LinuCレベル3 300試験の例題と解説
394.2認証と許可およびWinbind
LinuC レベル3 300試験の出題範囲から「394.2 認証と許可およびWinbind」についての例題を解いてみます。このテーマは【重要度 5】です。
winbindの情報を出力するためのツールであるwbinfoについて学びましょう。
例題
以下のwbinfoの説明について、誤っているものを選択してください。
- wbinfo -g は、Windowsドメインに存在するすべてのグループを一覧表示する。
- wbinfo -u は、Windowsドメインに存在するすべてのユーザを一覧表示する。
- wbinfo -d は、すべてのドメイン名を一覧表示する。
- wbinfo -p は、winbindデーモンが動作中かどうかを確認する。
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「3. wbinfo -d は、すべてのドメイン名を一覧表示する。」です。
winbindは、Sambaに含まれるユーティリティのひとつで、Windowsドメインと接続し、Windowsドメイン内のユーザやグループの情報をLinuxから利用できるようにします。wbinfoは、winbindから様々な情報を取得して表示するためのツールです。
主なwbinfoの利用方法を紹介します。
Windowsドメインに存在するユーザの一覧を表示する
$ wbinfo -u
EXAMPLE\administrator
EXAMPLE\guest
EXAMPLE\krbtgt
EXAMPLE\user01
EXAMPLE\user02
EXAMPLE\user03
Windowsドメインに存在するグループの一覧を表示する
$ wbinfo -g
EXAMPLE\domain computers
EXAMPLE\domain controllers
EXAMPLE\schema admins
EXAMPLE\enterprise admins
EXAMPLE\cert publishers
EXAMPLE\domain admins
EXAMPLE\domain users
EXAMPLE\domain guests
:
:
すべてのドメイン(信頼されたものと自分自身)を一覧表示する
$ wbinfo --all-domains
BUILTIN
WB01
EXAMPLE
所有するドメインだけを表示する
$ wbinfo --own-domain
EXAMPLE
winbindデーモンが動作中かどうかを確認する
(winbind動作中)
$ wbinfo -p
Ping to winbindd succeeded
(winbind停止中)
$ wbinfo -p
Ping to winbindd failed
could not ping winbindd!
ユーザ名やグループ名をSIDに変換する
$ wbinfo -n user01
S-1-5-21-4203950679-1804307182-2776901580-1111 SID_USER (1)
SIDをユーザ名やグループ名に変換する
$ wbinfo -s S-1-5-21-4203950679-1804307182-2776901580-1111
EXAMPLE\user01 1
ここで紹介したもの以外にも様々な情報を表示することができます。
--helpオプションを指定すると、wbinfoの利用方法を確認することができます。
$ wbinfo --help
使い方: wbinfo [オプション...]
-u, --domain-users Lists all domain users
-g, --domain-groups Lists all domain groups
-N, --WINS-by-name=NETBIOS-NAME Converts NetBIOS name to IP
-I, --WINS-by-ip=IP Converts IP address to NetBIOS name
-n, --name-to-sid=NAME Converts name to sid
-s, --sid-to-name=SID Converts sid to name
--sid-to-fullname=SID Converts sid to fullname
:
:
例題の選択肢を確認してみましょう。
1.wbinfo -g は、Windowsドメインに存在するすべてのグループを一覧表示する。
正しい説明ですので、選択肢としては誤りです。
2.wbinfo -u は、Windowsドメインに存在するすべてのユーザを一覧表示する。
正しい説明ですので、選択肢としては誤りです。
3.wbinfo -d は、すべてのドメイン名を一覧表示する。
誤った説明ですので、選択肢としては正解です。
-d オプションは存在しません。
すべてのドメイン名を表示する場合、wbinfo --all-domains を使用します。
4.wbinfo -p は、winbindデーモンが動作中かどうかを確認する。
正しい説明ですので、選択肢としては誤りです。
wbinfoの利用方法を把握して、winbindの情報を調べることができるようにしておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 大野 公善