LinuCレベル2 201試験の例題と解説

2.03.3ネットワークの問題解決

LinuCレベル2 201試験の出題範囲から「2.03.3 ネットワークの問題解決」についての例題を解いてみます。ネットワークの通信経路の確認について取り上げています。

Linucレベル2 201試験 出題範囲


例題

パケットが対象ホストへの通信時に経由するIPアドレスを表示できるコマンドを選択してください。

  1. ip
  2. route
  3. nmcli
  4. traceroute

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「4. traceroute」です。

tracerouteは、パケットがネットワーク上の対象ホストに到達するまでに経由した経路を表示するコマンドです。
実行すると以下のように表示されます。

$ traceroute example.org
traceroute to example.org (10.0.4.6), 30 hops max, 60 byte packets
 1  * * *
 2  192.168.2.54 (192.168.2.54)  0.347 ms  0.343 ms  0.339 ms
 3  gate.example.com (172.16.35.230)  1.484 ms  0.866 ms  1.015 ms
 4  172.30.252.254 (172.30.252.254)  3.310 ms  3.792 ms  3.280 ms
 5  172.30.252.105 (172.30.252.105)  5.312 ms  3.762 ms  4.177 ms
 6  test02.example.com (172.30.252.45)  3.831 ms  5.045 ms  4.206 ms
 7  test04.example.com (172.13.250.61)  4.876 ms  4.347 ms  7.674 ms
 8  172.16.120.1 (172.16.120.1)  8.306 ms 172.10.241.57 (172.10.241.57)  8.602 ms 172.16.120.1 (172.16.120.1)  8.718 ms
 9  test223.example.com (172.16.32.134)  7.850 ms  8.201 ms  5.991 ms
10  192.168.67.42 (192.168.67.42)  6.879 ms  7.068 ms  6.921 ms
11  test41.example.co.jp (192.168.153.30)  7.264 ms  7.672 ms test41.example.co.jp (192.168.153.22)  7.189 ms
12  test311.example.co.jp (192.168.147.70)  7.662 ms test311.example.co.jp (192.168.148.70)  8.301 ms  6.430 ms
13  192.168.94.219.static.www.example.co.jp (192.168.236.161)  6.545 ms  7.108 ms  7.605 ms

1行目に表示されている「to example.org (10.0.4.6)」が宛先のIPアドレスです。

2行名以降の左側に表示されている「1~13」の数字は、経路数です。最大30経路までの順序番号が表示されます。この例の場合、PCからexample.org (10.0.4.6)に到達するまで、13の経路を経由していることが分かります。
経路の順序番号の右側に記載されているのが、経由した機器の情報です。

それぞれ、ゲートウェイ名(ゲートウェイのIPアドレス)、ゲートウェイの往復到達時間(3回分)が示されています。なお、経路1のように*(アスタリスク)が表示されているものは、そのホップの応答がなかったことを示しています。

例題の選択肢について確認してみましょう。

1.ip
不正解です。

ipコマンドは、ネットワークデバイスやルーティングなどの表示と変更を行うコマンドです。

パケットが対象ホストへの通信時に経由するIPアドレスは表示できないため不正解です。

2.route
不正解です。

routeコマンドは、IPルーティングテーブルを表示・設定するためのコマンドです。

パケットが対象ホストへの通信時に経由するIPアドレスは表示できないため不正解です。

3.nmcli
不正解です。

nmcliコマンドは、NetworkManagerに含まれるネットワークの設定を行うことのできるコマンドです。

パケットが対象ホストへの通信時に経由するIPアドレスは表示できないため不正解です。

4.traceroute
正解です。

tracerouteコマンドは、ネットワークの通信経路に問題が発生した場合、問題個所を特定し解決するために有効なコマンドです。

実際に操作させて理解を深めておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里

ページトップへ