LinuCレベル2 201試験の例題と解説

2.02.1ファイルシステムの設定とマウント

LinuCレベル2 201試験の試験範囲から「2.02.1 ファイルシステムの設定とマウント」についての例題を解いてみます。
ここでは、デバイスブロックの情報を表示する方法について確認していきましょう。

Linucレベル2 201試験 出題範囲


例題

以下の出力結果のように、利用可能なすべてのブロックデバイスに対し「ラベル、UUID、ファイルシステムタイプ」を表示することのできるコマンドを選択してください。

/dev/sda1: LABEL="boot" UUID="e1db09d6-01a6-4056-91d6-57816330ed27" TYPE="ext4" PARTUUID="163f1632-01"
/dev/sda2: LABEL="LVM2" UUID="DqPfbS-Vdff-r6DO-pddW-WC43-jI0j-iEDS9i" TYPE="LVM2_member" PARTUUID="163f1632-02"
/dev/sda3: LABEL="LVM3" UUID="L5GnDC-slpU-kR1m-Tb0t-1iuv-EQDb-z8efTv" TYPE="LVM2_member" PARTUUID="163f1632-03"
/dev/mapper/cl-root: LABEL="root" UUID="df6a1046-376c-4e21-8aca-4c48b28e21c7" TYPE="xfs"
  1. lsblk
  2. df -T
  3. blkid
  4. cat /etc/fstab

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「3. blkid」です。

blkid コマンドは利用可能なブロックデバイスに関する以下の情報を表示します。

LABELボリュームラベル
UUID汎用一意識別子
TYPEファイルシステムのタイプ

以下は、blkid コマンドを引数なしで実行した場合の例です。

# blkid
/dev/sda1: LABEL="boot" UUID="e1db09d6-01a6-4056-91d6-57816330ed27" TYPE="ext4" PARTUUID="163f1632-01"
/dev/sda2: LABEL="LVM2" UUID="DqPfbS-Vdff-r6DO-pddW-WC43-jI0j-iEDS9i" TYPE="LVM2_member" PARTUUID="163f1632-02"
/dev/sda3: LABEL="LVM3" UUID="L5GnDC-slpU-kR1m-Tb0t-1iuv-EQDb-z8efTv" TYPE="LVM2_member" PARTUUID="163f1632-03"
/dev/mapper/cl-root: LABEL="root" UUID="df6a1046-376c-4e21-8aca-4c48b28e21c7" TYPE="xfs"

このように、すべての利用可能なブロックデバイスのラベル、UUID、ファイルシステムタイプが表示されます。なお、引数にデバイス名を指定した場合は、特定のデバイスの情報のみが表示されます。

それでは、選択肢を見ていきます。

1.lsblk
誤りです。
lsblk コマンドは、以下のように利用可能なブロックデバイスの一覧を表示します。
ブロックデバイスは表示されますが、UUIDやファイルシステムタイプは表示されないので不正解です。

$ lsblk
NAME          MAJ:MIN RM  SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
sda             8:0    0   13G  0 disk
├─sda1        8:1    0  512M  0 part /boot
├─sda2        8:2    0  2.5G  0 part
|└─cl-root 253:0    0 12.5G  0 lvm  /
└sda3          8:3    0   10G  0 part
  └─cl-root 253:0    0 12.5G  0 lvm  /
sr0            11:0    1 1024M  0 rom

2.df -T
誤りです。
df コマンドは、ディスクの空き領域のサイズを集計して表示するコマンドです。-T オプションをつけて実行すると、以下のようにファイルシステムのタイプを確認することができます。
しかし、ブロックデバイスの情報を確認することはできないため不正解です。

$ df -T
ファイルシス            タイプ   1K-ブロック    使用  使用可 使用% マウント位置
devtmpfs            devtmpfs      882696       0  882696    0% /dev
tmpfs               tmpfs         900672       0  900672    0% /dev/shm
tmpfs               tmpfs         900672   33376  867296    4% /run
tmpfs               tmpfs         900672       0  900672    0% /sys/fs/cgroup
/dev/mapper/cl-root xfs         13088768 6270868 6817900   48% /
/dev/sda1           ext4          499656  143476  319484   31% /boot
tmpfs               tmpfs         180132       0  180132    0% /run/user/1000

3.blkid
正解です。
前述の通り、blkidコマンドでは、利用可能なブロックデバイスのラベル、UUID、ファイルシステムタイプが表示されます。

4.cat /etc/fstab
誤りです。
/etc/fstabは、Linuxの起動時に読み込まれる(マウントする)ファイルシステムやパーティションなどの情報を設定するファイルです。 以下のように、マウントポイントやファイルシステムのタイプを確認することができます。
しかし、利用可能なすべてのブロックデバイスの情報や、ラベル、UUIDを確認することはできないため不正解です。

$ cat /etc/fstab
/dev/mapper/cl-root     /                       xfs     defaults        0 0
UUID=e1db09d6-01a6-4056-91d6-57816330ed27 /boot                   ext4    defaults        1 2

blkid コマンドは、使用しているデバイスブロックや、利用可能なすべてのブロックデバイスについて調べるときに有用なコマンドです。
利用できるように覚えておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 橋本 知里

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