設定 |
-l | : | パスワードの有効期間を表示 |
上記からパスワードが有効な最長日数を設定するためには-Mオプションを使います。
よって、「chage -M 30 linuc」でlinucユーザのパスワードが有効な最長日数を30日に設定出来ます。
その他の選択肢について解説します。
1. chage -l 30 linuc
誤りです。
「-l」はパスワードの有効期限を表示するオプションです。下記の例ではlinucユーザのパスワードの有効期限を表示します。
# chage -l linuc
最終パスワード変更日 :11月 19, 2020
パスワード期限: : なし
パスワード無効化中 : なし
アカウント期限切れ : なし
パスワードが変更できるまでの最短日数 : 0
パスワードを変更しなくてよい最長日数 : 99999
パスワード期限が切れる前に警告される日数 :
3. chage -d 30 linuc
誤りです。
「-d」は最終パスワード変更日を「yyyy年-mm月-dd日」形式で設定するオプションです。下記の例では最終パスワード変更日を指定します。
# chage -d 2030-1-1 linuc
# chage -l test11
最終パスワード変更日 : 1月 01, 2030
パスワード期限: : なし
パスワード無効化中 : なし
アカウント期限切れ : 2月 02, 2030
パスワードが変更できるまでの最短日数 : 0
パスワードを変更しなくてよい最長日数 : 99999
パスワード期限が切れる前に警告される日数 :
4. chage -E 30 linuc
誤りです。
「-E」はアカウント期限が切れる日付をyyyy-mm-dd形式で設定するオプションです。下記の例ではアカウント期限が切れる日付を指定します。
# chage -E 2030-2-2 linuc
# chage -l test11
最終パスワード変更日 : 1月 01, 2030
パスワード期限: : なし
パスワード無効化中 : なし
アカウント期限切れ : 2月 02, 2030
パスワードが変更できるまでの最短日数 : 0
パスワードを変更しなくてよい最長日数 : 99999
パスワード期限が切れる前に警告される日数 : 7
chageコマンドを使用したパスワードの変更、設定方法を確認しておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット ソリューション開発部 石崎 優真