LinuCレベル2 202試験の例題と解説
2.11.2NFSサーバーの設定と管理
LinuCレベル2 202試験の出題範囲から「2.11.2 NFSサーバーの設定と管理」についての例題を解いてみます。
ここでは、/etc/exportsで利用するオプションについて確認しておきましょう。
例題
NFSサーバでエクスポートするディレクトリを、以下の条件で設定しようとしています。
- NFSクライアントのrootユーザの権限が、NFSサーバの一般ユーザーにマッピングされる
- NFSマウントした領域のファイルを更新すると、非同期でNFSサーバに反映される
- 読み取り専用でエクスポートする
/etc/exportsで指定する適切なオプションをすべて選択してください。
- no_root_squash
- root_squash
- sync
- async
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「2.root_squash」と「4.async」です。
/etc/exportsは、どのマシンに、どのディレクトリを、どのような権限でアクセス許可するかを設定するファイルです。
書式は以下の通りです。
エクスポートするディレクトリ アクセスを許可するクライアント (権限)
実際には以下のようになります。
以下は、「/var/dataディレクトリを10.1.3.0/24のネットワークに読み取りを許可する」という設定になります。
/var/data 10.1.3.0/255.255.255.0 (ro)
また、使用できる権限オプションは以下のようなものがあります。
オプション | 概要 | |
ro | : | 読み取りを許可する(デフォルト) |
rw | : | 読み書きを許可する |
root_squash | : | rootユーザーが領域にアクセスすると、anonymousにマッピングされる(デフォルト) |
no_root_squash | : | エクスポートされたディレクトリに対して、root権限のままアクセス可能にする |
sync | : | 同期型で共有を行う(デフォルト) |
async | : | 非同期型で共有を行う |
それでは選択肢を見ていきます。
1.no_root_squash
不正解です。
「no_root_squash」オプションは、エクスポートされたディレクトリに対して、root権限のままアクセス可能にします。
2.root_squash
正解です。
「root_squash」オプションは、rootユーザーでアクセスしたとき、一般ユーザーの権限にマッピングされてアクセスを行います。
また、「root_squash」オプションはデフォルトで適用されるので、明示的に指定しなくても問題ありません。
3.sync
不正解です。
「sync」オプションは、NFSプロトコル標準の同期型で共有を行います。
4.async
正解です。
「async」オプションは、非同期型で共有を行います。
一般的に、非同期型に設定を行うと同期型に比べて書き込み性能が向上します。要件に合わせて、正しく使い分けを行いましょう。
「読み取り専用でエクスポートする」に関しては、「ro」オプションを利用します。「ro」オプションもデフォルトで適応されるので、今回の選択肢にはありません。
正しいオプションを確認して、NFSサーバでエクスポート出来るようにしておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 上野 貴博