LinuCレベル1 102試験の例題と解説
1.07.4クライアント側のDNS設定
LinuCレベル1 102試験の出題範囲から「1.07.4クライアント側のDNS設定」についての例題を解いてみます。ここでは、digコマンドのTCPを利用した問合せについて確認しておきましょう。
例題
digコマンドでTCPを利用してDNSサーバに問い合わせを行うコマンドを選択してください。
- dig www.example.com @ns.example.com +tcp
- dig www.example.com @ns.example.com +t
- dig www.example.com @ns.example.com --tcp
- dig www.example.com @ns.example.com -p tcp
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「1. dig www.example.com @ns.example.com +tcp」です。
digコマンドはDNSサーバに問い合わせを行い、ドメイン名からIPアドレスを確認したり、IPアドレスからドメイン名を確認することができるコマンドです。
新しくDNSサーバを用意した時に問題なく名前解決ができるか確認したり、障害発生時の切り分け等に利用することができます。
digコマンドの主なオプションは以下の通りです。
-x IPアドレス | : | 逆引きを行う |
-t クエリタイプ | : | クエリタイプを指定する |
-c クエリクラス | : | クエリクラスを指定する |
-p ポート番号 | : | 問い合わせに使用するポート番号(デフォルトは53) |
-4 | : | IPv4を利用する |
-6 | : | IPv6を利用する |
+debug、+nodebug | : | デバッグモードの有効/無効 |
+recurse、+norecurse | : | 再帰的な探索の有効/無効 |
+retry=回数 | : | リトライの回数(デフォルトは4回) |
+time=秒数 | : | タイムアウトまでの秒数(デフォルトは4秒) |
+defname、+nodefname | : | デフォルトドメインを使用するかどうか |
+search、+nosearch | : | ドメインサーチリストを使うかどうか |
+trace、+notrace | : | ルートDNSからの名前解決をトレースするかどうか |
+tcp、+vc | : | TCPを利用するかどうか |
+dnssec、+nodnssec | : | DNSSECを使用するかどうか |
コマンドの実行例は以下です。
$ dig www.example.com @ns.example.com +tcp
; <<>> DiG 9.9.4-RedHat-9.9.4-61.el7 <<>> www.example.com @ns.example.com +tcp
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 25555
;; flags: qr aa rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 1, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1
;; OPT PSEUDOSECTION:
; EDNS: version: 0, flags:; udp: 4096
;; QUESTION SECTION:
;www.example.com. IN A
;; ANSWER SECTION:
www.example.com. 3600 IN A 10.1.1.10
;; Query time: 0 msec
;; SERVER: ns.example.com#53(ns.example.com)
;; WHEN: 月 9月 13 13:33:47 JST 2021
;; MSG SIZE rcvd: 63
選択肢の解説は以下です。
「1. dig www.example.com @ns.example.com +tcp」
正しい回答のため正解です。
「2. dig www.example.com @ns.example.com +t」
+tオプションは存在しないため、不正解です。
「3. dig www.example.com @ns.example.com --tcp」
--tcpオプションは存在しないため、不正解です。
「4. dig www.example.com @ns.example.com -p tcp」
-pは問い合わせ先DNSサーバのポートを指定するオプションのため、不正解です。
なお、+notcpを指定すると、TCPを使わずに問い合わせを行います。
digコマンドはDNSサーバの動作を確認する上でとても便利なコマンドです。
オプションを覚えておくようにしましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 勝山 遼