LinuCレベル2 202試験の例題と解説
2.08.2ゾーン情報の管理
今回は、LinuC 202試験の試験範囲から「2.08.2 ゾーン情報の管理」についての例題を解いてみます。
例題
mylinuc2.com のゾーンファイル(mylinuc2.com.zone)に以下のような記述があります。
この説明で正しいものを2つ指定してください。
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1行目: @ IN SOA mylinuc2.com. root.mylinuc2.com. (...省略...)
2行目: NS ns.mylinuc2.com.
3行目: MX 10 mail.mylinuc2.com.
4行目: ns A 192.168.10.1
5行目: mail A 192.168.10.2
6行目: host01 A 192.168.10.3
7行目: www CNAME host01
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- このゾーンのネームサーバはns.mylinuc2.com.である
- このゾーンのメールサーバはns.mylinuc2.com.である
- ns.mylinuc2.com.のIPアドレスは192.168.10.2である
- www.mylinuc2.com.はhost01.mylinuc2.com.の別名である
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
答えは1 と 4 です。
ゾーンファイルのリソースレコードの代表的なものとして、以下のものがあります。
SOA 権威サーバを記述するレコード
NS ネームサーバを表すレコード
MX ドメインのメール交換情報 (MX)を表すレコード
A ネットワークアドレス(IPv4形式)を表すレコード
AAAA ネットワークアドレス(IPv6形式)を表すレコード
CNAME 別名に対して標準名前を識別するレコード
TXT 任意の数の文字列のレコード
PTR ドメイン名へのポインタレコード
設定行を一つ一つ見ていきましょう。
1行目はゾーンmylinuc2.com.のSOAレコードです。
「mylinuc2.com.」がこのゾーンファイルのネームサーバの名前です。
「root.mylinuc2.com.」はこのドメインの管理者のメールアドレスで、「root@mylinuc2.com」
の「@」を「.」に置き換えて記載します。
2行目はゾーンmylinuc2.com.のネームサーバがns.mylinuc2.com.であることを示しています。
そのため、設問の選択肢1は正解です。
3行目はメールの転送先がmail.mylinuc2.com.であることを示しています。
そのため、設問の選択肢2は誤りです。
また、MXの右側の数字は、メールサーバの優先度を示しています。
4行目はmylinuc2.com.ゾーン内のホスト ns のIPv4アドレスの設定が記載されています。
nsの直後に「.」がないので、ゾーン名が補完され、ns.mylinuc2.com.のIPアドレスが
192.168.10.1であることを示しています。
そのため、設問の選択肢3は誤りです。
5行目はmylinuc2.com.ゾーン内のホスト mail のIPv4アドレスの設定が記載されています。
mailの直後に「.」がないので、ゾーン名が補完され、mail.mylinuc2.com.のIPアドレスが
192.168.10.2であることを示しています。
6行目はmylinuc2.com.ゾーン内のホスト host01 のIPv4アドレスの設定が記載されています。
host01の直後に「.」がないので、ゾーン名が補完され、host01.mylinuc2.com.のIPアドレスが
192.168.10.3であることを示しています。
7行目はwww.mylinuc2.com.がhost01.mylinuc2.com.の別名であることを示しています。
そのため、設問の選択肢4は正解です。
ゾーンファイルのレコードの記述の仕方について把握しておきましょう。