LinuCレベル3 300試験の例題と解説

393.2Linuxファイルシステムと共有/サービスのパーミッション

LinuCレベル3 300試験の出題範囲から「393.2 Linuxファイルシステムと共有/サービスのパーミッション」についての例題を解いてみます。
今回は Sambaによって作成されたファイルのパーミッションについて確認していきましょう。

Linucレベル3 300試験 出題範囲


例題

smb.confに以下の設定を行い、sambaを経由してshareディレクトリ配下にファイルの作成を行った。

[share]
        path = /share
        public = yes
        writable =yes
        create mask = 0760
        force create mode = 0644

この時、Sambaによって作成されたファイルのパーミッションとして正しいものを一つ選択してください。

  1. -rwxrw----
  2. -rw-r--r--
  3. -rwxr-xr-x
  4. -rwxrw-r--

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「4. -rwxrw-r--」です。

例題のsmb.confの設定から解説します。

[share]
        path = /share
        public = yes
        writable =yes
        create mask = 0760
        force create mode = 0644

各設定の意味は以下の通りです。

path = /share共有するディレクトリとして、/shareディレクトリを設定しています。
public = yesユーザ問わずフォルダを公開します。
writable =yes共有フォルダへの書き込みアクセスを許可しています。
create mask = 0760ファイル作成時に付与するアクセス権を指定しています。
force create mode = 0644ファイル作成時に必ず付与されるアクセス権を指定しています。

今回の例題を解くためにポイントとなるのは、アクセス権に関連する「create mask」と「force create mode」の2つのパラメータです。

「create mask」と「force create mode」はどちらもファイルのアクセス権を制御するパラメータで、2つのパラメータの値はOR演算が行われます。
今回例題では、「create mask = 0760」「force create mode = 0644」が設定されているため、ファイル作成時に設定されるアクセス権は、「0760」OR「0644」の演算が行われ、「0764」のアクセス権が適用されます。

実際にSambaからファイル(test01.txt)を作成すると以下のようになります。

-rwxrw-r--. 1 winshare winshare     0 Dec  9 14:17  test01.txt

よって正解は「4. -rwxrw-r--」となります。

なお、「create mask」のデフォルト値は0744が設定されています。
そのため、例題のsamba.confから「create mask」を削除した場合、「0744」OR「0644」の演算が行われ、「0744」のアクセス権が適用されます。

[share]
        path = /share
        public = yes
        writable =yes
        force create mode = 0644

実際にSambaからファイル(test02.txt)を作成すると以下のようになります。

-rwxr--r--. 1 winshare winshare     0 Dec  9 15:13  test02.txt

一方、「force create mode」のデフォルト値は000が設定されています。
そのため、例題のsamba.confから「force create mode」を削除した場合、「create mask」のパーミッションがそのまま適用されます。

[share]
        path = /share
        public = yes
        writable =yes
        create mask = 0760

実際にSambaからファイル(test03.txt)を作成すると以下のようになります。

-rwxrw----. 1 winshare winshare     0 Dec  9 15:19  test03.txt

「create mask」も「force create mode」もどちらも設定されていない場合は、「create mask」のデフォルト値である0744が適用されます。

[share]
        path = /share
        public = yes
        writable =yes

実際にSambaからファイル(test04.txt)を作成すると以下のようになります。

-rwxr--r--. 1 winshare winshare     0 Dec  9 15:20  test04.txt

smb.confには、ファイルのアクセス権同様にディレクトリに対するアクセス権を設定するパラメータなどもあります。それぞれのパラメータがどのような意味をもつのか、また、今回のようにパラメータを併用した際にどのようなアクセス権が適用されるのか理解し、設定できるようにしておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 橋本 知里

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