LinuCレベル1 102試験の例題と解説
1.07.4クライアント側のDNS設定
LinuCレベル1 102試験の出題範囲から「1.07.4 クライアント側のDNS設定」についての例題を解いてみます。
ここでは、リゾルバの設定について確認しておきましょう。
例題
以下に、不適切なresolv.confがある。選択肢より、正しい修正点を選択してください。
[resolv.conf]
nameserver 8.8.8.8
nameserver 1.1.1.1
search designet.co.jp
search example.com
- 設定項目nameserverは、複数行に記載することができない
- 設定項目domainを記載する必要がある
- 設定項目searchは、一行に記載する必要がある
- 設定項目nameserverは、設定項目domain,searchより下部に記載しなくてはいけない
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「3.設定項目searchは、一行に記載する必要がある」です。
「/etc/resolv.conf」ファイルは、リゾルバの設定を行うファイルです。
リゾルバとは、DNSサービスのクライアントです。DNSサーバへドメイン名を照会し、対応するIPアドレスを調べます。
また、その逆にIPアドレスからドメイン名を調べたりするソフトウェアです。
resolv.confの主な設定項目は以下の通りです。
設定項目 | 概要 | |
nameserver | DNSサーバのIPアドレスを指定します。例題のように複数指定も可能です。「nameserver 8.8.8.8 1.1.1.1」のように一行に指定することはできません。 | |
domain | 名前解決時にホスト名に付加するドメイン名を一つだけ指定できます。複数ドメインの設定やsearchと併用することはできません。 | |
search | 例えば、searchにexample.comが指定されている場合、hostを解決すると「host」,「host.example.com」の順に名前解決が行われます。domainと併用することはできません。また、複数行に分けて設定を行うことはできません。 |
今回の例題であれば、以下の書式に修正する必要があります。
[resolv.conf]
nameserver 8.8.8.8
nameserver 1.1.1.1
search designet.co.jp example.com
選択肢の解説は以下です。
1.設定項目nameserverは、複数行に記載することができない
不正解です。
設定項目nameserverは、一行に指定することはできません。複数設定を行う場合は、必ず複数行に分けて記載しましょう。
2.設定項目domainを記載する必要がある
不正解です。
設定項目domainは、必須項目ではありません。設定項目domainを利用する際は、searchと併用できないことを注意しましょう。
3.設定項目searchは、一行に記載する必要がある
正解です。
設定項目searchは、複数行に記載することはできません。複数設定を行う場合は、必ず一行にまとめて記載しましょう。
4.設定項目nameserverは、設定項目domain,searchより下部に記載しなくてはいけない
不正解です。
設定項目に対して、順番の制約はありません。
resolv.confを謝って設定すると名前解決が行えなくなります。
設定項目の理由だけではなく、書式についても確認しておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 上野 貴博