LinuCレベル2 201試験の例題と解説

2.02.3論理ボリュームマネージャの設定と管理

LinuCレベル2 201試験の出題範囲から「2.02.3 論理ボリュームマネージャの設定と管理」についての例題を解いてみます。
ここでは、論理ボリューム、ボリュームグループ、物理ボリュームそれぞれの作成コマンドについて確認しておきましょう。

Linucレベル2 201試験 出題範囲


例題

コマンドとその説明の組み合わせで正しいものを一つ選択してください。

  1. pvcreate…ボリュームグループを作成するコマンド
  2. lvcreate…論理ボリュームを作成するコマンド
  3. vgcreate…物理ボリュームを作成するコマンド
  4. lvcreate…ボリュームグループを作成するコマンド

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「2. lvcreate…論理ボリュームを作成するコマンド」です。

lvcreateは、LVMで論理ボリュームを作成する際に使用するコマンドです。

LVM(Logical Volume Manager)とは、複数の異なるパーティションや物理ストレージを論理的に束ね、論理ボリュームという仮想的な領域を作成する技術です。

LVMには3つの構成要素があります。

1.PV(Physical Volume)LVM用に構成された、物理的なボリューム
2.VG(Volume Group)1つ以上のPVを束ねて構成される、ボリュームグループ
3.LV(Logical Volume)VGから実際に利用する領域を切り出した論理的ボリューム

これらの構成要素を作成するコマンドが、今回の例題の選択肢にあるコマンドです。
それぞれのコマンドについて見ていきます。

pvcreate
pvcreateコマンドは、LVMで使用するために物理ボリュームを作成するコマンドです。

基本的な書式は以下の通りです。

pvcreate デバイス名またはパーティション名

下記の例では、/dev/sda1と/dev/sda2に、物理ボリュームを作成しています。

# pvcreate /dev/sda1 /dev/sda2

vgcreate
vgcreateコマンドは、ボリュームグループを作成するコマンドです。
pvcreateコマンドで物理ボリュームを作成後、物理ボリュームを束ねるために、ボリュームグループを作成します。ボリュームグループを作成することで、物理ボリュームをまとめて1つの大きな記憶領域として扱うことができるようになります。

基本的な書式は以下の通りです。

vgcreate ボリュームグループ名 デバイス名またはパーティション名

下記の例では、/dev/sda1と/dev/sda2が含まれる「test_vg」といボリュームグループを作成しています。

# vgcreate test_vg /dev/sda1 /dev/sda2

lvcreate
lvcreateコマンドは、論理ボリュームを作成するコマンドです。
ボリュームグループから、実際に利用する領域を論理ボリュームとして切り出します。

基本的な書式は以下の通りです。

lvcreate -L サイズ ボリュームグループ名

下記の例では、ボリュームグループ「test_vg」に、10GBの論理ボリュームを作成しています。

# lvcreate -L 10G test_vg

以上が、LVMの3つの構成要素を作成するコマンドになります。

それでは選択肢を見ていきます。

1.pvcreate…ボリュームグループを作成するコマンド
不正解です。

pvcreateコマンドは、物理ボリュームを作成するコマンドです。

2.lvcreate…論理ボリュームを作成するコマンド
正解です。

3.vgcreate…物理ボリュームを作成するコマンド
不正解です。

vgcreateコマンドは、ボリュームグループを作成するコマンドです。

4.lvcreate…ボリュームグループを作成するコマンド
不正解です。

lvcreateコマンドは、論理ボリュームを作成するコマンドです。

論理ボリュームを作成することで、物理的に異なるストレージ領域を1つの領域として扱うことができるようになります。これにより、大容量のファイルシステムを構築することも可能です。利用できるようにしておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 橋本 知里

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