LinuCレベル3 300試験の例題と解説
392.1Sambaの概念とアーキテクチャ
LinuCレベル3300試験の出題範囲から「392.1 Sambaの概念とアーキテクチャ」についての例題を解いてみます。
今回は Samba3とSamba4の違いについて確認していきましょう。
例題
Sambaの説明で正しいものをすべて選択してください。
- Samba4はsmbd、nmbd、winbinddの3つのプロセスから構成されている。
- Samba3はActive Directoryの代替として機能することができる。
- Samba3はsmbd、nmbd、winbindの3つのプロセスから構成されている。
- Samba4はActive Directoryの代替として機能することができる。
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「3. Samba3はsmbd、nmbd、winbinddの3つのプロセスから構成されている。」と「4. Samba4はActive Directoryの代替として機能することができる。」です。
Sambaのバージョン3と4では、構成するプロセスや機能が異なります。
Samba3は、例題にある通りsmbd、nmbd、winbinddの3つのプロセスから構成されています。これらのプロセスにより、Samba3では以下のような機能が提供されます。
- ファイル共有
- 印刷サービス
- 名前解決
- NTドメイン上のユーザー管理
ファイル共有と印刷サービスは、smbdによってWindowsクライアントに提供されます。名前解決は、NetBIOSネームサービスの要求に応答する、nmbdによって提供されます。nmbdの名前解決は、Sambaサーバーを検索するためにNetBIOS名からIPアドレスを取得するときなどに使用されます。そして、NTドメイン上のユーザー管理は、winbinddによって提供されます。Samba3では、winbinddによってWindows NTドメイン上のユーザーとグループ情報を解決し、Linuxマシン上のLinuxユーザーとして動作させることができます。
一方、Samba4はsmbd、nmbd、winbindの3つのプロセスにsambaプロセスを加えた4つのプロセスから構成されています。Samba4で追加されたsambaプロセスによって、DNSサーバーとLDAPサーバーの機能を包括し、Active Directory(以下AD)の代替として機能できるようなりました。
そのため、Samba4では以下の機能が提供されます。
- ファイル共有
- 印刷サービス
- 名前解決
- AD互換のドメインコントローラー
さらにSamba4では、ADドメイン内におけるコンピューターの使用環境を制限することのできる「グループポリシー」という機能や、Windowsに備わっているGUIのリモートサーバー管理ツール(RSAT)が利用できるようになりました。
それでは選択肢を見ていきます。
1.Samba4はsmbd、nmbd、winbinddの3つのプロセスから構成されている。
不正解です。
Samba4はsmbd、nmbd、winbindとsambaプロセスの4つのプロセスから構成されています。
2.Samba3はActive Directoryの代替として機能することができる。
不正解です。
Active Directoryの代替として機能することができるのは、Samba4からです。
Samba3では、ADの代替として機能はできません。
3.Samba3はsmbd、nmbd、winbindの3つのプロセスから構成されている。
正解です。
4.Samba4はActive Directoryの代替として機能することができる。
正解です。
現在、Sambaのメジャーバージョンは4ですが、Samba3の機能を引き継いでいる部分も多くあります。
Samba3とSamba4の違いも理解し、利用できるようにしましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本 知里