LinuCレベル1 101試験の例題と解説

1.05.3ファイルシステムの作成と管理、マウント

LinuCレベル1 101試験の出題範囲から、「1.05.3 ファイルシステムの作成と管理、マウント」についての例題を解いてみます。今回はファイルシステムをマウントするための設定について確認しておきましょう。

Linucレベル1 101試験 出題範囲


例題

/etc/fstabに関する説明の組み合わせで正しいものを1つ選択してください。

  1. マウントポイントを記述するのは、第2フィールドである。
  2. デバイス名を記述するのは、第5フィールドである。
  3. ファイルシステムのタイプを記述するのは、第4フィールドである。
  4. マウントオプションを記述するのは、第6フィールドである。

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「1. マウントポイントを記述するのは、第2フィールドである。」です。

/etc/fstabファイルは、どのデバイスにどのディレクトリをマウントするのかなど、ファイルシステムの情報を記述するファイルです。OSを起動した際、/etc/fstabファイルの記述に従ってファイルシステムが指定したマウントポイントに自動的にマウントされます。

/etc/fstabファイルの中身は以下のようになっています。

/dev/mapper/cl-root                       /         xfs     defaults        0 0
UUID=7bede163-7c58-44e5-9583-8283e80def7d /boot     ext4    defaults        1 2
/dev/mapper/cl-swap                       swap      swap    defaults        0 0
/dev/sdb1                                 /home2    xfs     defaults        0 0

各フィールドの設定項目は以下の通りです。

第1フィールド:
マウントされるパーティションやデバイス名を記述します。上記例のように、UUIDを指定したり、ラベルを指定することもできます。

第2フィールド:
マウントされるマウントポイントを記述します。

第3フィールド:
マウントされるパーティションやデバイスのファイルシステムのタイプを記述します。

第4フィールド:
マウントオプションを記述します。マウントオプションには、読み書き可能モードでマウントを行う「rw」や、mount -a コマンドの実行時にマウントを行う「auto」などがあります。オプションを複数指定する場合は、「,(カンマ)」区切りで指定します。なお、defaultsが指定された場合は、「async、auto、dev、exec、nouser、rw、suid」が有効となります。

第5フィールド:
ファイルシステムをダンプするか否かを指定します。「1」ならファイルシステムをダンプし、「0」ならダンプしません。

第6フィールド:
システム起動時にfsckチェックを行う順番を指定します。ルートファイルシステムをチェックする場合は、「1」を指定します。その他のファイルシステムをチェックする場合は「2」を指定します。「0」または指定しない場合は、ファイルシステムチェックが行われません。

選択肢の解説は以下です。

1.マウントポイントを記述するのは、第2フィールドである。
正解です。
第2フィールドでは、マウントポイントを記述します。

2.デバイス名を記述するのは、第5フィールドである。
誤りです。
デバイス名を記述するのは第1フィールドです。
第5フィールドには、ファイルシステムをdumpするか否かの指定を行います。

3.ファイルシステムのタイプを記述するのは、第4フィールドである。
誤りです。
ファイルシステムのタイプを記述するのは、第3フィールドです。
第4フィールドには、マウントオプションを記述します。

4.マウントオプションを記述するのは、第6フィールドである。
誤りです。
マウントオプションを記述するのは、第4フィールドです。
第6フィールドには、OS起動時にfsckチェックを行うか否かの指定を行います。

ファイルシステムのマウントは、ストレージデバイスを増やしたい場合などにも必要となります。
/etc/fstabはファイルシステムのマウントで重要なファイルです。どのフィールドに何を設定するのか、覚えておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里

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