LinuCレベル1 Version 4.0 102試験の例題と解説

109.3 基本的なネットワークの問題解決

今回は102試験の試験範囲から「109.3 基本的なネットワークの問題解決」についての例題を解いてみます。

■トピックの概要
<109.3 基本的なネットワークの問題解決>
重要度 4

<説明>
クライアントホスト上のネットワークに関する問題解決ができる。

<主要な知識範囲>
・ネットワークインターフェイスおよびルーティングテーブルを手動および自動で設定できる。これには、ネットワークインターフェイスの追加、起動、停止、再起動、削除、および再設定が含まれる
・ルーティングテーブルを変更、参照、設定し、不適切なデフォルトルート設定を手作業で訂正する
・ネットワーク構成に関連する問題をデバッグする

<重要なファイル、用語、ユーティリティ>
・ifconfig
・ip
・ifup
・ifdown
・route
・host
・hostname
・dig
・netstat
・ping
・ping6
・traceroute
・traceroute6
・tracepath
・tracepath6
・netcat

■例題

ルーティングテーブルを表示するコマンドとして誤っているものを選択してください。

1. ip
2. ifconfig
3. route
4. netstat

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

答えは「2. ifconfig」です。

ルーティングとは、ネットワーク接続を行う場合の送信元から送信先への経路を制御するための仕組みです。
ルーティングテーブルは、ルーティング情報を保存しておくためのテーブルです。
ネットワークに接続されたホストは、自ホスト内に保持しているルーティングテーブルを参照して、送信先への接続経路を決定します。

例題の選択肢について解説します。

1. ip
正しいです。

ipは、ルーティング、ネットワーク装置、ポリシールーティング、トンネリングの参照や操作を行うためのコマンドです。
ipコマンドを使用してルーティングテーブルを参照する場合、以下のように指定します。

$ ip route

default via 172.16.0.1 dev ens3 onlink

172.16.0.0/24 dev ens3 proto kernel scope link src
172.16.0.100
172.16.1.0/24 dev ens10 proto kernel scope link src 172.16.1.100

2. ifconfig
誤っています。

ifconfigは、ネットワークインタフェースの設定を行うためのコマンドです。
ifconfigコマンドでは、ルーティング情報を参照することはできません。

3. route
正しいです。

routeは、ルーティングテーブルの参照や設定を行うためのコマンドです。
routeコマンドを使用してルーティングテーブルを参照する場合、以下のように指定します。

$ /sbin/route
Kernel IP routing table
Destination     Gateway         Genmask         Flags Metric Ref    Use Iface
default         gate01          0.0.0.0         UG    0      0        0 ens3
172.16.0.0      0.0.0.0         255.255.255.0   U     0      0        0 ens3
172.16.1.0      0.0.0.0         255.255.255.0   U     0      0        0 ens10

4. netstat
正しいです。

netstatは、ネットワーク接続、ルーティングテーブル、インタフェース統計情報、マスカレード接続、マルチキャストメンバーシップの情報を表示するためのコマンドです。
netstatコマンドを使用してルーティングテーブルを参照する場合、以下のように指定します。

$ netstat -r
Kernel IP routing table
Destination     Gateway         Genmask         Flags   MSS Window  irtt Iface
default         gate01          0.0.0.0         UG        0 0          0 ens3
172.16.0.0      0.0.0.0         255.255.255.0   U         0 0          0 ens3
172.16.1.0      0.0.0.0         255.255.255.0   U         0 0          0 ens10

上記のように、ルーティングテーブル表示だけでもいろいろなコマンドを使用することができます。
それぞれのコマンドについて、特徴やできることを把握しておくといいでしょう。

■例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 大野 公善 氏

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