LinuCレベル2 202試験の例題と解説

2.08.2ゾーン情報の管理

LinuCレベル2 202試験の出題範囲から「2.08.2ゾーン情報の管理」についての例題を解いてみます。このテーマは、DNSサーバ(BIND)のゾーンファイルの記載方法や管理に関する内容が含まれます。

学習には、実際にゾーンファイルを作成(BINDを構築)して理解を深めるのがおすすめです。

Linucレベル2 202試験 出題範囲


例題

以下の正引きゾーンファイルについて、正しいものを選択せよ。

$ORIGIN opensourcetech.test.
$TTL    604800
@       IN      SOA     dns.opensourcetech.test. root.opensourcetech.test. (
                         2022051501     ; Serial 
                         604800         ; Refresh
                          86400         ; Retry
                        2419200         ; Expire
                         604800 )       ; Negative Cache TTL
;
       IN      NS      dns.opensourcetech.test.
       IN      MX 10   mail.opensourcetech.test.
dns    IN      A       192.168.1.247
www    IN      A       192.168.1.247
mail   IN      A       192.168.1.247
ftp    IN      A       192.168.1.247
smb    IN      A       192.168.1.247

  1. Aレコードに同じIPv4アドレスが割り当てているのは誤りである
  2. "dns.opensourcetech.test."の最後の"."は省略可能である
  3. MXレコードにある"10"は、メールサーバの優先度を表す
  4. "root.opensourcetech.test."はDNSサーバの別名を表す

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「3.MXレコードにある"10"は、メールサーバの優先度を表す」です。

BINDのゾーンファイルは、パラメータや記載方法・レコードの種類など覚えることが多く、
慣れないと記載ミスをしやすいので注意が必要です。

  • NSレコードやMXレコードの左側にある空白は、オリジン(ドメイン名)が補完される
  • "dns.opensourcetech.test."の最後にある"."がない場合、ドメイン名が補完される
    ※Aレコードの"dns"、"www"、"mail"、"ftp"、"smb"は、補完されて"www.opensourcetech.test"となる
  • MXレコードには、優先度の記載が必要である
  • SOAレコード内の"root.opensourcetech.test."は、DNSサーバの管理者が"root@opensourcetech.test"であることを示している

また、レコードの種類やSOAレコード内のslaveサーバにゾーン情報を転送するタイマーなど知っておく必要があります。

なお、DNS(BIND)のゾーンファイルについては、以下で詳細を確認できます。

https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_enterprise_linux/6/html/deployment_guide/s2-bind-zone


例題作成者

鯨井 貴博 (LinuCエヴァンジェリスト/登録インストラクター、LPI-Japanアカデミック認定校 Zeus IT Camp)

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