LinuCレベル1 102試験の例題と解説
1.09.2システムのログ
LinuCレベル1 102試験の出題範囲から「1.09.2 システムのログ」についての例題を解いてみます。ここでは、ログの保存について確認しておきましょう。
例題
logrotateの設定項目に対して説明が正しいものを選択してください。
- weeklyとrotate 4 が設定されている場合、4週間毎にローテーションが実行される
- delaycompressが設定されている場合、ローテーション後のファイルはすべて圧縮される
- compressが設定されている場合、ファイル名の末尾には年月日がつく
- dailyが設定されている場合、ログのローテーションは毎日実行される
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「4. dailyが設定されている場合、ログのローテーションは毎日実行される」です。
ログローテーションとは、ログを定期的に新しいものと入れ替えることで、ログファイルが肥大化し過ぎることを防ぐことができる仕組みです。
ログファイルが肥大化し過ぎると、ディスク容量を圧迫するだけでなく、ログを検索する際にも遅延が発生してしまいます。そのため、必要な期間のログだけを残すことが重要です。
ログローテーションで利用できる主な設定項目は以下の通りです。
daily | : | 日次でローテーションする |
weekly | : | 週次でローテーションする |
monthly | : | 月次でローテーションする |
rotate [N] | : | [N]世代数のログファイルを保存し、これより古いログファイルは削除する 周期がweeklyで4世代(rotate 4)の場合、4週間分のログのみを保存する |
dateext | : | ローテーション後のファイル名の語尾に日付8桁 (-YYYYMMDD)を付与する |
compress | : | ローテーション後のファイルをgz形式で圧縮する |
delaycompress | : | ログの圧縮作業を次回のローテーション時まで遅らせる ※comrepssと共に設定 |
missingok | : | ログファイルが存在しない場合もエラーとしない |
create | : | ローテーション後に空ファイルを作成する 以下の形式で、作成するファイルの権限を決めることが可能 create [権限] [オーナ] [グループ] |
それでは、例題の選択肢について解説します。
1.weeklyとrotate 4 が設定されている場合、4週間毎にローテーションが実行される
不正解です。
「rotate」は、保存する世代数を設定する項目です。つまり「rotate 4」は、ログローテーションされたファイルを4つ保存するという意味になります。「weekly」は、ローテーションを毎週実行する設定です。
よって、「weekly」と「rotate 4」が設定されている場合、4週間分のログファイルを保存します。
2.delaycompressが設定されている場合、ローテーション後のファイルはすべて圧縮される
不正解です。
「delaycompress」はログの圧縮作業を次回のローテーション時まで遅らせる設定です。ローテーション後のファイルをgz形式で圧縮する「compress」と一緒に設定する必要があります。「compress」と「delaycompress」が設定されている場合、ログローテーションされたファイルは、1世代目は圧縮されず、2世代目以降が圧縮されます。
3.compressが設定されている場合、ファイル名の末尾には年月日がつく
不正解です。
前述の通り、「compress」はローテーション後のファイルをgz形式で圧縮する設定です。ローテーション後のファイル名の末尾に年月日を付与する設定は「dateext」です。
4.dailyが設定されている場合、ログのローテーションは毎日実行される
正解です。
「daily」はログローテーションの周期設定で、毎日ログローテーションを実行する設定です。
ログローテーションはログの肥大化を防ぐ欠かせない設定です。実際に設定をして動作なども確認しておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里