LinuCレベル1 101試験の例題と解説

1.02.1ファイルの所有者とパーミッション

LinuCレベル1 101試験の出題範囲から、「1.02.1 ファイルの所有者とパーミッション」についての例題を解いてみます。
ファイルに適用されるパーミッションについて学んでおきましょう。

Linucレベル1 101試験 出題範囲


例題

「umask 026」を設定し、新しくファイルを作成した際に適用される権限の説明として、正しいものを選択してください。

  1. ファイルの所有者(Owner)に読み込み権と書き込み権と実行権が与えられる
  2. ファイルの所有グループ(Group)に読み込み権だけが与えられる
  3. ファイルのその他(Other)のユーザに読み込み権と書き込み権が与えられる
  4. ファイルの所有グループ(Group)に書き込み権だけが与えられる

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「2. ファイルの所有グループ(Group)に読み込み権だけが与えられる」です。

Linuxの権限の基本は、読み込み権(Readable)・書き込み権(Writable)・実行権(eXecutable)3つです。

この3つの権限を、ファイルやディレクトリの所有者(Owner)・所有グループ(Group)・その他(Other)のそれぞれのユーザに対して、どこまで許可をするかを決めることができます。

ls -lでファイルやディレクトリを表示させると、そのファイルやディレクトリのパーミッションが確認できます。

-rwxr-----. 1 linuc lpi 152  11月 10 14:56 test.txt

最初の1文字はディレクトリかファイルかの表現です。

2文字目から3文字区切りで、それぞれ所有者(Owner)・所有グループ(Group)・その他(Other)の権限を表します。
この場合、それぞれに適用される権限は以下のようになります。

オーナーグループその他
rwxr-----

権限は「rwx」の表記の他に、8進数でも表現ができます。

権限アルファベット表記8進数表記
読み込み権r4
書き込み権w2
実行権x1

この必要な権限の数字を足した数値が、パーミッションとなります。

umaskコマンドは、新規にファイルやディレクトリを作成したときに設定される、デフォルトのアクセス権を設定するコマンドです。
ファイルは「666」から、ディレクトリは「777」からumask値を引いた値で、ファイルやディレクトリが作成されます。

例題では、「umask 026」を設定し、ファイルを新規に作成した場合の権限について問われています。ファイルは「666」から「026」を引いた値の「640」の権限でファイルが作成できます。
「640の権限のファイル」は「-rw-r-----」となります。

それでは、選択肢を見ていきます。

1.ファイルの所有者(Owner)に読み取り権と書き込み権と実行権が与えられる
不正解です。

「666」からumaskで設定された「026」を引いた値の「640」の権限でファイルが作成されます。つまり、ファイルの所有者(Owner)に与えられる権限は、読み込み権と書き込み権になります。

実行権は与えられないため不正解となります。

2.ファイルの所有グループ(Group)に読み込み権だけが与えられる
正解です。

「666」からumaskで設定された「026」を引いた値の「640」の権限でファイルが作成されます。ファイルの所有グループ(Group)では、読み込み権だけが与えられているため、正解となります。

3.ファイルのその他(Other)のユーザに読み取り権と書き込み権が与えられる
不正解です。

「666」からumaskで設定された「026」を引いた値の「640」の権限でファイルが作成されます。ファイルのその他(Other)のユーザには、権限が与えられません。
よって不正解となります。

4.ファイルの所有グループ(Group)に書き込み権だけが与えられる
不正解です。

「666」からumaskで設定された「026」を引いた値の「640」の権限でファイルが作成されます。ファイルの所有グループ(Group)には、読み込み権だけが与えられているため、不正解となります。

パーミッションの設定を正しく行うことで、利用すべきユーザに必要な権限だけを設定できるようにしておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里

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