LinuCレベル1 Version 4.0 101試験の例題と解説

102.5 RPMおよびYUMパッケージ管理の使用

今回は、101試験の試験範囲から、「102.5 RPMおよびYUMパッケージ管理の使用」についての例題を解いてみます。
パッケージ管理コマンドについて確認しておきましょう。

■トピックの概要
このトピックの内容は以下の通りです。

<102.5 RPMおよびYUMパッケージ管理の使用>
重要度 3

<説明>
RPMおよびYUMのツールを使用してパッケージ管理できる。

<主要な知識範囲>
RPMおよびYUMを使用してパッケージのインストール、再インストール、アップグレード、削除を行う
RPMパッケージのバージョン、状態、依存関係、整合性と署名などの情報を取得する
パッケージがどのファイルを提供するか、また、特定のファイルがどのパッケージから提供されるかを判断する

<重要なファイル、用語、ユーティリティ>
rpm
rpm2cpio
/etc/yum.conf
/etc/yum.repos.d/
yum
yumdownloader

■例題
mylpic-1-1.noarch.rpm というRPMパッケージファイルに含まれるすべてのファイルの一覧を照会できるコマンドは次のうちどれですか?

1. rpm -ql mylpic-1-1.noarch.rpm
2. rpm -qf mylpic-1-1.noarch.rpm
3. rpm -qa mylpic-1-1.noarch.rpm
4. rpm -ql -p mylpic-1-1.noarch.rpm

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

答えは「4. rpm -ql -p mylpic-1-1.noarch.rpm」です。

rpmコマンドの照会モードの一般的な形式は、
「$ rpm {-q|--query} [照会モードのオプション]」
です。

[照会モードのオプション]で利用できる主なオプションは以下の通りです。

-a (--all) … インストールされているすべてのパッケージを検索します。
-f [ファイル名] (--file [ファイル名]) … [ファイル名]のファイルを所有するパッケージを検索します。
-p [パッケージファイル名] (--package [パッケージファイル名]) … [パッケージファイル名]の
RPMパッケージファイルを検索します。※指定するパッケージファイルがシステムにインストールされているかどうか
は関係しません。
-i (--info) … パッケージの名前、バージョン、説明を含めたパッケージ情報を表示します。
-l (--list) … パッケージに含まれるファイルを表示します。
オプション「-c」、「-d」を併用しない限り、表示されるファイルはパッケージに含まれるすべてのファイルです。
-c (--configfiles) … パッケージに含まれる設定ファイルのみを表示します。
-d (--docfiles) … パッケージに含まれる文書ファイルのみを表示します。
-R [パッケージ名] (--requires [パッケージ名]) … 指定したパッケージが依存するパッケージを表示します。
--changelog … 変更履歴を表示します。

rpmパッケージファイルから、パッケージの情報を検索するためには、
パッケージ選択オプションとして、「-p PACKAGE_FILE」または、
「--package PACKAGE_FILE」を指定します。
そのパッケージファイルに含まれるファイルの一覧を検索するためには、
さらにパッケージ検索オプションとして、「-l」または「--list」を指定します。

その他の選択肢の解説は以下です。

[1. rpm -ql mylpic-1-1.noarch.rpm]
「rpm -ql」 の後の引数に指定できる文字列は、「mylpic」、「mylpic-1-1」「mylpic-1-1.noarch」といった形式のパッケージ名であり、パッケージファイル名「mylpic-1-1.noarch.rpm」は指定できません。
このコマンドを実行すると、たとえ「mylpic-1-1.noarch」がインストールされている状態であっても、「mylpic-1-1.noarch.rpm」という名称ではインストールされていないため、エラーになります。
したがって、1.は誤りです。

[2. rpm -qf mylpic-1-1.noarch.rpm]
このコマンドを実行すると、「mylpic.rpm」という名称のファイルを内容物として含むパッケージを表示します。
したがって、2.は誤りです。

[3. rpm -qa mylpic-1-1.noarch.rpm]
rpm -qa の後に文字列を指定すると、「-a」オプションは効かず、「rpm -q 《文字列》」として実行した場合の動作となります。
また、《文字列》には、RPMパッケージ名が指定でき、RPMファイル名は指定できません。
そのため、このコマンドを実行すると、たとえ「mylpic-1-1.noarch」がインストールされている状態であっても、「mylpic-1-1.noarch.rpm」という名称ではインストールされていないため、検索結果には何も表示されません。
したがって、3.は誤りです。

「-p」オプションは、rpmコマンドでRPMパッケージファイルを指定してインストールする際、
実際にインストールを行う前に、そのパッケージに関する情報を確認したい場合などに利用できます。
RPMパッケージから欲しい情報を検索する方法について学習しておきましょう。

■例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 後藤慎司

ページトップへ