LinuCレベル1 101試験の例題と解説
1.01.1Linuxのインストール、起動、接続、切断と停止
LinuCレベル1 101試験の出題範囲から、「1.01.1 Linuxのインストール、起動、接続、切断と停止」についての例題を解いてみます。
システムの停止方法について確認しておきましょう。
例題
Linuxシステムを停止することのできるのコマンドをすべて選択してください。
- shutdown -H now
- logout
- exit
- halt
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「1. shutdown -H now」と「4. halt」です。
shutdownコマンドとhaltコマンドは、システムを停止させるコマンドです。両コマンドともsystemstlのシンボリックリンクとなっており、プログラムとしては同じものを実行しています。
# ls -l `which halt`
lrwxrwxrwx. 1 root root 16 Oct 6 00:08 /usr/sbin/halt -> ../bin/systemctl
# ls -l `which shutdown`
lrwxrwxrwx. 1 root root 16 Oct 6 00:08 /usr/sbin/shutdown -> ../bin/systemctl
shutdownコマンドとhaltコマンドの違いは、指定できるオプションが異なるのと、デフォルトの動作が異なる、という点です。
shutdownコマンドは、デフォルトではシステムを停止後、システムの電源を切りますが、指定する引数オプションによって、システムの停止のみやシステムの再起動、指定した時間の経過後にシステムを終了させることができます。
shutdown コマンドの構文は以下の通りです。
shutdown [オプション] [時間] [通知メッセージ]
shutdown コマンドの主なオプションは以下の通りです。
-H | , --halt | : | システムを停止します |
-P | , --poweroff | : | システムの電源を切ります(デフォルト) |
-r | , --reboot | : | システムを再起動します |
-h | : | システムの電源を切ります(--poweroffと同様) |
haltコマンドは、shutdownコマンドとは異なり、停止するまでの時間は指定できません。そのため、コマンド実行後、すぐにシステムを停止します。
デフォルトでは、システムを停止するのみで、電源はついたままとなりますが、オプションを指定することで、システムの電源を落とすことも可能です。
halt コマンドの構文は以下の通りです。
halt [オプション]
halt コマンドの主なオプションは以下の通りです。
-p | , --poweroff | : | システムの電源を切ります |
-f | , --force | : | 強制的にシステムを停止します |
-w | , --wtmp-only | : | システムを停止せずwtmpレコードにのみ記録します |
-n | , --no-sync | : | ハードディスク/ストレージメディアを同期せず停止します |
選択肢の解説は以下です。
1. shutdown -H now
正解です。
-Hオプションを指定することで、システムを停止します。
引数にnowが指定されているため、「今すぐに」システムを停止する、という動きになります。
よって正解となります。
2. logout
誤りです。
logoutコマンドは、システムからログアウトするためのコマンドです。システムを停止することはできないため、不正解となります。
3. exit
誤りです。
exit コマンドは、logoutコマンド同様システムからログアウトするためのコマンドです。システムを停止することはできないため、不正解となります。
4. halt
正解です。
オプションなしで実行した場合、システムの停止を行います。よって正解となります。
システム構築後の確認では、想定したプロセスが起動してくるか確認を行うために、システムを一度終了したり再起動をしたりします。今回紹介したコマンドは、オプションと合わせて利用できるようにしておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里