LinuCレベル2 201試験の例題と解説
2.03.2高度なネットワーク構成
LinuCレベル2 201試験の出題範囲から「2.03.2 高度なネットワーク構成 」についての例題を解いてみます。
このテーマは、ネットワークの状態を把握・設定するための内容が含まれます。実践でのサーバーではサービス提供用のNIC、管理用のNICなど複数のインターフェイスを使い分ける必要があるため、このテーマで学んだ内容を活かすことができるのでしっかりと理解しておきましょう。
例題
以下のうち、IPv6アドレスに対してping実施が可能なものを2つ選択せよ。
- ping -V 6 2001:4860:4860::8888
- ping6 2001:4860:4860::8888
- ping -4 2001:4860:4860::8888
- ping -6 2001:4860:4860::8888
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「2.ping6 2001:4860:4860::8888」と「4.ping -6 2001:4860:4860::8888」です。
「ping -4」はIPv4を指定したping実施となり、「-V」はpingのバージョンを出力するオプションとなります。
kubeuser@kubenewmaster1:~$ ping -4 8.8.8.8 -c 3
PING 8.8.8.8 (8.8.8.8) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=1 ttl=114 time=49.1 ms
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=2 ttl=114 time=5.30 ms
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=3 ttl=114 time=5.31 ms
--- 8.8.8.8 ping statistics ---
3 packets transmitted, 3 received, 0% packet loss, time 2003ms
rtt min/avg/max/mdev = 5.299/19.902/49.102/20.647 ms
kubeuser@kubenewmaster1:~$ ping -V
ping from iputils 20211215
では、実際にIPv6のアドレスに対してpingを実施してみましょう。
kubeuser@kubenewmaster1:~$ ping6 2001:4860:4860::8888 -c 3
PING 2001:4860:4860::8888(2001:4860:4860::8888) 56 data bytes
64 bytes from 2001:4860:4860::8888: icmp_seq=1 ttl=116 time=3.71 ms
64 bytes from 2001:4860:4860::8888: icmp_seq=2 ttl=116 time=3.50 ms
64 bytes from 2001:4860:4860::8888: icmp_seq=3 ttl=116 time=3.27 ms
--- 2001:4860:4860::8888 ping statistics ---
3 packets transmitted, 3 received, 0% packet loss, time 2004ms
rtt min/avg/max/mdev = 3.268/3.490/3.705/0.178 ms
kubeuser@kubenewmaster1:~$ ping -6 2001:4860:4860::8888 -c 3
PING 2001:4860:4860::8888(2001:4860:4860::8888) 56 data bytes
64 bytes from 2001:4860:4860::8888: icmp_seq=1 ttl=116 time=3.37 ms
64 bytes from 2001:4860:4860::8888: icmp_seq=2 ttl=116 time=3.91 ms
64 bytes from 2001:4860:4860::8888: icmp_seq=3 ttl=116 time=3.66 ms
--- 2001:4860:4860::8888 ping statistics ---
3 packets transmitted, 3 received, 0% packet loss, time 2002ms
rtt min/avg/max/mdev = 3.366/3.644/3.912/0.223 ms
なお、ping6は以下で確認できるように、pingのシンボリックリンクとなっています。
kubeuser@kubenewmaster1:~$ ls -l /bin/ping*
-rwxr-xr-x 1 root root 72776 Jan 30 2020 /bin/ping
lrwxrwxrwx 1 root root 4 Jan 30 2020 /bin/ping4 -> ping
lrwxrwxrwx 1 root root 4 Jan 30 2020 /bin/ping6 -> ping
また、ブラウザからIPv6アドレスを指定してWebアクセスする場合には"http://[IPv6のアドレス]"のような記載をするなど、IPv6利用にあたってはIPv4との違いを理解しておく必要があります。
nginxでIPv6アドレスでのアクセスを受け付ける
https://www.opensourcetech.tokyo/entry/20230131/1675164136
例題作成者
鯨井 貴博(LinuCエヴァンジェリスト/登録インストラクター、LPI-Japanアカデミック認定校 ゼウスITトレーニングセンター)