LinuCレベル3 300試験の例題と解説
394.2 認証と許可およびWinbind
■トピックの概要
このトピックの内容は以下の通りです。
<394.2 認証と許可およびWinbind>
重要度 5
<説明>
さまざまな認証方法を理解し、アクセス制御を設定できること。
Winbindサービスのインストールと設定を実行できること。
<主要な知識範囲>
* パスワードデータベースをセットアップする
* パスワード同期を実行する
* 種々の passdbバックエンドに関する知識
* Samba passdbバックエンド間の変換
* SambaとLDAPを統合する
* Winbindを設定する
* PAMおよびNSSの設定
<重要なファイル、用語、ユーティリティ>
* smb.conf
* smbpasswd、 tdbsam、 ldapsam
* passdb backend
* libnss_winbind
* libpam_winbind
* libpam_smbpass
* wbinfo
* getent
* SIDと外部のSID
* /etc/passwd
* /etc/group
■例題
Sambaのパスワードデータベースをセットアップします。
smb.conf の passwd backend に設定する内容として、誤っているものを選択してください。
1. passdb backend = tdbsam
2. passdb backend = ldapsam:ldap://127.0.0.1
3. passdb backend = passwd:/etc/passwd
4. passdb backend = smbpasswd
解答と解説
答えは「3. passdb backend = passwd:/etc/passwd」です。
下記の種類のデータベースを選択することができます。
* tdbsam
TDB(Trivial Database)からユーザ情報を参照します。
Samba 3.x から使用できるようになり、標準のパスワードデータベースとなっています。
TDBをメンテンスするために、専用ツール(tdbbackup, tdbrestore, tdbdump 等)を使用することができます。
* smbpasswd
テキスト形式のsmbpasswdファイルからユーザ情報を参照します。
Samba 2.x で使用されていたパスワードデータベースです。
tdbsamより格納できる情報が少ないため、今ではあまり使用されません。
後方互換性のために Samba 3.x/4.x でも使用できるようになっています。
* ldapsam
LDAPからユーザ情報を参照します。
LDAPを利用すると、他のSambaサーバやWindowsサーバ等とユーザ情報を一元管理することができます。
それぞれの選択肢について解説します。
1. passdb backend = tdbsam
正しいです。
パスワードデータベースにTDBを使用する設定です。
2. passdb backend = ldapsam:ldap://127.0.0.1
正しいです。
パスワードデータベースにLDAPを使用する設定です。
この設定の場合、127.0.0.1のLDAPサーバに接続します。
3. passdb backend = passwd:/etc/passwd
誤りです。
パスワードデータベースに passwd という指定はできません。
4. passdb backend = smbpasswd
正しいです。
パスワードデータベースに smbpasswd を使用する設定です。
Sambaのパスワードデータベースのセットアップ方法を理解しておきましょう。
■例題作成者