LinuCレベル1 Version 4.0 101試験の例題と解説

104.2 ファイルシステムの整合性の保守

今回は、LinuC 101試験の試験範囲から「104.2 ファイルシステムの整合性の保守」についての例題を解いてみます。
日々の運用でもファイルシステム管理はとても重要です。しっかり確認しておきましょう。

■トピックの概要
このトピックの内容は以下の通りです。

<104.2 ファイルシステムの整合性の保守>
重要度 2

<説明>
標準的なファイルシステムだけでなく、ジャーナリングファイルシステムに関連付けられたデータも維持できる。

<主要な知識範囲>
・ファイルシステムの整合性を確認する
・空きスペースおよびinodeを監視する
・単純なファイルシステムの問題を修復する

<重要なファイル、用語、ユーティリティ>
・du
・df
・fsck
・e2fsck
・mke2fs
・debugfs
・dumpe2fs
・tune2fs
・XFS ツール(xfs_metadumpおよびxfs_infoなど)

■例題
カレントディレクトリ内のディスク使用量の合計のみを表示したい。正しいコマンドを選択してください。

1. du -S
2. df -i
3. du -s
4. fsck -a

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

答えは「3. du -s」です。

ファイルやディレクトリが占めている容量を表示するためにはduコマンドを使います。
引数を指定した場合、指定したファイルやディレクトリの容量を表示します。引数を指定しない場合はカレントディレクトリ内の容量を表示します。

duコマンドの主なオプションは以下の通りです。
-a  …  ディレクトリだけでなくファイルの容量も表示する
-l  …  リンクも含めて容量を表示する
-c  …  全ての容量の合計を表示する
-k  …  容量をKB単位で表示する
-m  …  容量をMB単位で表示する
-s  …  指定したファイルやディレクトリの合計のみを表示する
-S  …  サブディレクトリを含めずに容量を表示する

今回は、カレントディレクトリ内のディスク使用量の合計のみを表示したいので「3. du -s」が正解となります。

その他の選択肢の解説は以下の通りです。

[1. du -S]
上記にもあるように、duコマンドに-Sオプションをつけた場合はサブディレクトリを含めずに容量を表示します。

[2. df -i]
dfコマンドはファイルシステムの空き容量を確認することができるコマンドです。-iオプションをつけた場合はiノードの使用状況を確認することができます。

[4. fsck -a]
fsckコマンドはディスクのチェックと修復を行うコマンドです。-aオプションをつけた場合は自動的に修復を実行することができます。

システムを運用していると、何かしら障害が発生することがあります。原因の特定や復旧などにおいてファイルシステム管理について知っておくことはとても重要です。しっかりと理解しておきましょう。

■例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里

ページトップへ