LinuCレベル1 102試験の例題と解説

1.07.1インターネットプロトコルの基礎

LinuCレベル1102試験の出題範囲から「1.07.1 インターネットプロトコルの基礎」についての例題を解いてみます。
ここでは、CIDR表記について確認しておきましょう。

Linucレベル1 102試験 出題範囲


例題

ネットワークアドレスが「192.168.100.0」サブネットマスクが「255.255.255.240」をCIDR表記に変換した時、正しいものを選択してください。

  1. 192.168.100.0/240
  2. 192.168.100.0/15
  3. 192.168.100.0/28
  4. 192.168.100.0/16

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「3. 192.168.100.0/28」です。

例題を解くには、まずCIDR表記とは何か、を理解しておく必要があります。

CIDR(サイダー)とは、Classless InterDomain Routingの略称で、「サブネットマスク」を使ってネットワーク部とホスト部を識別する方法です。CIDR表記とは、IPアドレス(IPv4アドレス)の範囲を表記する方法の一つで、「192.168.1.0/24」のように「ネットワークアドレス/ネットワーク部のビット数」という形式で表記します。
つまり、CIDR表記に変換するには、「ネットワークアドレス」と「ネットワーク部のビット数」を求める必要があります。

例題では、ネットワークアドレスは「192.168.100.0」と分かっているため、「ネットワーク部のビット数」だけ計算します。

ネットワーク部のビット数を計算するには、サブネットマスクを2進数に変換します。サブネットマスク「255.255.255.240」を2進数に変換すると以下のようになります。

11111111.11111111.11111111.11110000(255.255.255.240)

サブネットマスクを2進数に変換したビットの値から、上位28ビットがネットワーク部、下位4ビットがホスト部になることが分かります。
CIDR表記にした場合/(スラッシュ)の右側には、「ネットワーク部のビット数」を記載するため、「/28」となります。

よって正解は、「3. 192.168.100.0/28」となります。

なお、IPアドレスとサブネットマスクから、ネットワークアドレスを求めるには以下のように行います。

(例)
IPアドレスが「192.168.100.10」
サブネットマスクが「255.255.255.240」

まず、それぞれ2進数に変換します。

11000000.10101000.01100100.00001010(192.168.100.10)
11111111.11111111.11111111.11110000(255.255.255.240)

2進数に変換後、IPアドレスとサブネットマスクを論理積した結果が、ネットワークアドレス(開始IP)となります。

11000000.10101000.01100100.00001010(192.168.100.10)
11111111.11111111.11111111.11110000(255.255.255.240)
-------------------------------------------------------
11000000.10101000.01100100.00000000(論理積した結果=ネットワークアドレス)

ネットワークアドレスをIPアドレスの形式に戻すと「192.168.100.0」となります。
つまり、IPアドレスが「192.168.100.10」サブネットマスクが「255.255.255.240」の場合、ネットワークアドレスは、「192.168.100.0/28」となります。

ネットワークの構築を行う場合に、ネットワークアドレスやCIDR表記が理解できていないと、どのIPアドレスを利用できるのかが分からなくなってしまいます。計算方法なども含めしっかり理解しておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里

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