LinuCレベル1 102試験の例題と解説
1.11.2オープンソースのコミュニティとエコシステム
LinuCレベル1 102試験の出題範囲から「1.11.2 オープンソースのコミュニティとエコシステム」についての例題を解いてみます。
ここでは、オープンソースコミュニティについて確認しておきましょう。
例題
オープンソースコミュニティの説明について、正しいものを選択してください。
- 企業やコミュニティを維持管理する団体が開発主体のものは、オープンソースコミュニティではない
- オープンソースコミュニティはボランティアベースものしか存在しない
- オープンソースコミュニティには、基本的に誰でも自由に参加して活動することが可能である
- オープンソースコミュニティでの利用可能な機能や権限については、制限されることはない
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「3. オープンソースコミュニティには、基本的に誰でも自由に参加して活動することが可能である」です。
オープンソースコミュニティとは、オープンソースソフトウェアの開発・改善、情報交換などを目的に、さまざまな立場の有志や同好の志によって構成された組織の総称です。
オープンソースコミュニティには、大きく分けて二つの種類があります。
- 開発コミュニティ
特定あるいは複数のオープンソースソフトウェアを開発するためのコミュニティ - ユーザーコミュニティ
オープンソースソフトウェアの使い方など、ユーザー同士で情報交換するためのコミュニティ
オープンソースコミュニティの運営は、あるオープンソースソフトウェアの開発者を中心としたボランティアベースの場合もありますが、コミュニティを維持管理する団体や企業が開発主体のものもあります。
特に、大規模なオープンソースソフトウェアである場合、オープンソースソフトウェアを利用してサポートやサービスを提供することもあり、企業や非営利の法人が主体になって開発・運用していることがあります。
また、複数のオープンソースソフトウェアを抱えているようなコミュニティでも、企業や非営利の法人が主体となっていることがあります。
このように、オープンソースコミュニティの運営は、ボランティアベースのものから、企業や非営利法人が主体となっているものなど様々です。
しかし、オープンソースコミュニティへの参加は、運営元がどこであっても、基本的に誰でも自由に参加して活動することができるようになっています。コミュニティへの参加方法は各コミュニティによって異なりますが、コミュニティのサイトからメンバーとして新たに追加するだけですぐに活動を始められます。
ただし、コミュニティの貢献度によって利用可能な機能や権限について制限をしている場合があります。
それでは、選択肢を見ていきます。
1.企業やコミュニティを維持管理する団体が開発主体のものは、オープンソースコミュニティではない
2.オープンソースコミュニティはボランティアベースものしか存在しない
不正解です。
前述の通り、オープンソースコミュニティは、ボランティアベースだけでなく、企業や団体が開発主体として運営している場合もあります。よって不正解となります。
3.オープンソースコミュニティには、基本的に誰でも自由に参加して活動することが可能である
正解です。
4.オープンソースコミュニティでの利用可能な機能や権限については、制限されることはない
不正解です。
オープンソースコミュニティによっては、コミュニティへの貢献度によって、利用可能な機能や権限について制限をしている場合があります。よって不正解となります。
活動が活発なオープンソースコミュニティは、新しい技術などを駆使して開発が行われていたりと、参加するだけでも様々な発見があります。気になるコミュニティを見つけたらぜひ参加してみましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里