LinuCレベル2 202試験の例題と解説
2.11.1Sambaの設定と管理
LinuCレベル2 202試験の試験範囲から「2.11.1 Sambaの設定と管理」についての例題を解いてみます。
ここでは、sambaの設定ファイルに関するコマンドについて確認しておきましょう。
例題
sambaの設定ファイルの構文が正しいか確認することのできるコマンドを一つ選択してください。
- smbcontrol all check-config
- smbstatus
- testparm
- smbclient
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「3. testparm」です。
「testparm」コマンドは、sambaの設定ファイル内を解析し、構文が正しいか確認することができます。引数に設定ファイルを指定しない場合、デフォルトのsmb.confファイルがチェックされます。
それでは、選択肢を見ていきます。
1. smbcontrol all check-config
誤りです。
smbcontrolコマンドはsmbd、nmbd、またはwinbinddプロセスにメッセージを送信するコマンドです。
書式は以下の通りです。
smbcontrol [destination] [message-type] [parameters]
[destination]に指定したプロセスに対し、[message-type]に指定したメッセージの操作することができます。
[message-type]には、以下のようなものがあります。
close-share :
smbdに対し、指名した共有に接続しているクライアントの接続を閉じるように命令する
ping :
[parameter]で指定された数だけの"ping"メッセージを送信し、同じ数だけの"ping"メッセージの応答を待つ
shutdown :
指定されたデーモンを落とすことができる
reload-config :
デーモンに smb.conf 設定ファイルの再読み込みを 強制させる
なお、選択肢にあるcheck-configという[message-type]はありません。
2. smbstatus
誤りです。
smbstatusコマンドはSambaへの接続情報やロック状態を表示するコマンドです。接続がある状態でコマンドを発行すると以下のような出力がされます。
# smbstatus
Samba version 4.11.2
PID Username Group Machine Protocol Version Encryption Signing
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
8902 testuser testuser 192.168.20.126 (ipv4:192.168.20.126:57908) SMB3_11 - -
Service pid Machine Connected at Encryption Signing
---------------------------------------------------------------------------------------------
IPC$ 8902 192.168.20.126 火 8月 17 10時36分21秒 2021 JST - -
testuser 8902 192.168.20.126 火 8月 17 10時49分01秒 2021 JST - -
No locked files
3. testparm
正解です。
testparmコマンドは、sambaの設定ファイル内部を解析し、設定の正当性を検証するコマンドです。
実行すると以下のように、ファイルの構文が正しいかの判定と、サービスの定義を出力します。
$ testparm
Load smb config files from /etc/samba/smb.conf
Loaded services file OK.
Weak crypto is allowed
Server role: ROLE_STANDALONE
Press enter to see a dump of your service definitions
# Global parameters
[global]
printcap name = cups
security = USER
:
(以下略)
:
4. smbclient
誤りです。
smbclientコマンドは、SMB/CIFSリソースにアクセスし、ftpのようにファイル転送や、サーバー上のディレクトリおよびファイルを操作することのできるコマンドです。
例えば、Sambaサーバへの接続テストを行う際に、他サーバからではなく、まずは自身のSambaサーバのコマンドライン上で確認を行うことができます。
以下は、testuserを使って接続確認をした場合の例です。
# smbclient -U testuser //10.1.3.73/Share
Enter WORKGROUP\testuser's password:
Try "help" to get a list of possible commands.
smb: \> ls
. D 0 Tue Aug 17 10:42:58 2020
.. D 0 Tue Aug 17 10:27:15 2020
test.txt A 4 Tue Aug 17 10:43:00 2020
7321600 blocks of size 1024. 1141044 blocks available
Sambaサーバーの設定や確認には、様々なコマンドが用意されています。
実際に利用してみることで、どのような操作ができるのか確認しておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本 知里