LinuCレベル3 304試験の例題と解説
330.3KVM
LinuC 304試験の試験範囲から「330.3 KVM」についての例題を解いてみます。
このテーマは重要度9と非常に高く、試験全体から見ても大きなウェイトを占めているので、
KVMの基礎知識から設定・トラブルシュートまでしっかり把握しておきましょう。
■トピックの概要
このトピックの内容は以下の通りです。
<330.3 KVM>
重要度 9
<説明>
KVMのインストール、設定、保守、移行およびトラブルシューティング。
<主要な知識範囲>
・ KVM のアーキテクチャ、ネットワーキングおよびストレージ
・ KVM の設定
・ KVM のユーティリティ
・ KVM インストールのトラブルシューティング
<重要なファイル、用語、ユーティリティ>
・ カーネルモジュール: kvm, kvm-intel および kvm-amd
・ /etc/kvm/
・ /dev/kvm
・ kvm
・ KVM monitor
・ qemu
・ qemu-img
■例題
KVMに関する説明として、誤っているものを1つ選択せよ。
1.Kernel-based Virtual Machineの略である。
2.2006年にQumranet社により開発が開始され、その後Linuxカーネルに組み込まれた。
3.KVMの利用には、CPU仮想化支援機能(Intel VT/AMD-V)が必要である。
4.ゲストOSの管理のため、ドメイン0と呼ばれる管理用OSが必要である。
*この例題は実際の試験問題とは異なります
解答と解説
答えは「4.ゲストOSの管理のため、ドメイン0と呼ばれる管理用OSが必要である。」です。
これはKVMではなくXenに関する説明であり、KVMではゲストOSの管理に管理用OSは不要です。
KVMはKernel-based Virtual Machineの略で、Linuxカーネルに組み込まれたハイパーバイザー型の仮想化テクノロジーです。利用には、CPU仮想化支援機能(Intel VTやAMD-V)が必要となります。また、仮想マシンの動作のためにQEMUと呼ばれるエミュレターが必要となります。
KVMの学習に当たっては、同じハイパーバイザー型のXenと比較しながら概要を理解し、KVMを使ってみる・各コマンドを実行してみる・設定を確認するというように進めていくと、理解が深まり効率的に学ぶことが出来ます。
■例題解説提供者
鯨井 貴博 氏(LinuCエヴァンジェリスト/登録インストラクター、LPI-Japanアカデミック認定校 Zeus IT Camp)